第1回目のレポートでは「離婚問題の本質」というテーマについて解説しました。あなたの抱える閉塞感や不安やストレスといったものは、社会システム(結婚≒愛)や、パーソンシステム(願望水準と期待水準のギャップ)によって生まれているということを解説しました。
そして2回目のレポートでは「上を向いて歩く」ということによって成し遂げられた「嘘みたいな本当の話」(例:ジョン万次郎、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)について紹介しました。
そして3回目の本レポートでは、「願望を叶える方法論」についてわかりやすく解説したいと思います。それでは早速、解説をはじめましょう。
大学生の時、東北にある混浴の露天風呂に遊びにいったことがあります。『混浴風呂』という響きにウキウキしましたが、いざ到着するとウキウキした気持ちは絶望に変わりました。
現場に到着すると大学のサークルで遊びにきた若い男女や、外国人の観光客が想像していたよりもたくさんいたのですが、わたしはすぐに我に返りました。わたしは自分のカラダに自信がなかったのです。
そのため壮大な自然を楽しむ余裕もほとんどなく、たるんだ自分のカラダをタオルで隠すことで精いっぱいになってしまったのです。そして混浴風呂に遊びにきたことを後悔しながら楽しくない時間を過ごしました。
今振り返って考えてみると笑い話ですが、わたしは混浴の露天風呂で楽しむということがどういうことかあまりよく理解していなかったのにも関わらず、「混浴風呂」という言葉の響きに浮かれていたのでした。
わたしの過去にあった恥ずかしい笑い話をここで紹介してまであなたに伝えたかったことは、「あなたは準備ができているのか?」ということなのです。準備ができている人は、いざ願望を叶えるチャンスが訪れたとき、迷わずそのチャンスをつかみます。
しかし逆に準備ができていない人はいざ願望が叶えられるチャンスが目の前にあったとしても、「恥ずかしい」とか、「居心地が悪い」とか、「こんなはずじゃかった」とか、「また次の機会があるさ」とか、「今日はなんだか体調が悪い」とか、「もう少し考える時間がほしい」など、いろいろな言い訳をしてチャンスを棒にふってしまうのです。
世界的に超有名なサッカーにクリスチャーノ・ロナウドという選手がいます。日本でもバキバキの腹筋を武器にシックスパッドのCMでもお馴染みのロナウドは、試合になると「俺にボールをよこせ!!」という強気な態度でゴールを量産しています。
サッカーにあまり興味がない人のために、NiziUのリーダーであるマコさんの話をします。日本テレビの朝の情報番組「スッキリ」では、NiziUのメンバーを決めるオーディション企画が放送されていました。
わたしが印象的だったのは、他のメンバーが不安そうな顔をしてオーディションに参加するなか、のちにNiziUのリーダーに抜擢されるマコさんだけは自信満々だったことです。
プロデューサーであるJ.Y. Park(本名:パク・ジニョン)はマコさんにこんな言葉を投げかけました。「マコさんはデビューする準備ができているように思います。」と。
サッカーにも芸能にも興味がない方のために、料理の話をします。ドラゴンシェフという番組があります。次世代のスター料理人を目指すべく、若手の料理人が名誉と優勝賞金の1,000万円を競い合う企画なのですが、上位にいる選手は自信満々です。「どんな状況であれ、自分が一番おいしい料理を提供できる」と信じて疑いもしていない表情をしているのです。
あなたは「上を向いて歩く」ことを決断しました。はじめの第一歩はそれでOKです。すべてのはじまりは「やってやる」という強い意思からはじまります。しかし本当に重要なことは「準備し続けること」なのです。
実は「準備つづける人」になる秘訣は、願望を実現するのであれば、現在の自分は何をしているべきか?ということに、どれだけ臨場感をもてるか?にかかっています。
『ゴールを量産する世界最高のサッカー選手』、『世界に通用するアイドルグループをけん引するリーダー』、『優勝賞金1,000万円を獲得する若手ナンバーワン料理人』という状態を自分のなかでどれだけ『当たり前の状態』にできるかが鍵になります。
もし願望を実現しているのであれば、現在の自分が当たり前のようにやっていることを『当たり前の状態』にすることができなければ、それは自分が願望を実現することに臨場感がもてない(≒自分を信じられない)ということなので、願望を実現できない(≒●●したい)という態度になってしまうのです。
例えばクリスチャーノ・ロナウドは実生活でコーラを飲まないことで有名です。参加した大会のインタビュー中に、目の前にあったコカ・コーラをどけて「水!!!」と発言したことで、コカ・コーラの株価が大暴落したというエピソードもあります。
清涼飲料水を飲まないことはわたしにとっては拷問です。マクドナルドにいけばコーラが飲みたくなります。しかしもしもし本当に『ゴールを量産する世界最高のサッカー選手』であることが自分にとって当たり前であると感じているなら、迷わず『コカ・コーラを飲まない』という選択をするはずです。
同様にもしあなたが「離婚している自分」というものに強い臨場感をもっているなら、今よりもっとお金を稼がなければいけないかもしれませんし、子どものためにお父さん役とお母さん役の一人二役を実践するのが当然だと考えてしかるべきでしょう。
逆にもしあなたが離婚する場合に「当たり前のようにやるべきこと」について考えてみたときに、もしそれらを「メンドクサイ」と感じたり、「やりたくない」と感じるなら、あなたは心の底から「離婚したい」わけではないのでしょう。
勉強したくもないのに親から「勉強しろ!!」といわれれば嫌な気分になるでしょう。同様にやりたくないことを自分自身に強制すれば、自分で自分の首を絞めて苦しむことになるのです。
必要もないのに自分を痛めつけるのはやめましょう。とはいえ「好きなことだけをやれば幸せになれる」だなんていうつもりはありません。本当に心の底から実現したいことがあるなら、やるべきことをやっている自分を誇らしいと感じるはず・・・ということがいいたいのです。そう。コカ・コーラを飲まないクリスチャーノ・ロナウドのように。
あなたが心の底から実現したいことは一体どのようなことなのでしょうか?そして心の底から実現したいことのために、今のあなたが「当たり前のようにやるべきこと(やらないこと)」があるとすれば、それはどのようなことなのでしょうか?
