離婚調停の流れ・進め方

離婚調停 流れ

離婚調停の流れを大まかにいうと、「家庭裁判所に調停の申し立てをして、何回かの調停を行い、そして調停がまとまれば成立となり、調停調書を作成して終了(まとまらなければ不成立で終了)」になりますが、もう少し詳しく知りたい方のために順を追って説明します。

全体像

調停の流れ

調停離婚 全体の流れ

上図の通り、調停離婚・審判離婚が成立するまでには流れがありますので、順を追って詳しく解説します。

調停の流れ
  1. 調停申立
  2. 調停で話し合い
  3. 調停調書作成
  4. 離婚届の提出
  5. 審判

調停申立(1)

調停申立

調停申立(①)

離婚調停は、家庭裁判所に調停の申し立てを提出することによってはじまります。

調停の申立先

調停の申し立て先については、家事事件手続法という法律で「相手方の住所地の家庭裁判所」または「当事者が合意で定める家庭裁判所」とされています。

参考 裁判所の管轄区域裁判所

ですから自分と相手が同じ地域なら最寄りの家庭裁判所に申し立てをすればOKですが、別居中で別の地域で生活しているような場合には注意が必要です。「遠方の裁判所を避ける方法」には2つあるのでそれぞれについて解説します。

遠方の裁判所を避ける方法
  1. 相手と話し合って決める
  2. 最寄りの家庭裁判所の許可

相手と話し合って決める

相手があなたの住所地を管轄する家庭裁判所での調停に納得すれば、相手の住所地を管轄する家庭裁判所でなくても構いません。

この場合は夫婦がお互いに調停をする裁判所について合意していることを証明する書類を提示する必要があります。その書類を「管轄合意書」といいます。管轄合意書の書式は、以下のサイトで裁判所が公開しています。

最寄りの裁判所に許可してもらう

相手の合意が得られない場合でも、あなたの最寄りの家庭裁判所で調停を開催することができます。

そのためには「自庁処理上申書」という書類を家庭裁判所に提出し許可を求めることが必要です。裁判所が許可するのは以下のようなケースです。

  1. 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所が遠方にあり、なおかつ乳幼児がいるため出席できない
  2. 生活保護以下の収入しかなく、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所までの交通費を捻出できない

なお裁判所に例外処理を申立てる以上は「証拠」を求められることがあります。自庁処理上申書の書式は、以下のサイトで裁判所が公開しています。

申立書の作成

離婚調停の申立ては、口頭ではなく書類(調停申立書)の提出で行います。調停申立書はそれほど難しくはないので、自力で作成できます。

調停申立書のひな型は、家庭裁判所の窓口にも備えつけてありますし、書き方の見本もあります。また裁判所のホームページでは、申立書や記入例もダウンロードすることができます。

参考 家事調停の申立書裁判所

もしわからなければ家庭裁判所の窓口の職員にたずねれば親切に教えてくれるはずです。

陳述書

申立書の記入欄はあまりスペースがないので、陳述書を別紙で作成し提出することも可能です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

離婚調停 陳述書離婚調停の陳述書を自力で作成する簡単3STEP

調停の申立

調停申立書を作成したら、戸籍謄本等の添付書類、印紙を貼りつけて家庭裁判所に提出します。調停申立書については、コピーをとっておくことをおススメします。

必要書類一式については箇条書きにしておきますので参考にしてください。

必要書類一式
  1. 夫婦関係調整調停申立書(裁判所用、申立人、相手方、各1通)
  2. 事情説明書(1通)
  3. 子についての事情説明書(1通)
  4. 連絡先等の届出書(1通)
  5. 進行に関する照会回答書(1通)
  6. 夫婦の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)1通
  7. 年金分割のための情報通知書(年金事務所で貰う)
  8. 非開示の希望に関する届出書(1通)
  9. 収入印紙(裁判所によって異なる)
  10. 郵便切手(裁判所によって異なる)
  11. 管轄合意書
  12. 自庁処理上申書
  13. 陳述書

申立てに必要な費用や、必要書類について正確に知りたければ裁判所の公式情報をチェックしてください。

「1.夫婦関係調整調停申立書」はコチラからダウンロードできます↓↓↓↓

参考 夫婦関係調整調停(離婚)裁判所

「2.子についての事情説明書」~「5.進行に関する照会回答書」については、コチラからダウンロードできます↓↓↓↓

参考 夫婦関係や男女関係に関する調停の申立書裁判所
事情説明書とは?

事情説明書とは、同居しているかどうかや、財産の状況などについて説明するものです。なお余裕があれば事情説明書の他に、陳述書を作成することをお勧めします。

離婚調停 陳述書離婚調停の陳述書を自力で作成する簡単3STEP
子についての事情説明書とは?

