離婚の誓約書では不十分?協議書と公正証書も知っておこう!

離婚 誓約 書

「誓約書をかいてください!」などと、離婚の現場では「誓約書」という言葉が飛び交います。

しかし、誓約書という言葉は曖昧に使われることが多いのが実情です。誓約書を作成したいと主張する本人が望んでいるものが実は「協議書」だったりします。

そこで本記事では、離婚の誓約書について詳しく解説していきます。

誓約書のキホン(1)

誓約書の基本知識
  1. 誓約書とは?
  2. 契約書の目的
  3. 契約書の欠点
  4. 契約書のメリット

誓約書とは?(1-1)

誓約書とは、片方がもう片方に「約束」した内容を書面にしたものです。

契約書で約束すること
  • 金輪際、浮気しません
  • これ以上、借金を増やしません
  • 暴力を振るわないことを誓います
  • 姑・姑からの要望には肩入れしません etc

誓約書はどちらか片方からの一方的な約束です。あくまで夫婦双方が対等ではない点に注意してください。つまり誓約書で約束をした側からすれば「見返りがない」のです。

例えば「浮気をしません」という約束をしても、何かが得られる確証はないということです。誓約書で約束させられる側からすれば、少し心許ない状況かもしれません。

一方で夫婦が双方向で約束する場合は、誓約書ではなく「合意書・契約書」と呼びます。

例えば夫婦の両方が浮気をしている状況で「夫も浮気をしない」、「妻も浮気をしない」という約束を書面にしたものは「合意書・契約書」といいます。

合意書・契約書の代表例は「離婚協議書」です。離婚協議書は、夫婦それぞれが守る離婚条件を記載した契約書のことです。

離婚協議書とは?

夫婦の合意事項を記載したものが「離婚協議書」です。「私も〇〇を守るけど、あなたも●●を守ること」というイメージです。

離婚協議書で合意すべき事柄は多岐にわたります↓↓

  • 親権
  • 面会交流権
  • 養育費
  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 婚姻費用 etc

離婚協議書作成のコツは、バランスのあるものを作成する意識を強くもつことです。

上記で挙げたそれぞれのテーマは、独立しているように見えますがそうではありません。各テーマ毎の条件を引き合いにして「駆け引き」するのが一般的です。片方が圧倒的に有利な離婚協議書は、不利な側が約束を守らない可能性が高いので注意してください。

これ以降しばらくは、「誓約書」について詳しく解説していきます。

誓約書の目的(1-2)

誓約書を用意する目的はなんでしょうか?契約書を用意する最大の目的は「夫婦関係の修復」です。もう少し具体的にいえば「再発防止」が誓約書の目的です。

つまり事件の再発を防ぎ、夫婦円満を実現する意志がなければいけません。例えば以下のような「誓約」と「夫婦関係修復」の関係性が考えられます。

  • 浮気をしない ⇒ 夫婦円満を目指す
  • 配偶者に近づくな! ⇒ 浮気相手への牽制
  • 借金しない ⇒ 貧困からの脱却
  • ギャンブルをしない ⇒ ゆとりある生活へ  etc

あくまで夫婦関係修復を目指しているため、それ以上の目的には不向きです。例えば以下のような誓約には、ほとんど意味がありません。

効果が期待できない誓約書
  • 次に浮気をしたら離婚します
  • 次に暴力を振るったら1億円を支払います

「約束させたんだから、守らせないと誓約書の意味がない」と思うかもしれません。しかし残念ながら、誓約書は決して万能というわけではないのです。もう少しくわしく誓約書の欠点について説明したいと思います。

誓約書の欠点(1-3)

誓約書の大きな欠点は2つあります。

誓約書の欠点
  1. 誓約書はいつでも取り消せる
  2. 度を超えた約束は無効

誓約書はいつでも取り消せる(1-3-1)

誓約書の欠点は最大の欠点は、「婚姻時の約束はいつでも取り消せる(例外を除く)」という点です。

誓約書は、相手の都合で一方的に取り消せるものなのです。民法第754条では「夫婦間の契約の取消権」について以下のように規定しています。

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

ただし、夫婦間であっても契約を破棄できないケースもあります。ズバリ「夫婦関係が破綻」していると認められる場合です。

「夫婦関係の破綻」が確実に認められる条件は明文化されていないのですが、過去の事例では夫婦関係破綻を証明するわかりやすい証拠は「別居」です。

別居中に交わした誓約書は勝手に取り消せない「可能性がある」と覚えておきましょう。

誓約書の欠点を克服する方法

「誓約書」と「離婚協議書」には明確な欠点があります。それは 約束が守られないと「強制執行」ができないという点です。そのため約束を守らせようと思えば裁判で訴えるしかありません。

