離婚した方がいいか?後悔しないか?と悩み続けることは精神衛生上よろしくありませんが、「離婚したほうがいいのだろうか・・・」と悩み続ける状況からなかなか抜け出せない人も珍しくありません。
そこで本記事では「こんな人は離婚してはいけない」という条件を明らかにしたいと思いますので参考にしてください。
迷うなら離婚してはいけない?(1)
突然ですが強く強調しておきたいことがあります。
「迷うなら離婚してはいけません!!」
あなたはこのアドバイスを聞いてどう思いましたか?
いま感じている素直な気持ちを覚えておいてください。
よくある反応の仕方は3パターンあります。
- 妙に納得してしまう
- 心が強く動かされる
- 何も感じない
あなたは、どう感じたでしょうか?実は、今のあなたの感情があなたの本当の気持ちに近いのです。それでは早速、それぞれのパターンごとにアドバイスしていきたいと思います。
妙に納得してしまう(1-1)
「やっぱり、離婚しない方がいいね」と心のどこかで納得しているなら、離婚準備を始めるのは時期尚早です。
結婚すれば、誰しも一度は離婚を考えるものです。離婚について考えること自体は珍しいことではありません。ですから「離婚」ではなく「夫婦円満」の方法を模索するべきです。
ここで重要なことは「夫婦円満に向けてあなた自身が変わること」です。「あなたのココがダメなのよ!」と配偶者の価値観を無理やり変えようとすると必ず失敗するので要注意です。
なぜならば夫婦といえども他人であり、別々の価値観で生きているからです。ですからあなたにとって正しいことでも、相手にとっては正しくないことである可能性は十分あるのです。
例えばあなたが「離婚したい」と思うような出来事でも、相手にとっては「夫婦ならよくあること」という認識かもしれません。
以上のように夫婦のすれ違いは「認識のズレ」で生まれることがほとんどです。つまり認識のズレを修正しないかぎり夫婦円満を達成することはできません。
認識のズレを修正する作業は、簡単なようですが意外と奥が深いので注意してください。ほとんどの人は「認識のズレ」を把握することすらできません。
つまり「何が問題か?」すらわかっていないのです。いわば問題用紙が配られていないのに受験するような状況にいるのです。
もしかしたら「認識のズレ」といわれてもピンとこないかもしれません。そこで「認識のズレ」がいかに簡単に発生するかわかる話をしたいと思います。
わたしは小説を楽しむのが唯一の心のやすらぎです。仕事が終わり帰宅する途中の電車のなかでも小説を楽しんでいたその時です。
うるさい子供が騒いでいます。しかも1人ではありません。騒いでいる子供は2人います。
「うるさいなぁ。でも子供だから」と我慢しようとしたのですが、ちょっとうるさいというレベルではありません。ギャーギャー騒いで周りに迷惑をかけています。
周りの大人たちの顔をみると全員が迷惑そうな顔をしています。「騒いでいる子供の親は何をしているんだ!」と思って周囲を見渡すと、子供の父親らしき人物が黙って座っています。
「なんであの父親は、子供を注意しないんだ!」とイライラするばかりです。しかし誰も子供に向かって注意する大人はいません。
そこで「ここはわたしの出番かもしれない」と思い、父親に注意することにしました。そして父親に黙って近づくとこういい放ちました。
「ちょっと、あんた!、子供が騒いでいるよ。ちょっと、静かにさせてよ!」
父親は黙ってこちらを見ながら「申し訳ありません。さきほど、母親が事故に巻き込まれて突然亡くなってしまいまして。子供もわたしも混乱してしまっていました」
以上の話は、作り話です。しかし「うるさい子供」に対する認識の劇的な変化を体験したと思います。騒いでいる子供に対する気持ちが「憎しみ」から「同情」に変わった方は多いと思います。
認識のズレとはそういうことなのです。少しのボタンの掛け違いで認識のズレは生まれるものなのです。
ですからあなたがの「離婚したい」という気持ちも、一時の心の迷いだったり、少しの認識のズレから生まれているだけかもしれません。
そして「認識のズレ」の正体を突き止めて、「認識のズレ」を修正することができれば夫婦円満に近づけるかもしれませんよ?
