離婚調停はあくまでも「話し合い」の場であり、裁判のように勝ち負けをハッキリさせる場ではありません。
夫婦間の話し合いを試みては失敗している人ほど「離婚調停を申し立てたからといって、何かしらの成果を期待できるのだろうか?」と疑心暗鬼になる気持ちもわからないではありません。
そこで離婚調停の話し合いに意味があるのか?ということについてわかりやすく解説します。
信頼感を当てにしても無駄
離婚問題において「裁判したら大体どうなるか?」という相場は大体決まっていますので、お互いが譲歩するところは譲歩すれば、落ち着くところに落ち着くはずです。
しかし必ずしも離婚協議が前に進まないのは、夫婦に「感情の対立」があるからです。感情の対立がある以上、あなたがどれだけ正論を吐こうが「信頼できない」という相手の一言で協議が決裂してしまうということはあり得るのです。
夫婦間での話し合いがうまくいかない場合「第三者を通じて話し合う」ことは誰でも思いつくと思いますが、残念ながら適任となる人がなかなかいないのです。
夫婦どちらか一方の弁護士に間に入ってもらおうにも、一般的にその弁護士は夫婦のどちらかに雇われているため、中立公平な立場を期待することはなかなか難しいのが実情です。
そんな時に頼りになるのが「調停委員」の存在です。調停委員の素性はさまざまであり、元公務員という場合も珍しくありませんが、少なくとも「夫や妻との間に利害関係がない」という点が担保されていることは確かです。
ですから妻(or 夫)の言い分どおりに離婚を認めるなんて絶対に許せないという状況でも、「調停委員がそういうならしょうがないのかもしれない」と相手が納得してくれることも期待できます。
ウィンザー効果
「ウィンザー効果」という心理学用語があります。
ウィンザー効果とは、「何かの効果を直接伝えられるよりも第三者から間接的に聞いたほうが信憑性は高まる」という現象のことです。
夫婦関係がこじれている以上、あなたから相手方に正論を伝えても相手の心に響かない可能性は高いですが、同じメッセージであっても調停員から伝えられるだけで相手の心を動かすということは本当にあり得るのです。
例えば「夫婦関係は修復できる見込みがない」と主張した結果、相手から「そんなことはない」と反論され続けてきたのに、調停委員から「もう旦那さん(奥さん)を解放してあげたらどうですか?」と投げかけられたことにより、しぶしぶ離婚に承諾したという事例が確認されています。
離婚調停は使い方によっては期待以上の結果をあなたにもたらしてくれますので、是非とも上手に活用できないか検討してみましょう!!