しかし裁判をするのはカンタンではありません。なぜならば裁判で訴えるとなれば、裁判費用・弁護士費用の負担も必要ですし、精神的な負担も少なくないからです。

そのため結局は「本当に裁判してまで勝ち取りたいものなのか?」と考えてしまい、裁判に踏み切らない人も多いのです。

例えば浮気が原因で離婚を勝ち取り、慰謝料150万円を勝ち取ったとします。その一方で、裁判での諸々の諸経費が150万円だったとします。そうとなれば裁判で勝てても、負けてしまったような複雑な感情になるでしょう。

結局、裁判するのが合理的なケースは以下の2つです。

  • 勝ち取る金銭が莫大
  • お金では解決できない(離婚、親権)

あなたにお勧めするのは、「最初から裁判などする必要がない」対処方法です。

実は、公正証書というものを作成すると裁判不要で強制執行が可能です。公正証書とは、全国の公正役場で作成してもらう公文書です。もしも公文書の作成に興味があれば、以下の記事をご覧ください。

離婚公正証書作り方
離婚公正証書作り方【自力で完全攻略したい方に捧ぐ9つの知識】

度を超えた約束は無効(1-3-2)

誓約書は、対等な契約ではないと冒頭にお伝えしました。そのため立場が強い側が「浮気したら離婚」等の強い誓約を求めることもあるでしょう。しかし「浮気したら離婚」という誓約書には直接的な効果はありません。

例えば誓約した側が実際に浮気を繰り返してしまったとします。誓約書に「浮気したら離婚」とあるので、離婚を求めるのは自然の流れのように思えます。

しかし離婚が成立するのは、あくまで当人同士の合意のもと離婚届を提出するのが基本です。「誓約書には離婚すると書いたけど、今は離婚する気がない」と言われたらそれまでです。

誓約書のメリット(1-4)

誓約書は、裁判では立派な証拠の一つになります。「浮気したら離婚」という誓約書の場合、裁判で2つの役割を期待できます。

1つ目は、離婚する意志が過去にあった事実を証明する役割です。2つ目は、浮気を認めた過去を証明する役割です。

裁判になった時に、誓約書単体で浮気の主張が立証できる保証はありません。しかしその他の証拠と合わせれば浮気を認めてもらえる可能性が高まります。

誓約書作成手順(2)

誓約書の書式に規定はありません。誓約事項を箇条書きにすれば概ねの役割は果たせると思います。むしろ書式にこだわるよりも「内容」にこだわるべきです。

配偶者の意思で無理なく守れる範囲の約束を一緒に考えましょう。配偶者が即刻破棄したくなる合意では意味がないのは既に説明したとおります。詳しいフォーマットは以下の記載例を参考にしてください。

【誓約書のフォーマット】

●●●●(誓約相手の名前)

誓約書

(※ 単純な内容の場合「ОΟОΟ」に誓約する内容を入れます↓↓)
(例)私は、ОΟООΟОしますことを、ここにお誓い致します。

(※ 誓約する内容が多い場合又は、条件など記載する場合は、以下のように記載します。)
(例)私は、以下の事項を厳守することを、ここにお誓い致します。

誓約の内容、条件、違反時の処遇などを箇条書する
1.ОΟООΟОΟΟ
2.ОΟООΟОΟΟ
3.ОΟООΟОΟΟ
4.ОΟООΟОΟΟ

(誓約した期日)
平成Ο年Ο月Ο日

(誓約をするものの氏名、住所 印鑑を必ず捺印する。)
住 所 東京都ΟΟ区Ο番Ο号
氏 名 ΟООΟ     印

以 上

まとめ

誓約書、離婚協議書、公正証書、、、いずれの書類を用意するとしても結局は「中身」が重要です。離婚協議で話しあうべきテーマについて知りたければ、以下の記事をご覧ください。

女性はコチラ

参考

女の離婚術離婚準備なう。

男性はコチラ

参考

男の離婚術男の離婚110番