「第8回裁判の迅速化に係る検証結果」によれば、離婚調停の結果は以下のようになっています。
- 調停成立 ⇒ 54.0%
- 取り下げ ⇒ 20.3%
- 調停不成立 ⇒ 15.8%
- 審判 ⇒ 5.9%
- その他 ⇒ 4%
調停成立が54%、不成立が46%という現実をどう見るでしょうか?
わたしは「成功確率は高くない」とみます。なぜならば離婚する夫婦全体の内、話し合いで離婚する夫婦が87.2%、調停離婚が9.8%、裁判離婚を含むその他3.0%という現実があるからです。
つまり夫婦間だけでの話し合いがにっちもさっちもいかなくなって調停になっているわけで、調停が不成立なら決着をつけるなら裁判するかしかなく、もし裁判もしないなら宙ぶらりんの状態(別居状態)が今後も続く・・・・という状態なわけです。
夫婦からすれば「調停の話し合いで決着をつけられるならそれに越したことはない」という状況なわけですが、そういう状況で調停に挑んだ結果として46%が不成立というならやっぱり「調停の成功確率は高くない」と思います。
どうすれば調停成立の確率を上げることができるでしょうか?残念ながら夫婦関係は夫婦の数だけあるので、「こうしたら必ず調停は成功します。」ということをお伝えすることはできませんが、逆に「●●しないほうがいい」ということはある程度わかっていますので、情報を共有したいと思います。
大前提
「こうしたら必ず調停は成功します。」ということはお伝えすることはできません。といった手前、お伝えしずらいのですが、離婚調停を成功に導く大原則が一つだけあります。
離婚調停を成功に導く大原則・・・・・それはズバリ「他人のことを考るべし!」です。当たり前のことかもしれませんが、意外と見過ごしがちな事実ですので、そのことだけは最初に強調しておきたいと思います。
離婚調停は「話し合い」であり、ディベート大会のように論理と論理を戦わせるような場ではありません。ですから「●●だから離婚(離婚しない)べきだ!」などと自分の正当性を考えるというよりは、「どのような情報を、どのように伝えれば、他人は納得してくれるのだろうか?」ということを徹底的に考えることが「調停に勝つ」秘訣ですので覚えておきましょう。
他人のことを考えるとは?
「他人のことを考るべし!」ということの意味を具体的に解説していきたいと思います。
#1) 調停委員を味方につける
勘のいい方であれば「配偶者のことを考えろ」ではなく「他人のことを考えろ」という表現にした真意をくみ取ってくれたと思います。「他人」とは利害関係者全員のことです。もちろん「他人」のなかには「調停委員」も含みます。
離婚調停において調停委員を味方につけるとはどういうことか具体的に知りたい方は以下の記事を参考にしてください。


#2) 配偶者を説得する
第三者からすれば「離婚もやむなし」というケースでも相手方が離婚を希望しなかったり、逆に「まだやり直せる余地がある」というケースでも相手方が離婚を希望することはよくあることです。
そのような場合、自分の立場から正当性を主張するのではなく、配偶者の立場になって説得することが重要になってきます。もう少し具体的に知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
