怒り、悲しみ、嫌悪、喜び、愛おしさ・・・・。人がなんの感情も抱かずに一日を過ごすことはありません。
しかしこの感情というものは、わたしたちの思い通りにならないから厄介なのです。むしろ、多くの人は「感情に生活をコントロールされている」といっても過言ではありません。
例えば「緊張で本領を発揮できなかった」、「怒りを抑えられず大切な人を傷つけてしまった」、「名誉心が邪魔して正しい判断ができなかった」というような経験は誰にでもあるでしょう。
だからこそ感情と上手に付き合うことが、「騙されない」とか「生産性を上げる」とか「頑張る」上で必要になってくるのです。そこで今回は「感情を上手に付き合う」という点について掘り下げていきたいと思います。
「他人の感情を刺激することにより、他人に特定の行動をしてもらう」という事例はいたるところに転がっています。
例えば「焦り」の感情を利用して「儲からない不動産を購入」させたり↓↓↓↓
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「名誉心」をあおって「非現実的な返済計画にもとづいた融資計画を実行」させたり↓↓↓↓
定年後に"趣味の飲食店"を始めた人の末路(PRESIDENT)https://t.co/EK4sC6Z55s
— NewsPicks [ニューズピックス] (@NewsPicks) June 9, 2018
実はビジネス界隈では、「どの感情をどの順番で刺激すれば、人はモノを購入してくれるのか?」ということがマジメに研究されています。
もしあなたがマクドナルドのCMをみて無性にハンバーガーを食べたくなった経験や、SNSで料理の画像を発見し空腹を感じた経験があるなら、感情にあらがうことの難しさがよくわかるのではないでしょうか?
とはいえ「他人に感情を刺激されるがままに行動する」ばかりでは、あなたはあなたの人生の主導権を「他人」に明け渡すことになってしまいます。どうすれば・・・・コントロールしずらい「感情」という厄介なものを、自分が望む人生を手に入れる上で、プラスに働かせることができるでしょうか?
感情にはネガティブなものとポジティブなものがありますが、巷では「ネガティブな感情を利用せよ」というアドバイスも珍しくありません。
具体的には「怒りを原動力に頑張れ!」とか「悲しみをバネに飛躍しろ!」などというアドバイスをよく耳にします。
しかしそれは【不可能】というものです。なぜならばネガティブな感情に囚われると、理性的にものを考えて行動することができなくなるからです。
人は怒りや悲しみに支配されると、脳の古い部分(原始的な部分)である大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)の扁桃体(へんとうたい)が優位になって、論理的思考を司る前頭前野の働きが抑えられてしまうのです。
その結果、ネガティブな感情を利用すれば「仕事がはかどらない」、「簡単なミスをしてしまう」、「正しい判断ができない」といった結果を招いてしまうのです。
ではネガティブな感情を利用することが合理的ではないとすると・・・・わたしたちはポジティブな感情を積極的に活用すべきなのでしょうか?
日本語には「ヨイショする」という言い回しがあります。皆さんご存知のように、「相手の機嫌をとって、おだて上げること」です。
なぜ?「ヨイショする」ことが効果的なのかといえば、ヨイショすることによってポジティブな感情を想起させ、自分に有利な行動を促すことができるからです。
つまりあなたがポジティブな感情になった時、あなたは誰かに操られている可能性について考えなければいけないのです。
例えば『名誉心』は支配者が人を奴隷として従わせる際に巧妙に利用する感情ですし、また『幸福感』はカルト宗教やマルチ商法が人を従属させるために利用する感情でもあるので注意する必要があります。
以上、「ネガティブな感情にもポジティブな感情にも注意が必要」ということをお伝えしてきたわけですが・・・・わたしたちが感情に振り回されないためにはどうしたらいいというのでしょうか?
わたしたちが感情に振り回されないためにやるべきことは、とても簡単です。ズバリ「感情を娯楽」にすればいいのです。
そもそも感情は自分の意志と関係なく生じてしまうものです。気がづいたら腹が立っているし、知らず知らずに嫌悪していた、という場合がほとんどでしょう。感情が湧くのは人間として自然なことであり、その発生を抑えるのは、よっぽど修行を積んだ人でないと難しいはずです。
ただし、その感情に振り回されずに、「エンターテイメント」、「人生のスパイス」として味わうことなら、考え方ひとつで誰にだってできます。
例えば「平穏な生活が一番」だと頭ではわかっていても、盛り上がりに欠けたマンネリな夫婦生活に嫌気をさすことはあるでしょう。しかし夫婦生活が盛り上がりに欠けるからといって、配偶者のことを愛していないという単純なものではないはずです。
配偶者を愛している・・・・しかしマンネリにも耐えられそうもない・・・・という場合、このようなジレンマをどのようにして克服すればいいのでしょうか?