子についての事情説明書とは、親権者を決めるために参考となることを書く書類です。なお余裕があれば事情説明書の他に、陳述書を作成することをお勧めします。

離婚調停 陳述書離婚調停の陳述書を自力で作成する簡単3STEP
連絡先等の届出書とは?

あなたへの連絡方法について裁判所に伝えるための書類です。

進行に関する照会回答書とは?

進行に関する照会回答書とは、相手方が調停に出席する可能性や、調停の日程調整のために参考にする書類です。

年金分割のための情報通知書とは?

年金分割のための情報通知書は、調停開始までに必ず必要なものではないようです。調停開始までに間に合わなければ、家庭裁判所を通じて入手します。

とはいえ離婚調停前に年金分割額を知っておくことは、離婚後の生活設定をする上で有益です。時間的に余裕があれば、先んじて年金分割のための情報通知書を手に入れて下さい。

なお年金分割のための情報通知書を年金事務所に請求してから、実際に到着するまでには1ヶ月程度の期間を想定する必要があるそうですから、申請手続きは早めに行いましょう。

離婚 年金分割離婚の年金分割を図解で簡単解説!【仕組み・3号分割・手続き】
非開示の希望に関する届出書とは?

あなたの提出した証拠書面や証拠のうち、相手に見せてほしくないものがある場合に利用する書類です。浮気の証拠を掴んでいることを、あえて相手に伝えないケースなどに利用します。

管轄合意書とは?

管轄合意書は、調停を行う家庭裁判所を夫婦で話し合って決める場合に必要な書類です。相手の住所地を管轄する家庭裁判所で調停を行う場合には必要ありません。

自庁処理上申書とは?

自庁処理上申書は、あなたの最寄りの家庭裁判所で調停を行いたい場合に必要な書類です。相手の住所地を管轄する家庭裁判所で調停を行う場合には必要ありません。

陳述書とは?

陳述書については、以下の記事に詳しくまとめています。

離婚調停 陳述書離婚調停の陳述書を自力で作成する簡単3STEP

調停委員の選出

調停が申し立てられると裁判所は調停申立書を確認し、調停委員の名簿から調停委を選任します。

日程調整

担当の調停委員が決まると、調停のスケジュール調整がはじまります。調停を申し立てた申立人には家庭裁判所から候補日時の打診がありますので、その中から出席できる日時を回答します。

相手方には決められた日程日時について、「●●日に調停を行うので裁判所に来てください。」と郵便で通知されます。その際、調停申立書も同封されています。仮に相手方の事情で調停に参加できない場合には、裁判所書記官が日程を再調整します。

事前に相手に伝えるべきか?

家庭裁判所から突然呼び出し状がきたら、誰でもびっくりすると思います。一般の方にとっては「円満調停」と「離婚調停」の区別が付かないのが普通でしょうから、「家庭裁判所から呼び出し状が届くから驚かないでね」と、事前に申し立てる事実を伝えておくことをおススメします。

調停で話し合い(2)

調停で話し合い

調停で話し合い(②)

調停委員を通して離婚や離婚条件の合意を目指します。

受付&待機

離婚調停当日は、家庭裁判所に出かけて窓口で受付をします。受付をした後は、申立人は「申立人待合室」、相手方は「相手方待合室」に案内されます。

待合室は専用の個室ではありませんので、他の調停のために待っている人もいますし、弁護士をつけている人が弁護士と相談していることもあります。

調停の進め方(初回)

基本的に調停での話し合いは、まずは申立人から行われます。この間、申し立てられた側(相手方)は、控室で待機することになります。

次に申立人と交代して相手方が調停室に入ります。その場で申立人からの主張を伝えられた後、相手方は主張を述べることになります。なお1回の話し合いはおおよそ30分程度が一つの目安になります。

調停の進め方(2回目以降)

調停はもめていない場合には1回で終了することもありますが、もめている場合には2回、3回と調停が続くことになります。

1回目の調停ではお互いの主張を確認し、双方で主張が食い違っている点や争点を整理し、2回目以降の調停ではそれらの争点について話し合うことになります。

なお争点について話し合うために、1回目の調停で調停委員から追加で書類を用意するようにお願いされることもありますので、できる限り準備して持参するようにしましょう。

2回目以降の調停も1回目の調停と同様に、当事者から交互に話を聴く形で進んでいきます。そして2回目の調停で合意が成立しない場合、今後の話し合いによって合意が成立する可能性があると調停委員が判断すれば3回目の調停が開催されます。

調停は白黒ハッキリつける場ではありませんので、調停員は夫婦双方が納得するまで解決策を提示するなどしても、夫婦による話し合いが難しいと判断されれば話し合いは打ち切られますし、もしくは申し立てた側が「取り下げ」れば調停での話し合いは終了になります。

