離婚の必要書類一覧・見落しがちなポイントを詳しく解説!

離婚 必要 書類

離婚の必要書類として、まず頭に思い浮かぶのは離婚届の提出だと思います。離婚届に署名捺印をするのは精神的に重労働です。

離婚届を役所に提出した時に書き直しを命じられれば非常に落ち込みます。ましては配偶者に署名捺印をお願いするために、もう一度連絡を取るのは辛いでしょう。

また「やっぱり離婚はやめよう」といわれる可能性もゼロではありません。面倒だけど避けられない大事な手続きだからこそ、1発で通過させなければなりません。そこで本記事では、離婚時に必要な書類や離婚後の手続きについて詳しく解説していきます。

離婚届提出前に考えておくべきこと(1)

離婚届を提出すれば離婚自体は簡単に成立します。しかし離婚届を提出すれば後戻りはできません。

「離婚前に夫婦で話し合っておけばよかった」と後悔する人はとても多いのが実情です。そこで離婚届を提出する前に夫婦で話し合っておくべきことをお伝えします。

親権(1-1)

親権を夫婦のどちらにするか決めなければ離婚は成立しません。なぜならば離婚届に親権者を記載する欄があり、その欄が空欄では離婚届けが受理されないからです。

日本では離婚後の親権は単独親権が基本です。夫婦二人の共同親権を主張しても認めてもらうことはできません。なお親権には以下の3つの権利が含まれています。

親権の中身
  • 身上監護権
  • 財産管理権
  • 法定代理人

離婚届を提出するだけでは上記3つの権利をどちらか一方が全て所有することになります。

もし親権のうち子供の世話をする権利(身上監護権)だけを所有したければ、その取り決めを離婚協議書などに残しておく必要があります。親権について理解を深めたい場合には以下の記事を参照ください。

養育費(1-2)

養育費の受給状況

養育費 受給率

上図はシングルマザーの養育費の受給状況を整理したものです。

シングルマザーの養育費の受給率は2割を切っていると紹介されることは多いです。(上図①)しかし離婚前に養育費の取り決めをしている場合の受給率は5割に跳ね上がります。(上図②)

現在の離婚届では「養育費」と「面会交流権」の取り決めを促す以下のような記述が離婚届に記載されていることも影響しているでしょう。

離婚届の記載

離婚届 養育費 面会交流権

それにも関わらず「離婚後に交渉すればいいか」と楽観視する方や、離婚すること自体を優先させるあまり養育費や面会交流権を後回しにする人もいるのは事実です。

しかし養育費は子供が成人するまで長期間にわたってやり取りがあるものです。残念ながら離婚時の口約束だけで長期間の支払いを約束させることは難しいのが実情です。

養育費はあくまで子供のためですので、夫婦でじっくり話し合ってください。なお養育費の金額を計算したい方は以下の記事をご覧ください。

財産分与(1-3)

財産分与は金額が大きいのに見過ごされがちなものの一つです。慰謝料の相場が100万円~300万円である一方で、財産分与は1,000万円単位になることも珍しくありません。

また慰謝料を請求する場合は、訴える側が慰謝料請求の根拠となる証拠を用意しなければいけない一方で、財産分与は離婚すればほぼ認められます。

もちろん財産がない場合には財産分与は望めませんが、婚姻関係が長いほど蓄財しているのが一般的です。特に、婚姻してから住宅ローンを支払っている場合には、マイホームは財産分与の対象になります。

こまごまとした財産について厳密に財産分与する夫婦はあまりいません。しかし不動産や車については金額も大きいため離婚前に夫婦で話し合っておく必要があります。

なぜならば離婚後に不動産や車について財産分与を求めても金額が大きいだけに交渉が難航することが予想されるからです。

財産分与の交渉にあたって重要なのは、財産の金額を正確に把握することです。財産を過小評価した状態で協議に挑んでも意味はありません。まずは不動産価格について正確に把握しましょう。以下の記事を参考にしてください。

以上、離婚前に最低限話し合っておくべきことについて解説しました。ただし、上記で説明した事柄はあくまで最低限やっておくべきことです。

離婚協議に十分時間をとれていない方はこの機会に抜け漏れがないか確認することをお勧めします。以下の記事では、財産分与全般について詳しく解説しています。是非とも一度目を通してみて下さい。

さてここからは、離婚で必要な書類を一つ一つ解説していきます。

離婚には「協議離婚」、「調停離婚」、「裁判離婚」の3種類があります。そして、離婚の種類毎に必要な書類は異なるので注意が必要です。

離婚の種類と必要書類(2)

離婚の種類と必要書類
  1. 離婚届
  2. 身分証明書
  3. 戸籍謄本
  4. 住所変更手続き関連書類
  5. 婚姻の際に称していた氏を称する届
  6. 入籍届
  7. 申立人の印鑑(調停離婚・裁判離婚の場合)
  8. 調停調書の謄本(調停離婚・裁判離婚の場合)
  9. 判決確定証明書(裁判離婚の場合)

離婚届を役所に提出する際には身分証明書が必要なので注意してください。

注意

#7番以降の書類は調停離婚・裁判離婚の場合にのみ必要です。

離婚届(2-1)

離婚届の提出は離婚するとなれば絶対に必要です。ただし、離婚届は公的な書類なので記入漏れ・不備があれば受理されません。離婚届を記入するコツについては、後ほど詳しく解説します。

身分証明書(2-2)

