協議離婚と離婚調停の6つの違いとは?

協議離婚 離婚調停 違い

協議離婚と離婚調停のどちらも夫婦の話し合いを通じて、合意によって離婚が成立する点では同じなのですが、異なる点も多数あるのでわかりやすく解説します。

「離婚届け」について

協議離婚の場合、離婚届に必要事項を記載し、夫婦それぞれが自署・押印し、役所に届ければ成立します。

ドラマや映画で「あなたの住所宛てに離婚届を送っておいたからよろしくね!」というようなセリフを耳にした記憶のある方もいるかもしれませんが、離婚届けは夫婦二人で提出する必要はなく、一人で提出することも可能です。

一方で離婚調停の場合は、手数料を収める必要がありますし、原則本人が家庭裁判所に参加する必要があるなど一定の行政手続きを経る必要があります。

『話し合い』について

協議離婚の場合には夫婦二人で話し合うことになりますが、調停離婚の場合は調停委員などの中立的な第三者が入って話し合いが行われます。

協議離婚において夫婦二人で話し合うような場合には、夫婦間の力関係が交渉にも大きく影響してしまいます。

例えば父親が母親よりも支配的な場合、「親権は俺のもの」と主張したり、「養育費はこの金額でよろしく」というようなことを一方的に宣告し押し切ろうとすることも珍しくありません。

しかし離婚調停においては中立的な第三者が入るので、どちらか一方の独断的な意見に支配されにくいというメリットがあります。

なお離婚調停において「相手と顔を合わせたくない」という方もいると思いますが、基本的に離婚調停は交互に話を聴いていくやり方で進行するため、顔を合わせないまま調停を成立させることが可能です。

但し、離婚調停が成立する場合には、夫婦が一緒にいる状況で離婚する意志を裁判官に伝えなければいけないため、どうしても相手と顔を合わせなくてはいけません。

「取り決め」について

離婚する場合、「親権」、「養育費」、「面会交流」、「財産分与」、「慰謝料」、「年金分割」などについて話し合う必要がありますが、それらのテーマのうち「親権」以外は後回しにすることもできます。

離婚届けには親権者を記入する欄があるものの、そのほかのテーマについては記載する欄がないため、「養育費」、「面会交流」、「財産分与」、「慰謝料」、「年金分割」などについて取り決めずとも離婚を成立させることが可能です。

協議離婚において、「養育費」、「面会交流」、「財産分与」、「慰謝料」、「年金分割」などについて取り決めたい場合は、それらの取り決めを「離婚協議書」にする必要がありますが、離婚協議書には約束が破られた時に強制執行するほどの強い効力はありません。

そのため「離婚協議書を公正証書」にすることが推奨されているわけですが、公正証書にすれば強制執行できるというわけでもなく、公正証書の文面に「強制執行認諾(にんだく)文言」を入れなければ強制執行の効力は発揮されません。

しかし離婚調停の場では、「親権」、「養育費」、「面会交流」、「財産分与」、「慰謝料」、「年金分割」などについて話し合うことが可能です。

「拘束力」について

協議離婚における約束に効果をもたせるためには、「強制執行認諾文言付き公正証書」を作成しなければいけないことはすでに説明しましたが、離婚調停における約束は「調停調書」にまとめられます。

「調停調書」は立派な公文書ですので、強い効力があります。もし相手方が調停調書に記載のある約束を破った場合には、申立人(あなた)は相手方の財産や給料を差し押さえることができます。

「戸籍」について

離婚届けが受理されると、夫婦は別の戸籍となります。戸籍の筆頭者(主に夫)は現状の戸籍にとどまり、妻は別の戸籍に移動します。

戸籍には離婚したことをあらわす「協議」の文言が記載されますが、離婚調停の場合は「調停離婚」と記載されます。

「協議」と「調停離婚」という文言の違いがあるだけなのですが、その違いを気にする人も多いので、調停の席上で、離婚届にお互いが署名押印して一方が役所に提出するというやり方もあります。(ただし、裁判所が認めない場合もあります。)

「離婚届け」について

協議離婚の場合、離婚届が受理された時に離婚が成立します。その一方で調停離婚の場合、調停調書が作成された時に離婚が成立します。

調停離婚の場合も離婚届を役所に提出する必要がある(一週間以内)のですが、離婚届に相手の署名押印は不要です。離婚届の提出はあくまでも戸籍を変えるための報告的な意味合いにとどまります。

最後に

離婚間際の夫婦の場合、お互いがお互いのことを『信用できない』と考えていることは珍しくありません。

そのような場合には、協議離婚できるような場合であってもあえて離婚調停の手続きを経て離婚することをおススメします。