協議離婚の進め方【失敗したくなければ知っておくべき知識3選】

協議離婚の進め方

協議離婚で離婚を成立させる割合は9割です。残りの1割は、調停離婚・裁判離婚で離婚を成立させています。

つまり「話し合って」離婚する夫婦が多いのが実態です。しかし離婚の話を進めようと思うと沢山の疑問が浮かびます。

離婚協議の疑問
  • 離婚協議の進め方は?
  • 離婚協議で話し合うことは?
  • メリット・デメリットは?
  • 注意点は? etc

本記事では協議離婚に必要な知識をわかりやすくお伝えします。是非とも参考にしてください!

覚悟を決める(1)

離婚協議は、非常にタフな交渉になるでしょう。お互いが感情的になることもありますし、駆け引きも行われます。離婚は結婚よりも3倍大変だという言葉の意味を、肌で実感するかもしれません。

肉体的にも精神的にも疲弊する離婚協議を乗り切るためには、覚悟が必要です。覚悟といっても、大層なことをするわけではありません。覚悟とは、離婚に前向きな心のことです。

ネガティブな感情を引きずると、交渉で妥協したり、交渉自体を辛いと感じます。一方で、本当に心から願うことは、他人から止められてもやり切ることができます。

離婚で幸せをつかみたいなら「離婚しない自分はありえない」という心境になりましょう。もしくは「幸せになるためには離婚するのがベスト」と決断しましょう。

以上のような心境にならないと、離婚後に後悔の念に苦しむことになります。いい機会なので、離婚しても後悔せずに幸せになる秘訣をお伝えしておきます。

実は「離婚しないと達成できないこと」があれば離婚しても後悔しません。「離婚しないと今の自分は絶対にない」と断言することができるからです。

さて心の準備はいかがでしょうか?離婚に前向きな気持ちになれた方のみ、ここから先を参考にしてください。

協議離婚で有利になるコツ(2)

協議離婚でもっとも大切なことはなんでしょうか?協議離婚を有利に進めるには徹底した離婚準備」が必要不可欠です。

協議離婚を仕掛ける前に、あやふやな点を残していはいけません。なぜならば協議離婚でもっとも頼りになるのは自分自身だからです。

離婚調停、離婚裁判であれば「相場」が大体決まっています。

一方で離婚協議はあくまで夫婦間での合意が最優先されます。つまり、配偶者の主張を鵜呑みにすれば不利な条件で離婚が成立します。

逆に言えば、あなたがしっかり準備すれば先手をとることが可能だということです。

わかりやすい例として不倫した配偶者への慰謝料請求を考えます。あなたが慰謝料を請求しても裁判になれば500万円が上限だと思います。

その一方で配偶者と合意さえすれば1,000万円でも1億円でも問題ありません。逆に言えば、あなたの無知により慰謝料を値切られる可能性もあるので要注意です。

いい意味でも悪い意味でも「相場」とかけ離れた決着がつくのが協議離婚の特徴です。今回は慰謝料を例に出しましたが、財産分与、親権、面会交流権などでも同様です。

大事なことなので繰り返しますが協議離婚では「夫婦間の合意」が最優先されます。では離婚協議を仕掛ける前に、あなた自身で何をすべきでしょうか?

オススメは離婚協議の主要テーマについて理解を深めることです。その上であなた自身の理想的な条件を各テーマで明確にすることを心がけましょう。

例えばあなた自身の要望を以下のようにテーマ別に整理するのです。

離婚条件まとめ
  • 離婚時期 ⇒ 年内
  • 住まい ⇒ 売却益を折半
  • 親権 ⇒ 自分
  • 養育費 ⇒ 成人するまで月10万円
  • 婚姻費用 ⇒ 離婚時に一括払い
  • 慰謝料 ⇒ 不貞行為を理由に100万円
  • 財産分与 ⇒ 共有財産を折半
  • 年金分割 ⇒ 折半

自らの要望を押し通す戦略を考えるのは、あなたの頭を整理してからでも遅くはありません。ではさっそく離婚協議で話し合うべきことを一つ一つ説明していきます。

協議離婚の主要テーマ(3)

  1. 離婚後の住まい
  2. 親権
  3. 面会交流権
  4. 養育費
  5. 婚姻費用
  6. 慰謝料
  7. 財産分与
  8. 年金分割

離婚後の住まい(3-1)

