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人生の経営者

先日バスで移動していたらお母さんと二人で移動している子どもが騒いでいました。お母さんは子どもを注意するのですが子どもは騒ぐのをやめません。

困ったお母さんは子どもにこういいました。「周りを見てみなさい。あなたみたいに騒いでいる人は他にいないでしょう?」と。

空気の支配する国

日本ではこのように「周囲と自分を比較して行動を決める」というのが伝統になっています。そう。日本は「空気の支配する国」なのです。事実、いまだに日本の学校では整列するときに「前ならえ!!」をやっているし、志望校を「偏差値」というモノサシで決められている人も多いのです。

自分で決めているようで実のところほとんど自分の頭をつかわなくても、なんとなく「人生のレール」にのったような気分になれるのです。しかし「人生のルール」というようなものは錯覚です。

いい大学に入りなさい。大企業を目指しなさい。公務員(官僚)になりなさい。結婚しなさい(離婚はするな)。というような「もっともらしい」アドバイスに素直に従えば必ずしも幸せになれるわけではないのです。

学歴なくても収入の高い人はたくさんいるし、大企業でもブラック労働が問題になっているし、東大を卒業した優秀な学生は官僚を目指さなくなっているし、結婚生活に過剰に期待して「こんなはずじゃかった」と悩んでいる人もたくさんいます。

時代はものすごい早さで変化しています。グローバル競争は苛烈で、10年後の社会がどうなっているか誰にもよくわからないような状態が続いています。先行き不透明な非日常が「日常」になっています。

日本ではバブルが崩壊し、オウムがサリンを撒き、東日本大震災があり、東京オリンピックでどうにか矢先にはコロナ禍が直撃し、まさに「泣きっ面に蜂」の状態です。どうすればいいのでしょうか?

どうすればいい?

実は「どうすればいいでしょうか?」と他人に質問すれば突破口が見つかるかもしれないと期待すること自体、日本人の「周囲と自分を比較して行動を決める」という特性を如実にあらわしているものはないのです。

だからといって子どもの頃から「ああしなさい、こうしなさい」とアドバイスされるのが普通の状況にどっぷりとハマってしまったら、『自分の頭で考えなさい』といわれてもなかなか実践することができないのです。

『バカの壁』でも有名な養老孟子さんの講演会で、「自分の頭で考えなさい」とアドバイスした矢先の質問コーナーで「どうすればいいのでしょうか?」というような質問があったことが笑い話にもならないのが今の日本の状況です。どうすればいいのでしょうか?(笑)

伝統主義からの脱却

中世の時代まで王様でも自由に好き勝手できる権利をもっているわけではありませんでした。なぜか?それは一般人から王様まで全員が『伝統主義』に囚われていたらです。『伝統主義』とは「伝統を大事にする主義」ではありません。

大塚久雄東京大学教授によれば伝統主義とは、「先祖や父母たちがやってきた、そして、自分たちも今までずっとやってきた、そういうことがらを、過去にやった、あるいは過去に行われたという、ただそのことだけで、将来における自分たちの行動の基準にしようとする」主義のことです。

日本は伝統主義をぶち壊すことができません。新学期を4月から9月にすることもできないし、ハンコも廃止できません。そしてコロナ禍において、日本政府にはビジョンもなければ、目的も計画もなければ、実行力もないことが明らかになってしまいました。

誰もが薄々「何かがおかしい」と気づいてはいます。今すぐ何かを変えなければいけないと感じています。しかし日本の総理大臣はこんなことをいっていました。

2021年4月21日の総理記者会見で「内閣総理大臣の権限を持ってしても、なぜ日本ではコロナの病床数が増えないのか」との質問に対し、「平時に法律を作っていきたい」と発言したのです。

林先生でなくても「今でしょ??」とツッコみたくなったでしょうが、「しょうがない」といわれれば「そんなものか」と納得してしまうのが日本人なのです。

バトルロワイヤル

「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれたただの人」という成句がありますが、学生のときは高い志をもった人でも日本では社会人になって3年目も経過したころにはただの人になっているのです。

「どうすればいいのでしょうか?」と質問することばかりに慣れきって自分の頭で考えることを忘れている人ばかりがあふれている日本の現状で、「日本をどうするか?」というような議論をいくらしたところでムダです。

コロナ禍におけるアメリカでは、仕事を失った劇団員がコロナ接種会場で受付をやり、消防士がワクチンを接種しました。緊急事態を乗り越えるために、さまざまな職業の人たちが一致団結したのです。

では日本はどうか?日本では歯科医にワクチンを打たせる案が浮上したものの、歯科医の仕事を休んでワクチンを打ってもらうための補償金について、医師会と歯科医師会で水面下のバトルが勃発。一致団結するまでにタイムラグがありました。

残念ながら・・・日本には・・・長期的な日本全体の利益について議論する人が誰もいないのです。医師としては・・・観光業としては・・・飲食業としては・・・中小企業としては・・・大企業としては・・・スポンサーとしては・・・と、お互いがお互いの利権のために戦うバトルロワイヤル状態です。

あなたはバトルロワイヤルを生き残ることができるでしょうか?