時間割・拘束時間

離婚調停の時間割は、裁判所によって異なります。一日3コマの場合もあれば、一日2コマの場合もあります。一日3コマのケースでは、以下のような時間割になることが多いです。

調停の時間割_パターン1
  • 午前10時~12時
  • 午後1時~3時
  • 午後3時~5時

また一日2コマのケースでは、以下のような時間割になります。

調停の時間割_パターン2
  • 午前
  • 午後

いずれのケースであれ、平日に開催されるのが特徴です。そのため平日に仕事をしている場合には、調停に参加するだけでも大きな負担になります。

とはいえ家庭裁判所からの呼び出しを軽々しく無視するわけにもいきません。家庭裁判所からの呼び出しを無視すれば、自分の主張を伝えることが出来ませんし、5万円以下の過料(罰金のこと)が請求される可能性があるからです。

離婚調停の期間

離婚調停はどれくらいの期間続くのでしょうか?参考までに平成23年度司法統計を紹介します。

離婚調停の期間
  • 1ヶ月以内⇒7.6%
  • 1ヶ月超3カ月以内⇒32.4%
  • 3ヶ月超6カ月以内⇒35.3%
  • 6ヶ月超1年以内⇒18.6%
  • 1年超2年以内⇒3.0%
  • 2年超⇒0.1%

司法統計によれば3ヶ月~6ヶ月以内が一番多いようです。つまり離婚調停が行われる間隔が1ヶ月~1ヶ月半であることを踏まえれば、3回~6回程度は離婚調停に参加するのが一般的なようです。

調停委員とは?

調停委員については、以下の記事で詳しく解説していますので興味があれば参考にしてください。

調停委員 誰調停委員とは一体、誰なのか?

調停調書の作成(3)

調停調書の作成

調停調書の作成(③)

調停で話し合われた内容に、夫婦が合意すれば調停調書が作成されます。そして調停調書に記載された合意内容を、裁判官立会のもと確認することになります。

裁判官も人間ですから、間違うことがあります。そのため裁判官を信頼しすぎないで調停調書の内容に間違いがない確認し、間違いがあれば訂正しましょう。

調停調書の送達申請を忘れるな!

合意内容は、調停調書という書類にまとまります。しかし調停調書が正式な書類になるまでには、少し時間がかかります。

そのため調停調書が出来上がり次第、郵送してもらうための手続きを忘れずに行いましょう。その手続きは「調停調書正本の送達申請」といいます。

申し込み書類は、裁判所の書記官室にありますので、記入捺印して提出します。

離婚届けの提出(4)

離婚届の提出

離婚届の提出(④)

離婚をする場合、申立人は、離婚調停が成立してから10日以内に役所で手続きをしなければなりません。

届出に必要なもの

届出に必要な書類を以下に箇条書きにしておきます。

届出に必要な書類
  • 離婚届
  • 調停調書の謄本(2通)
  • 夫婦の戸籍謄本

なお離婚届には申立人のみの署名・押印があればよく、相手や証人の署名は必要ありません。また本籍地以外の役所で手続きする場合には、夫婦の戸籍謄本が必要となります。

調停での合意内容が守られない場合

もしも調停での合意内容が守られない場合には、家庭裁判所の書記官に連絡しましょう。連絡をうけた書記官が、相手に履行勧告として、調停条項を守るように話をしてくれます。

またそれと同時に対応期限を定めた履行命令を出してくれます。金銭を支払わなかったりすれば、強制的に約束を守らせる強制執行を行ってくれます。

審判(5)

審判

審判(⑤)

調停による話し合いが決裂した場合には、裁判所の職権で強制的に離婚を成立させる「審判」が下される可能性があります。

ただし、審判は少額の慰謝料の差で揉めているような場合(詳細は後述)のみに下されるレアケースの処置になります。

そのため仮に審判が下っても、2週間以内に異議申して手をすれば審判離婚を不成立にすることが可能です。

逆に2週間以内に異議申し立てをしなければ、判決が確定してから10日以内に離婚届、審判書、確定証明書を役所に提出すると離婚が成立します。

なお離婚成立日は、判決が確定した日となります。

審判が下されるケースをもっと詳しく!

裁判官の職権で審判が下されるのは、以下のケースです。

  • 僅かな金額の違いでお互いが合意しない場合
  • 条件面で折り合いがついているものの、体裁面を重視して相手と合意しないと心に決めているような場合
  • 事件を早急に解決しないと、未成年の子に対する健全な成育環境が脅かされ、著しい不利益が生じると考えられる場合

つまり家庭裁判所が「これ以上争っても無駄。判決に従いなさい。」と諭す場合にのみ、審判は下されるのです。