離婚後の住まいはどうしますか?離婚後の住まいは生活設計の基本ですから真っ先に考えましょう。

現状の住まいが賃貸住宅であれば引っ越すのが有力な選択肢でしょう。その一方で、マイホームの住宅ローンを完済していない場合は要注意です。

冷静になって不動産の現状確認をすることを強くオススメします。なぜならば不動産は、夫婦の一存で勝手に処分することができないからです。

例えば住宅ローンの貸し手である金融機関に無断で売却するのは不可能です。また、名義の変更や、連帯保証人などの条件も勝手に変更できません。

つまり「どんな選択肢が許可されるのか?」を知る必要があります。そのためには、以下のような基本情報を事前に調査する必要があります。

調査すべき不動産情報
  • マイホームの実勢価格
  • 住宅ローン残高
  • 住宅ローン名義
  • 連帯保証人
  • 連帯債務者 etc

上記項目を調べるには「不動産登記簿」などを確認する必要があります。急に内容が難しくなったと思うかもしれませんが安心してください。

不動産に関する悩みを解消するレポートをご用意しましたので、是非ともゲットしてください。

親権(3-2)

日本は単独親権を採用しています。離婚後は親のどちらかは必ず親権を手放す必要があります。また親権を夫婦のどちらにするか、離婚届に記載する必要があります。

これまでも今でも、子供の親権は母親がもつのが一般的です。但し、父親が親権をもつことが禁止されているわけではありません。

親権の決定に際しては、子供の利益が最大になるように配慮することが求められます。では子供の利益を最大限にするための基準はなんでしょうか?

以下の記事では、「子供の利益」等のわかりづらい概念を説明しています。

面会交流権(3-3)

親権をもたない親は子供に会えないのでしょうか?

子供が親権者でない親と会う権利は「面会交流権」といいます。面会交流権は、2011年の民法一部改正時に明文化された立派な権利です。

国は離婚時に面会交流権を夫婦で取り決めるように推奨しています。その証拠に、離婚届には面会交流権の取り決めを促す文言が記載されています。

離婚届の記載

離婚届 養育費 面会交流権

しかし残念ながら、面会交流権はないがしろにされているのが実情です。子供と元配偶者を引き離すことを望む親権者は少なくないのです。

そのような親権者は「どうすれば面会交流権を拒否できるだろうか?」と考えてしまいがちです。実は、面会交流権を拒否することができる条件がいくつかあるのです。

あなたが面会交流権を求める側か拒否したい側かはわかりません。いずれにせよ、面会交流権について知識を深めることは必須だと思います。

以下の記事では、面会交流権について詳しく解説しています。

なお2011年の民法改正では面会交流以外にも重要な論点がありました。「養育費」の問題です。

実は、面会交流権と養育費はセットで考えないと上手くいかないのが実態です。離婚する夫婦が、以下のように言い争うのは不思議ではありません。

よくある争い
  • 子供に会わせるから養育費払え!
  • 養育費払うから子供に会わせろ!

実際にシングルマザーの立場では、養育費を支払わない父親に子供を会わせたくないでしょう。

逆に、養育費を払い続けているのに子供に会えないのではモチベーションが続きません。日本では、シングルマザーの8割が養育費の支払いを受けていません。(下図①)

養育費の受給状況

養育費 受給率

つまり多くの子供が養育費の支援もない上に、片親と会えていないのが実態なのです。面会交流権についての知識を得たら、養育費についても知識を得ましょう。

養育費(3-4)

今離婚したら、養育費はいくら発生するでしょうか?養育費はいつまで発生し続けるのでしょうか?養育費はどんな名目で利用できるのでしょうか?養育費だけで子供の十分な進学費用を捻出できるでしょうか?

以上のように、養育費について多くの疑問がわくはずです。詳しい情報を収集したい方は、是非とも参考にしてください。

婚姻費用(3-5)

別居中に発生する婚姻費用(こんいんひよう)をご存知でしょうか?