西洋人は「社交」という非日常を文化として取り入れていれることで、盛り上がりに欠けたマンネリな夫婦生活を乗り越えようとしました。具体的にはドレスアップして素敵な格好をしたパートナーが、自分ではない誰かと楽しそうに会話している姿を目撃することで、平穏無事な家庭生活では手に入れられない「刺激」を取り入れるのです。
日本にもかつては、配偶者に隠れてコソコソ浮気をするのではなく、配偶者と協力して一緒にマンネリを乗り越えようとする愛にあふれた夫婦がいました。(例:配偶者と同意の元、スワッピングに挑戦する。)
「感情を娯楽にする」というアイディアは、非常に強力です。「感情を娯楽にしよう」と強く意識するだけで、感情に振り回されて行動して後になってから「自分はなんて馬鹿なことをしたんだろう?」と後悔する・・・・いう回数を劇的に減らすことができるはずです。
しかし感情を娯楽にすることのメリットはそれだけではありません。感情を娯楽にすることに慣れると、感情の働きを意図的に利用して「自分を変える力」に変えることも可能になります。
例えば世界的に有名な経営コンサルタントであり教育家の大前研一氏は、「毎日の自分の仕事を淡々とこなしているうちに、危機意識が薄れてしまいそうになります。どうしたらいいでしょうか?」という質問に対して、「厳しい目標を設定すれば危機意識は自然と芽生える」というようなアドバイスをしていました。
つまり「危機意識」を調達したければ「高い目標を設定すればいい」のです。具体的には「10年後も今の生活を維持できればいい」と考える場合には危機意識は芽生えないでしょうが、例えば「7年後までに1憶円の資産を構築する」ということを決断すればその瞬間に「このままでは目標が達成できない。どうしよう?」という気持ちになり、自然と危機意識なんてものは芽生えてくるのです。
危機感がある場合と危機感がない場合、どちらのほうが多くのものを手に入れることができるでしょうか?答えはいうまでもありませんが、ここで強調しておきたいことは「感情は調達できる」という点です。
あなたはドラマや映画をみて感動して涙を流したことがあるでしょうか?もしあなたの答えがイエスなら、「感動」という感情ですら調達できることを理解できるはずです。
同様に、例えば・・・・悲しみ、怒り、恐怖、不安、後悔、不満、緊張、嫌悪、恥、軽蔑、嫉妬、劣等感、恨み、諦め、無力感、空虚感、落胆、寂しさ・・・といったネガティブな感情だけでなく、喜び、楽しさ、幸福、安心、愛しさ、癒し、感謝、憧憬、好奇心、名誉心、期待、同情、感動、親近感、冷静、興奮、優越感、尊敬、勇気・・・・といったポジティブな感情ですら、『調達できる』のです。
「感情は調達できる」という言い回しに、割り切れないような気持ちになった人もいるかもしれません。しかし社会が変われば、そこで暮らす人間の感情も働きも変わるのもまた事実なのです。
例えば現代日本で士農工商の身分制度があるとしたら、そのことに嫌悪感をもつ人は多いと思うし、実際問題、「上級国民」なる言い回しに強く反発する日本人も少なくありませんでした。
しかし「カースト制」なる身分制度を認めているヒンドゥー教徒に対して「あなたは身分に囚われる必要はない」とアドバイスしたところで、「お節介はやめてくれ!!」と逆に批判されてしまうでしょう。
なぜならばヒンドゥー教徒は輪廻転生を信じているからです。具体的には、現世の自分が低い身分にいるのは前世の自分に非があるからであり、来世で幸せになるためには現世で低い身分に甘んじる必要があると信じているのですから、ヒンドゥー教徒にとって身分というものは、受け入れるべきものなのです。
そう。わたしたちが自然ともっている感情というものも「教育の産物」なのです。
アメリカやイギリスで白人が黒人をみると条件反射的に「犯罪を犯す可能性が高い」と反応するのも、そういう社会で育ったからです↓↓↓↓
レオナ・ルイス、過去の人種差別被害を告白「店を出なければ警察を呼ぶ、と言われた」 https://t.co/7qoBvAQEFT #スマートニュース
— エイユー8379 (@AU_8379) June 9, 2020
お上が「真摯に受け止める」と発言すれば、批判する気持ちがやわらいでしまうのも、そういう社会で生まれたからです↓↓↓
香港情勢を憂慮、様々な批判は「真摯に受け止める」=安倍首相 https://t.co/aECsZjmIF3
— ロイター (@ReutersJapan) June 8, 2020
電通に税金769億円を横流しされても政府に怒らない国民。「どこまで奪われたら声を上げるようになるんだよ!」とは、山本太郎さんの街宣での絶叫。まさにコレ。国民の〈民度〉が問われている。
— さよなら昨日の私 (@SaYoNaRaKiNo) June 9, 2020
ですからもしあなたが望むものを手に入れたければ、、、、、、「外部からの刺激に対して、そういう感情をもってしまうあなた自身を教育し直す必要がある」という現実に向き合う必要があります。
ですから時にはあなたを心地よくさせてくれるものを否定したり、逆にあなたを不快にするものを受け入れなくてはいけないこともあるかもしれませんが、あなたが「変わる」とはそういうことを乗り越えることなのです。
次回は【変わるチェックリスト】の『知識』について取り上げます。楽しみに!