【2020年度版】養育費算定表をめぐる最新情報

養育費算定表 令和

15年ぶりに養育費の算定表が改訂されました。(令和元年12月23日)

最新の情報は最高裁判所のホームページで公開されていますので、チェックしてください。

参考 平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について裁判所

養育費の金額については、算定表をチェックしていただくとして、本記事では養育費に関連する最新情報について紹介していきたいと思います。

最新情報

算定表をめぐる注意点について解説しておきます。

すでに取り決めがある場合は?

すでに離婚していて、養育費を受給している方は「新しい養育費算定表が登場したのだから、金額が変更になるの?」という疑問をもつことでしょう。

その答えはさきほど紹介した裁判所のホームページに掲載されている『研究報告の概要』という資料に記載がありますので引用します。

(1)本研究の発表は、養育費等の額を変更すべき事情変更には該当しない。

(2)客観的事情の変更があるなど、既に定めた養育費等を変更すべき場合の養育費等の算定に当たっては、本研究の提案した改定標準算定方式・算定表を用いることが期待される。

【引用:研究報告の概要

つまり・・・・

新しい養育費算定表が発表になったからといって、そのことがすでに支払われている養育費の金額を変更する理由にはならない。ただし、養育費の金額を変更すべき特別な事情が発生して、実際に養育費の支払い金額を変える場合には、新しい養育費算定表を利用することが望ましい。

ということですね。

養育費算定表の硬直運用

前回の養育費算定表との大きな違いとして、裁判所が運用についてコメントしている点が挙げられます。どのようなコメントなのでしょうか?

さきほど紹介した裁判所のホームページには、『※ 養育費・婚姻費用算定表について(説明)』があるのですが、その資料には以下のような記載があります。

この算定表は,あくまで標準的な養育費及び婚姻費用を簡易迅速に算定することを目的としています。

最終的な金額については,いろいろな事情を考慮して定まることになります。したがって,裁判所においてこの算定表が活用される場合にも,裁判所の最終的な金額についての判断がこの算定表に示された金額と常に一致するわけではありませんし,当事者間の合意でも,いろいろな事情を考慮して最終的な金額を定めることが考えられます。

ただし,いろいろな事情といっても,通常の範囲のものは標準化するに当たって算定表の金額の幅の中で既に考慮されていますので,この幅を超えるような金額の算定を要するのは,算定表によることが著しく不公平となるような特別な事情がある場合に限られることになると考えられます。

【引用:養育費・婚姻費用算定表について(説明)】

裁判所の言い分に混乱する人は多いと思います。なぜならば「最終的な金額は、いろいろな事情を考慮して決める」と断言しているものの、その一方で「いろいろな事情といっても通常の範囲内のものは、すでに算定表のなかで考慮している」とも主張しているからです。

この裁判所の説明を読んだ人の多くが、「通常の範囲はどこまでを指すのだろう?」と疑問になるのは当然のことでしょうが、明確な基準もないうえに、判例も積み重なっていない以上、未知数の部分も多く残されているのが実情です。

本当の問題は別にある

今回の養育費の算定表の改定によって、養育費の金額そのものは微増しましたが、めでたしめでたし・・というわけではありません。なぜならば養育費をめぐる問題の本質は、金額そのものよりも「未払い」にあるからです。

ご存知の方も多いと思いますが、養育費は現在25%ほどしか支払われておらず、現在「逃げるが勝ち」状態になっています。

なぜ?「逃げるが勝ち」状態が放置されているのかといえば、離婚する前に養育費に関する約束事を公正証書として記録しておかないということもありますが、強制執行するまでの手続きが面倒な上に、未払いする側への罰則も甘く、なおかつ養育費を支払われる側のなかにも、「離婚した人と関わりたくない」、「子どもを相手方に面会させたくない」という心理が働くためです。

しかしその状況が変わりつつあります。養育費の踏み倒しについて、法改正で罰則を強化する動きがあるのです。

現行の法律では、裁判所に出頭しなかったり、財産の虚偽陳述をした場合には「30万円以下の過料のみ」(※ 過料とは、行政上、軽い禁令をおかしたものに支払わせる金銭のこと。)と定めらているのですが、現在検討されているとされる新しい法律では、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」に変更されるといわれているのです。

この変更は養育費を支払う側にすれば、大きなプレッシャーになります。なぜならば養育費を支払わないことによって、刑事罰を科されることはすなわち、「前科者」になることを意味するからです。

最後に

法改正は2021年の4月以降といわれています。最新情報が入り次第またこちらのウェブサイトに情報をアップする予定です。