実は多くの人は知らず知らずのうちに、他人にとって都合のいいように行動しています。例えば高畑充希さんが「今日、ケンタッキーにしない?」と提案するCMを何度も繰り返し見ているうちに、「ケンタッキーが食べたい」という欲求が蓄積されます。
そしてある日、ケンタッキーのことを思い出したときに「そうだ!!今日はケンタッキーが食べたい!!」という強烈な欲求に襲われて、気づいたらケンタッキーでお金を払っているのです。
そう。どのような商品・サービスのCMであれ、その目的は「あなたに不満をもってもらい、不満を解消するためにお金を支払ってもらう」という点にあるのです。なぜCMを観ると不満になるのでしょうか?
それはCMのなかの世界とテレビの前の現実にはギャップがあるからです。CMのなかの世界は幸せそうですが、テレビの前にいる自分が見ている世界は必ずしもそうではありません。
だからCMを繰り返し何度も見れば見るほどストレスがたまるのです。ストレスを解消する方法は唯一「お金を使う」ことだけです。昨今では番組そのものが『宣伝』のようになっています。
ですからテレビをみればみるほど「満たされない欲求」に晒(さら)されて、ひたすらお金を失うリスクを高めることになるのです。
そう。テレビのCMは、「ケンタッキーを食べるのが当然だ」、「マイホームをもつのが家族の幸せだ」、「無駄な脂肪のないカラダをつくるのが当然だ」という意識をあなたに植えつけているのです。
テレビのCMをみれば問題意識(例:痩せなきゃ)をもつことができます。しかしその問題意識は、他人から植え付けられたものです。テレビが無料で視聴できるのはスポンサーがお金を払っているからなのですから、当然といえば当然です。
あなたは他人から植えつけられた問題意識を解決するために人生の時間を使いたいわけではないでしょう。どうすれば知らず知らずのうちに他人の都合のいいように行動するように仕向けられているのに、そのことを自覚していない『奴隷状態』から抜け出すことができるのでしょうか?
テレビコマーシャルに、視聴者の行動を後押しする効果(しかも絶大な)があることは間違いのない事実でしょう。とするなら、あなたも自分のCMをつくってしまえばいいのです。
もちろんCMを他人に披露する必要はありません。あなたが心の底から実現したいことを達成したときに、あなたが経験するであろう状況を、あなたの脳内で再生できれば十分です。
これからあなたが創るものは、いわば『あなたの、あなたによる、あなたのためのコマーシャル映像』なのですから、ちょっと想像しただけでワクワクしたり、爽快感や充実感を感じるようなものでなければなりません。
クリスチャーノ・ロナウドであれば、ポルトガル代表に選ばれて、ワールドカップも優勝し、毎試合のように得点を量産し、年間最優秀選手に選ばれて、助手席には美女をのせて高級車をのりまわし、そのために早起きして誰にも真似できないくらいストイックに節制&トレーニングしている・・・・というような映像を自分のために用意するはずです。
クリスチャーノ・ロナウドにとっては試合に勝つことも得点を決めることも最優秀に選ばれることも「当たり前の状態」なのです。だから試合に負けたり得点を決められなかったりすれば、『こんな状態はわたしにふさわしくない』と感じ、元の当たり前の状態に戻るためにあらゆる努力をするようになるのです。
あなたはあなたのためにどのような映像を創るでしょうか?どのような状態を「当たり前の状態」にするでしょうか?あなたにとってふさわしい環境とはどのようなものでしょうか?
『自分専用のCMをつくれ』といわれても戸惑う必要はありません。あなたがどうなりたいのか?ということを漠然とイメージすればいいのです。それが現状維持ではない未来を実現する第一歩になります。
とはいえ、「頭の中の世界」はすぐに変えることができても、残念ながら物理的な世界をすぐに変えることはできません。ジョン万次郎は「すぐにでも祖国に帰りたい」と願ったでしょうが、その願いを叶えるためにはやるべきことがたくさんあり、漂流してから日本に帰国するまでには約10年もの時間が必要でした。
ジョン万次郎にとって、日本に帰国するまでの10年間はどのような時間だったでしょうか?ツライ時間だったのでしょうか?おそらくそうではないでしょう。きっと毎日が充実していたはずです。
なぜそう断言できるのか?次回のレポートでは、本当に幸せな生き方とはどのような生き方のことをいうのか?という点について、わかりやすく解説します。(次回に続く)