婚姻費用は、収入が多い側から少ない側に支払われる生活費です。婚姻費用は別居期間中に支払われるのが一般的です。

ただし、黙っていても婚姻費用は発生しないので要注意です!また、婚姻費用は過去にさかのぼって請求することはできません。

婚姻費用で少しでも有利に立ち回るための知識は以下にまとめています。

慰謝料(3-6)

慰謝料は精神的ダメージを金銭に置き換えたものです。しかし精神ダメージは証明しずらいのが難点です。

ですから「離婚したら慰謝料を請求できる」は甘い考えです。損害賠償の一種である以上は「証拠」が必要になります。証拠もなく慰謝料を請求するのは無謀です。

逆に言えば、証拠もないのに慰謝料を支払う必要はありませんから覚えておいて損はありません。

一般的には、以下のような事情で慰謝料が支払われることが多いです。

  • 不貞行為(不倫・浮気)
  • DV

上記以外の理由で慰謝料を請求するなら入念な準備が必要です。なお、離婚で有利な条件を引き出すためのお金を「慰謝料」と呼ぶ人もいます。

例えば離婚を拒否する配偶者を説得するためのお金などが該当します。しかし、上記のようなお金は精神的ダメージを補償する慰謝料とは本質的に異なります。

そこで本サイトでは上記例のようなお金を「解決金」と呼ぶことにします。以下の記事では、慰謝料を請求するための名目・証拠について解説しています。是非とも参考にしてください!

財産分与(3-7)

「共有財産を半分ずつに分ける」はあくまで原則です。離婚協議では原則どおり話が進まないからこそ要注意なのです。

ただし、原則を知らないと原則を破って離婚協議を有利に進めることは不可能です。まず最初は、以下に挙げた財産分与の基本知識を熟知しておきましょう。

  • 財産分与の対象は?
  • 財産の評価方法は?
  • 財産隠しは可能か?
  • 財産分与の時効は? etc

財産分与の基本的な知識は、全て以下の記事にまとめています。

なお財産分与は夫婦がやり取りする金銭の中で一番大きくなる可能性があります。財産分与の中でも特に金額が大きくなる可能性があるのは不動産です。

先ほど紹介しましたが、不動産の価格についは確実に調査しておきましょう。

年金分割(3-8)

「年金は自動分割される」は半分嘘です。実は、自動的に分割される部分とされない部分があるのです。

自動分割されない部分の年金は「交渉して合意」する必要があります。離婚の現場では、半分ずつで落ち着くことが多いですが絶対ではありません。

また、離婚後に元配偶者と二人三脚で手続きを進めるのは抵抗があるはずです。離婚後の手続きについて、あらかじめ合意しておくのが望ましいです。詳しくは、以下の記事にまとめています。

離婚協議の流れ(4)

  1. 離婚後の生活を検討
  2. 協議離婚の事前準備
  3. 離婚するか決断
  4. 配偶者と話し合う
  5. 公正証書の作成
  6. 離婚届の提出

離婚後の生活を検討(4-1)

まずはじめに、離婚後の生活を念頭に入れましょう。本記事でこれまで解説してきた事柄を改めて確認してください。

具体的には、以下のテーマについてあなたの希望を明確にすることをおススメします。

  • 離婚時期
  • 住まい
  • 親権
  • 養育費
  • 婚姻費用
  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 年金分割

各テーマについての希望を明確にすることができたら、離婚後の生活費を見積もりましょう。離婚すれば元配偶者からの過度な援助は期待してはいけません。

経済的な援助、精神的な援助の全てを断ち切る覚悟が必要です。以下の記事では、離婚後の生活費を見積もるヒントを提供しています。

協議離婚の事前準備(4-2)

協議離婚の事前準備として、より具体的な準備をしていきましょう。

  1. 情報の整理
  2. 離婚不受理届の提出

情報の整理(4-2-1)

離婚協議がはじまりました!あなたは、まず最初に何を話しますか?

「あんなこともあって、こんなこともあって。。。。。(続く)」と話を続けていたら、時間がいくらあっても足りません!まずは、頭の整理からはじめましょう。

頭を整理するコツは、以下の3点を明確に分けることです。

頭を整理するコツ
  • 事実・主張
  • 感情
  • 証拠

例えば「配偶者があなた以外の異性と不貞行為をした」という事実があるとします。

事実とは、あなたは事実だと思っていることで構いません。

この時、配偶者の浮気を知ってどう感じましたか?多くの方は、「怒り」を感じると思います。これが感情です。

では、次に事実を証明する証拠があるか確認しましょう。

浮気の証拠
  • 親密なメールのやり取り
  • 浮気相手の名刺
  • プレゼントの現物・領収書
  • デート現場の写真
  • ホテルに出入りする写真

証拠が多ければ多いほど「事実と思っている事」が「事実」に近づきます。そして「事実」だと周囲の人が認めてくれれば、強い交渉材料を得ることも可能です。

以下の2つの事実を立証すれば協議離婚を圧倒的有利に進めることが可能です。

  • 不貞行為
  • DV

「事実」であれば配偶者も反論しずらくなります。手持ちの武器がどの程度整備されているか確認することは非常に重要です。

仮に手持ちの武器が少なければ、離婚を切り出すタイミングを再考するのも一つの方法です。なお、事実関係を上手に整理するコツは、以下の記事で説明しています。

離婚不受理届の提出(4-2-2)

離婚不受理届を知っていますか?