夫婦と全く関係のない第三者が離婚届を提出することも考えられます。例えば、ストーカーが夫婦を装って離婚届を提出する可能性もゼロではありません。

そのため身分証明書(運転免許証、パスポート)などの顔写真付きの証明書の提示を求められることがあります。念のため身分証明書を用意しておくと良いでしょう。

戸籍謄本(2-3)

本籍地以外の役所で離婚届を提出する場合には戸籍謄本が必要です。本籍地とは戸籍を管理している市区町村のことです。そのため、必ずしも出生地や現住所と一致するわけではありません。

離婚届を提出する際に提出書類を1枚でも減らしたければ、本籍地で離婚届を提出するのがよいでしょう。結婚する際にはお互いが初婚であれば、新しい戸籍をつくる必要があります。

戸籍は好きな住所地に作れますから、当時の記憶を思い出してください。もしも当時の記憶が曖昧であれば、本籍地記載の住民票を取り寄せれば、本籍地を確認することができます。

なお夫婦のどちらかが再婚であれば、再婚相手の戸籍に入っている可能性もあります。この場合も、本籍地記載の住民票を取り寄せて確認しましょう。

住所変更手続き関連書類(2-4)

離婚と同時に転居する場合には、転出届、もしくは転居届の提出が必要です。引越し先が同じ市区町村であれば、「転居届」を提出すれば住民票の住所地が変更されます。

一方で引越し先が別の市区町村であれば、「転出届」を元の市区町村がある役所に提出する必要があります。そして転出届が受理されると発行される「転出証明書」と一緒に、新しい住所地の役所で転入届を提出する必要があります。

ちなみに転出届は引っ越してから14日以内に提出する必要があります。14日以内に転出届を提出しなければ住民基本台帳法違反で最大5万円の過料(罰金のようなもの)を請求される可能性があります。

ただし、いつ引っ越したか厳密に役所が管理しているわけではないので、14日以内の規定を破ったからといって必ずしも罰則が与えられるわけではありません。しかし忘れないうちに手続きしておきましょう。

離婚後に婚姻時の記憶がある住所地に足を踏み入れるのが辛いという方もいると思います。そのような場合は、離婚届提出と同時に転出届を提出すると二度手間になりません。

婚姻の際に称していた氏を称する届(2-5)

離婚すると戸籍の筆頭者ではない配偶者は元の戸籍に戻ります。そして、元の戸籍の氏(姓)に自動的に変更されます。もしも婚姻時の氏(姓)を名乗り続けたい場合には、「婚氏続称の届」を提出する必要があります。

婚氏続称の届の提出期限は、離婚した日から3ヶ月以内です。もしも両親が他界しているなどの事情で元の戸籍が既にない場合には、新しい戸籍を作成する必要があります。

入籍届(2-6)

子供がいる場合には、子供の戸籍にも注意を払う必要があります。離婚後に何もしなければ、子供は元の戸籍に残り続けます。そのため、戸籍の筆頭者(多くの場合は夫)が子供の親権を持つ場合には、何もする必要はありません。

一方で戸籍の筆頭者以外の親が子供の親権を持つ場合には、このまま何もしなければ子供と親権者の戸籍が別々になります。なぜならば、親権者となる親だけが戸籍から抜けるからです。

実は親権者と子供の戸籍が別々でも特段問題はありません。親権者の戸籍に子供がいなくても、子供の戸籍謄本を取り寄せれば親権者が記載されているからです。

ちなみに、子供の戸籍謄本に記載されている親権者は、離婚届提出時に記載した親権者と同一になります。ただし子供が元の戸籍に残る場合、子供が名乗る姓と元の戸籍から抜けた親権者の姓が別々になってしまう可能性があります。

もしも子供の姓と親権者の姓が別々では日常生活に混乱が生じると感じれば、戸籍を抜ける親権者は新たな戸籍を作成し、氏(姓)を婚姻時と同一のものにすればOKです。(元の戸籍に子供を入れることはできないので、新しい戸籍をつくる必要があります。)

子供の戸籍と親権者との関係は、実務上の問題というよりは精神的な問題です。いずれにせよ子供が結婚する時には、新しい戸籍を作って元の戸籍を抜けるので心配し過ぎることはありません。

申立人の印鑑(2-7)

離婚調停・離婚裁判を経て離婚する場合には、調停や裁判を申立てた側の印鑑が必要です。申立人の印鑑があれば、婚姻届に相手方の署名捺印は必要ありません。

調停調書の謄本(2-8)

調停離婚が成立すると裁判所から発行されます。調停成立から10日以内に離婚届を提出する必要があります。この期限が過ぎると、過料(罰金)を請求されることも考えられます。

なお調停調書は調停成立その日に受領できるとは限りません。また、何も手続きしなければ後日家庭裁判所で手渡しされるのを待つしかありません。そのため調停調書が成立したその日に家庭裁判所で調停調書を郵送してもらう手続きをとるのが良いでしょう。

判決確定証明書(2-9)

裁判判決が確定すると証明書が発行されます。裁判判決が確定してから10日以内に離婚届を提出する必要があります。この期限が過ぎると、過料(罰金)を請求されることも考えられます。

離婚届の記入方法(3)

離婚時に必要な書類一式を把握したら、離婚届を記入しましょう。離婚届の記入方法は簡単なのですが、いざ記入し始めれば記入方法に迷う項目もあると思います。

不備があっても書き直せばいいだけなのですが、書き直すとなればそれはそれで面倒です。以下の記事では、離婚届の記入方法を詳しく解説しています。

まとめ

離婚すれば後には戻れません。離婚前に話し合っておくべきことについて話しあいましょう。いざ離婚することが確定したら必要書類の抜け漏れには注意しましょう。