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離婚の財産分与を成功させるコツ

離婚 財産分与 コツ

財産分与を成功に導くコツを6つ紹介します。

原則論は当てにしない

財産分与で紹介される原則論は2つあります。

財産分与の原則論
  1. 財産分与の対象は夫婦の共有財産
  2. 財産分与の割合は原則半分ずつ

しかしこの原則論を鵜呑みにする必要はありません。なぜならば離婚協議全体の状況によっては、原則を破った方が夫婦双方にとって得になることがあるからです。

ご存知のように離婚で話しあうべきことは他にもあります。

離婚で協議すべきこと
  • 離婚時期
  • 離婚の理由(対外的な)
  • 親権
  • 面会交流権
  • 慰謝料
  • 婚姻費用 etc

つまり財産分与で大きく負けても、他で勝てばいいという場合もあるということです。財産分与だけに固執すると、木を見て森を見ないということにもなりかねませんので注意しましょう。

納得感が大事

財産分与では、納得感を重視すべきです。なぜならば離婚協議そのものが交渉事だからです。

あまりにも理不尽な主張をすれば、以下のような印象を与えてしまうリスクだってあります。

わがままな主張をするリスク
  • 身勝手な人
  • わがままな人
  • 合理的な話ができない人 etc

交渉が上手くいかなければ、調停・裁判に突入する可能性もありますが、調停・裁判で戦うことは、夫婦お互いにとって望ましいものではないはずです。

感情に囚われるとなかなか交渉は上手く進みませんので、以下のような感情は一旦横において交渉に望むことを強くおススメします。

負の感情にはご注意を!
  • 気に入らない
  • 絶対に許さない
  • ぎゃふんと言わせたい
  • やり返したい
  • 復讐したい etc

あなたができることは、納得感を与える材料を可能な限り用意しておくことです。

仮に半分よりも多くの財産を要求できるのだとすれば、その理由はどのようなものでしょうか?じっくりと考えれば、様々な理由が考えつくと思います。例えば・・・

有利になる理由_その1
  • 苦しい時に家計を支えたのは私(俺)
  • 平均より裕福なのは私(俺)の才能・努力
  • 着実な資産形成は私(俺)のおかげ etc

自分の貢献を主張すること以外でも、財産分与で有利な立場になる材料を用意することは可能です。例えば何かを条件にすることで財産分与の権利を主張することも考えられます。

有利になる理由_その2
  • 早く離婚に応じる
  • 慰謝料はいらない
  • 離婚後の生活保障は求めない
  • 面会交流を多く(少なく)する
  • 離婚の本当の原因は他言しない

財産分与の権利を主張する材料は沢山見つかると思います。ただし、聞かれてもいないのにペラペラと主張すれば余計にこじれるリスクがありますから注意しましょう。

離婚前の決着を目指す

財産分与の話し合いを安易に後回しにしてはいけません。「離婚後2年以内に処理すればいいんでしょ?」と安易に考えるのは危険です。

なぜならば離婚後の財産分与交渉はトラブルになりやすいからです。冷静になって考えてみてください。離婚後に元配偶者と顔を合わせたり、スケジュールを合せるのは面倒ですよね?

面倒な上に、結局は「お金を払う払わない」の話をするわけです。お金を支払う側は、支払いたくないと感じるのが自然でしょう。ですから離婚前の「お金は絶対払うから!」という口約束を信じるのは危険なのです。

人間は、いざお金を支払う時になって痛みを感じ、出し渋る生き物です。クレジットカードで買い物するときは最高に気持ちいいのに、銀行口座からお金が引き落とされる時になって痛みを感じるのです。財産分与も同様です。「離婚」という共通のゴールを共有しているうちに決着をつけることをおススメします。

全体像を把握すべし

家計の管理を配偶者に任せっきりにしていませんか?金額の大きな財産の内容を把握していますか?

財産の全体像を把握することは財産分与の最重要ポイントの一つです。なぜならば、全体像が掴めなければ財産を半分にできないからです。

それだけでなく、本当に自分の取り分が半分だったのかすら判断できません。

例えば「ずっと離婚したかったので少しずつ別口座にカネを移して2,000万円貯めました」、「貸金庫には、宝石やダイヤを預けています」、という対策を隠れてやっている人は実際に存在します。

「へそくり」も金額が大きくなると見過ごせない問題になります。一度隠された財産の存在を証明するのは非常に厄介です。訴えても民事事件では、警察は動いてくれません。

また裁判所の権限で調査するためには、金融機関名・支店名の情報が必要です。手当たり次第に調査すれば見つかる場合もありますが、調べる範囲にも限度があります。

そもそも現物で隠されている場合には、探偵でも財産の存在を立証するのは困難でしょう。もし現在進行形で財産を処分されている気配があれば、早期の対応が必要です。

財産が処分されそうなら裁判所に財産保全の仮処分命令を出してもらうことも視野に入れる必要があります。財産保全の仮処分命令を金融機関に通達してもらい、銀行口座を凍結することも可能です。

もし財産隠しを予防するための更に詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

へそくり作戦

財産を少しでも確保したいなら「へそくり」を確保するのが一番手っ取り早い方法です。但し、へそくりも家計から捻出した場合には財産分与の対象です。

へそくりを配偶者の目から隠し続けて離婚する場合には、しっかりとした準備が必要です。へそくりでお金を残す方法は、以下の記事を参考にしてください。

情報収集は徹底的に

財産分与の最大の火種は「不動産」です。単純に金額が大きいからというだけの理由ではありません。不動産の財産分与は「権利関係」に十分注意する必要があります。

特に、以下の2点は確実におさえておくべきです。必要に応じて、不動産登記も確認すべきです。

徹底的に確認すべきこと
  • 連帯保証人
  • 連帯債務人

例えばあなたが連帯保証人になったまま離婚し、その後住宅ローンを元配偶者が滞納すれば、全ての債務はあなたのものになります。

連帯保証人には、債務の支払いを拒否する権利はありませんので、仮に離婚して10年以上が経過していても問答無用で支払う義務を負います。

少し不安になったのであれば、あなたはラッキーです。不動産の権利関係のことを深く考えずに離婚することだってあるからです。

さてこれまでは重要なポイントのみを解説しました。ここからは、財産分与の具体的な手順を解説していきます!