離婚不受理届を提出すると、離婚届が受理されなくなります。離婚届が受理されるためには、離婚不受理届けを「取り下げ」る必要があります。

離婚不受理届を提出することで以下のメリットがあります。

離婚不受理届のメリット
  • 配偶者の勝手な離婚届提出を防ぐ
  • 一時の感情による離婚届提出を防ぐ

離婚をしたい側が離婚届不受理届けを提出することに違和感をもつかもしれません。

しかしあくまでも納得いかない条件で妥協しないための防波堤の意味合いが強いです。なお、さらに詳しい情報は以下の記事にまとめています。

離婚するか決断(4-3)

「離婚したいなら、さっさと離婚すれば?」以上のようにアドバイスされたら、どう感じますか?

もしくは「離婚なんて絶対にやめたほうがいい!」といわれたら??

離婚の相談は、あなたにとって大切な人にしかしないはずです。大切な人からのアドバイスは行動に強く影響を与えます。

誰かから何かを言われて心境が変化するなら離婚はやめたほうがいいです。なぜならば離婚するかしないかのアドバイスは信用できないからです。

例えば離婚経験者ならば、離婚を肯定するかもしれません。また、長年夫婦関係が上手くいっている人なら離婚を否定するかもしれません。

今すぐ離婚する理由がなければ、少し考える時間を持ちましょう。

そして「やっぱり、離婚したいよね」と心から離婚を願った時のみ離婚を切り出しましょう。

なお離婚するかしないか決断できない方は、以下の記事を参考にしてください。離婚するかしないか決断する効果的な方法を紹介しています。

配偶者と話し合う(4-4)

全ての離婚準備は終了しましたか?

離婚準備が終了したら配偶者と話し合いましょう。おそらく最初の話し合いでは、相手にされないと思います。大事なことは「話し合いの場をもった事実」です。

「過去に夫婦関係の改善に尽力したけどダメだった」事実を伝えてください。別居するにせよ、話し合いの場を持たずに別居するのはオススメしません。

なぜならば、感情的な反発が強くなり無条件に離婚を拒否する可能性があるからです。ただし、DVやモラハラ被害等、あなたへの被害が無視できない場合を除きます。

離婚を切り出す際の注意点は以下の記事で解説しています。

公正証書の作成(4-5)

離婚後に配偶者を信頼できますか?原則的に、元配偶者は他人です。

子供や不動産でつながっていたとしても他人です。「約束は破るもの」と考えて契約書を残しておくのが無難です。

その証拠に養育費の受給状況を確認してください。養育費の取り決めをしている世帯でも養育費の受給率は50.4%です。(下図②)

養育費の受給状況

養育費 受給率

離婚協議の内容をまとめたものは「離婚協議書」といいます。

離婚協議書の内容は、約束が破られた時の証拠として裁判で有力な証拠になります。問題は「裁判で有力な証拠になる」という点です。

裏を返せば「裁判を起こさなければ紙切れも同然」ということです。理想は、裁判をおこさなくても強制的に約束を守らせることだと思います。

実は、裁判をおこさなくても強制執行する方法があります。その方法は、離婚協議書を「公正証書」にするという方法です。

公正証書とは、全国にある公正役場で作成する公文書です。ただの離婚協議書と公正証書との違いは「信頼度」です。

公証役場に務める公証人が、約束が存在したことを証明するので信頼度が高いのです。無料ではありませんが、良心的な料金で公正証書を作成してくれます。

離婚届の提出(4-6)

協議離婚の場合、離婚届を提出しなければ離婚は成立しません。

離婚届に不備があれば離婚届けは受理されませんので要注意です。離婚届の記載方法は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

離婚協議の進め方・流れを中心にお伝えしました。「離婚準備なう。」では様々な切り口から離婚情報をお伝えしています。

離婚の無料マニュアルも用意していますので、是非とも参考にしてください。