南無阿弥陀仏

お互いがお互いの足を引っ張り合うのがバトルロワイヤルの特徴ですが、コロナ禍でバトルロワイヤル状態であることが「見える化」されただけで、実はもう何十年も前から日本はバトルロワイヤルに突入していたのです。

事実、日本経済は平成の30年間ほとんど成長することなく低空飛行を続けました(デフレ経済!!!)。2019年の「一人当たり生産性」はOECD加盟37カ国中26位。実はもうすでにお隣の国、韓国にも抜かれているのです。(日本:824万円、韓国835万円)

社会を削って(単身赴任、サービス残業、非正規雇用)経済の穴をなんとかして埋めてきましたが、もうこのままの状況を続けても明るい未来はないことはみんなが薄々気づいているでしょう。だから将来のことが不安になるのでしょう???(例:老後資金2,000万円問題)

そしてコロナ禍においても、日本は低空飛行を続けました。コロナの新規感染者は欧米よりも少なかったのに、医療はアッサリと崩壊し、コロナ病床の増加も叶わず、ワクチン接種も出遅れて経済を回すどころの話ではありません。

2021年は1月~9月までのほとんどは非常事態宣言期間であり、非常事態宣言が終われば少しは日常が戻るかと思いきや、「非常事態宣言が終わっても自粛要請は続ける」などと政府は主張しはじめました。

残念ながら日本のバトルロワイヤル状態はこのままも続くでしょう。そしてこのままの状態がずっと続くのであれば、いずれ日本の経済や社会が崩壊するのは目に見えています。南無阿弥陀仏。。。。。

暗い話はやめて!!!

気分が暗くなる話をしました。事実であっても「聞かなかったことにしたくなる」ほど残念すぎる話だったと思います。

しかしもしあなたが「暗い話はもうたくさん!!!」と思ったなら、わたしが暗い話をした意味があったというものなのです。

暗い話をされたから暗い気分になる。明るい話をされたから明るい気分になる。のであれば、実はそのこと自体が、「あなたが空気に支配されている」何よりの証拠なのです。

日本が沈むとしてもあなたまで沈まなければいけないわけではありません。確かに下を見たり(現実を直視)、横をみたり(周囲の価値観に縛られる)するなら、あなたも同様の運命を辿るでしょう。

しかし「上をみて生きる」ならあなたの運命は「現状維持の既定路線」とは異なるものになるはずです。心の底から実現したいもののために、目標を立てて、計画を立てて、実行し続けることができるかどうかがあなたの未来を決めるのです。

最後に一言。東日本大震災の教訓をあなたに。

津波てんでんこ

宮越田老地区には高さ10メートル以上のギネス級の堤防がありました。しかし住民の98%が亡くなりました。その一方で高さ5メートル前後の堤防しかなかった釜石市は、小学生六百数十人が一人を除いて助かりました。なぜこのような「差」が生まれたのでしょうか?

釜石市の小中学校全14校では、防災危機管理アドバイザーで群馬大学名誉教授の片田敏孝(かただ としたか)教授が、「津波てんでんこ」の大切さを学んでもらうと2005年から特別教育を実施していたのです。「津波てんでんこ」とは、「津波のときは、てんでんバラバラに逃げろ」の意味です。三陸沿岸の言い伝えです。

「津波のときは、てんでんバラバラに逃げろ」なんて当たり前のアドバイスのように感じるかもしれません。しかしそうではないのです。日本は「空気の支配する国」なので、「我先に逃げるなんてかっこ悪い」という空気が充満したら最後。その空気にあらがうのが難しいのです。

「このままじゃダメなことがわかってはいるが、今さらやめられない」という態度を方向転換できなければ、あなたの悪い予感はきっと当たるでしょう。そして将来のあなたは「なんであの時に行動しなかったのか」と過去の自分を責めるに違いありません。

あなたは「あなたの人生の経営者」なのです。だとすれば空気を読んでいる暇はないはずです。

空気を読まない男

もしあなたが人生の経営者として「離婚する」と判断するのであれば、離婚するためにやるべきあらゆることに前向きになれるでしょう。

そして「離婚している状態」が離婚する前の現時点ですでに『当たり前』になっているので、「あとはやるだけ」という気分になっているはずで、漠然とした不安を抱えている暇もないほど忙しくしているはずです。

逆に「本当に心の底から離婚したいわけじゃない」ことに気づいた人もいるはずです。そういう人は「離婚したい」という偽物のゴールに惑わされることなく、心の底から実現したいことのために頭を使うようになるでしょう。

人生は短いのです。人生の経営者であることを自覚したあなたには、おそらく世界的にもっとも有名な日本人経営コンサルタントであり空気を読まない男でもある大前研一氏の言葉を授けましょう。

死んだらいくらでも寝れる」(毎日4時間睡眠で精力的に活動していることを問われた時の回答)、「やりたいことは全部やれ!」(大前研一氏の本のタイトル)

で、どうすればいいの?

過去5回のレポートを読んできたあなたであれば、これから先は「自分の人生の経営者」として何かを決断し、行動したくなっているはずです。

しかしもしあなたが頭のなかで「で、どうすればいいの?」と考えてしまっているのであれば、次回から続くメールマガジンも読んでください。「上を向いて生きる」ための突破口がきっと見つかるはずです。(次回のメルマガに続く)