婚姻費用の金額は「婚姻費用算定表」に従うのが一般的です。婚姻費用算定表を利用することによってスピーディーに金額を計算することが可能です。
しかし婚姻費用算定表も完璧ではありません。例えば婚姻費用算定表は「負債や資産」を考慮していないため、住宅ローンの支払いを抱えている人と、そうではない人では同じ金額になってしまうのです。
婚姻費用には住宅費が含まれていますから、例えば「夫が住宅ローンを支払っているマイホームに妻と子どもが住んでいる」というような場合には、婚姻費用算定表に従った金額を支払うと「多く払いすぎる」ことになりますし、支払う側としては「支払いたくても支払えない」ということにもなりかねません。
どのようにして婚姻費用の金額を修正すればいいのでしょうか?
婚姻費用を修正する3つのする方法
残念ながら婚姻費用を修正する上で明確なルールがあるというわけではありませんので、婚姻費用を修正する方法を3つ紹介しますので参考にしてください。
#1) 住宅ローンを全額控除する方法
婚姻費用算定表に用いる年収から、住宅ローンを全額控除する方法があります。
年収から住宅ローンを控除
- 婚姻費用算定表に用いる年収 = 「年収」 ー 「住宅ローン全額」
例えば「年収800万円・住宅ローンの負担年額100万円」の場合、年収から住宅ローン負担年額100万円を差し引いた700万円を年収として婚姻費用算定表を利用するのです。
#2) 住宅ローンの一部を控除する方法
算定表に基づいた婚姻費用から、住宅ローンの一部を控除する方法があります。
婚姻費用から住宅ローンを控除
- 「算定表に基づいた婚姻費用」 ー 「住宅ローンの一部」
ひとつ屋根の下に家族で生活する場合には、住宅ローンの名義が誰であろうと(実質的には)夫婦で住宅ローンを負担するのが自然です。
ですから「算定表に基づいた婚姻費用の金額」から、住宅ローンの一部を差し引くというわけです。
住宅関連費用を差し引く方法
婚姻費用から、年収に応じた「住居関連費用」を差し引く計算方法があります。
婚姻費用から住宅関連費用を控除
- 「算定表に基づいた婚姻費用」 ー 「住居関連費用」
住居関連費用(月額)
- ~1,999,999円 ⇒ 27,940円
- ~2,499,999円 ⇒ 32,354円
- ~2,999,999円 ⇒ 31,655円
- ~3,499,999円 ⇒ 32,590円
- ~3,999,999円 ⇒ 37,871円
- ~4,499,999円 ⇒ 42,652円
- ~4,999,999円 ⇒ 46,983円
- ~5,499,999円 ⇒ 45,354円
- ~5,999,999円 ⇒ 52,517円
- ~6,49,9999円 ⇒ 50,040円
- ~6,999,999円 ⇒ 53,632円
- ~7,499,999円 ⇒ 57,640円
- ~7,999,999円 ⇒ 57,732円
- ~8,999,999円 ⇒ 60,885円
- ~9,999,999円 ⇒ 64,027円
- ~12,499,999円 ⇒ 71,948円
- ~14,999,999円 ⇒ 77,787円
- 15,000,00~円 ⇒ 98,046円
【出典:伊藤彰彦法律事務所】