心が強く動かされる(1-2)
「離婚しないほうがいい」というアドバイスに対して、反発したくなったら離婚準備をはじめましょう。
離婚準備に着手することでより一層、あなたの気持ちをハッキリ自覚できると思います。なぜならば離婚準備の過程で、離婚後の生活に対するイメージが明確になるからです。
一番オススメできない行為は一時の感情に流されて離婚に一直線に突っ走ることです。離婚に踏み切るのは、離婚後の生活設計に目処がついてからでも遅くはありません。
幸せになるために離婚するのであって、不幸になるために離婚するわけではないはずです。もしそのような考え方に同意してくれるのであれば、離婚準備をはじめるタイミングは、離婚したほうが幸せになれるという確信が得られた時にすべきです。
何も感じない(1-3)
何も感じない人は、離婚後の生活について知識が乏しい可能性があります。
まずは離婚後の生活費がいくらになりそうかチェックしてみましょう。

さて、ここから先は離婚後の生活をより具体的にイメージしてもらうために、「離婚して苦労すること」について詳しくお伝えしたいと思います。
離婚して苦労したことは?(2)
まずは離婚して苦労したことを調査したアンケート結果を紹介します。
# | ?苦労したこと | ?割合(%) |
---|---|---|
1 | 生活費 | 37.7 |
2 | 役所の手続き | 27.6 |
3 | 子供の養育費 | 21.9 |
4 | 住む家 | 21.7 |
5 | 子供への悪い影響 | 17.6 |
6 | 就職や昇進など、仕事について | 17.3 |
7 | 世間体 | 17.3 |
8 | 慰謝料の支払い | 12.7 |
9 | 裁判 | 10.4 |
10 | 老後の生活 | 9.2 |
11 | 老後の年金 | 6.8 |
12 | その他 | 8.9 |
13 | とくに苦労した事はない | 16.9 |
14 | 答えたくない | 2.3 |
その他の自由回答欄には、以下のような答えもありました。
- 子供の心境を常に気遣ったこと
- ショックから立ち直るまで
- 約束事の不履行
- 元夫のストーカー行為
- 職場での好奇の目
- 子供の教育などのお金
- 離婚調停での戦い
【出典:インターワイヤード株式会社 DIMSDRIVE「離婚に関する意識調査」(実施期間:2006年7月6日(木)~7月12日(水))】
さてここから先は、「苦労した」と回答があった以下の項目について、もう少し詳しく考えていきます。
住む家(2-1)
離婚後にどこに住むか決まっていますか?
もしマイホームの住宅ローンを返済中ならば要注意です!なぜならばマイホームは夫婦の一存だけで勝手に処分できないからです。選択肢は3つあります。
- 売却して財産分与
- 現状維持(住み続ける)
- 賃貸
ただし、「売却して財産分与」するつもりなら注意してください。売却したくても売却できない可能性も十分考えられるからです。
売却することが可能か判断するためには、以下2つの情報を収集する必要があります。
- 不動産の実勢価格
- 住宅ローンの残債
不動産の実勢価格に興味がある方は、以下の記事をチェックしてください。

お金(2-2)
離婚後にお金の事で苦労する人は多いです。離婚するということは、自立して生きていくことです。人生で頼れる人が一人減るのですから、金銭的な負担が大きくなるのも当然のことです。
もし生活費を自分で稼いでいく覚悟がないなら、離婚はオススメできません。
離婚後の貧困生活に苦しめられるなら、離婚しても幸せになるのはムズカシイでしょう。若いうちの貧乏はなんとかなりますが、高齢になってからの貧乏は地獄です。稼ぎたくても稼ぎにくくなるからです。
子供(2-3)
離婚により「両親の離婚は自分のせいだ」と思い悩んでしまうケースがあります。明るい子供がふさぎこんでしまったりすることも珍しくありません。
大好きだったお父さんお母さんに突然会えなくなったり、再婚相手と馴染めなかったりするのですから、少なからず影響はあるでしょう。
また片親の悪口を吹き込んだりすれば、親権者の偏った主張を信じてしまうこともあるでしょう。それどころか「母親から悪口をいわれている父親の血の半分は、自分にも流れている」などと悲観させてしまう場合もありますから注意が必要です。
いずれにせよ、DV被害などのケースを除けば子供が両親の離婚を希望することはほとんどありません。両親が離婚する意思を固めているのに、子供だけが「両親に仲良くしてほしいです」などと訴えることも珍しくありません。
子供に罪はありませんから、たとえ離婚しても子供を幸せにすることを誓うべきです。
仕事(2-4)
離婚すれば出世にひびく可能性についても検討しなければいけません。
「家庭をマネジメントできない人に部下のマネジメントができるわけがない」と、本気で信じている人もいるのです。
仕事とプライベートのどちらも、人生を豊かにする重要なパーツの一つです。ですからどちらを優先すべきか決断できるのはあなただけです。
いずれにせよ「バランス」が大事ですから、タイミングなどには十分な注意を払うべきです。
世間体(2-5)
世間体というカタチのないものに悩まされる人も多いです。離婚は珍しいことではありませんが、地域によっては一度離婚すると、ずっと陰口を叩かれ続けられる場合もあります。
「陰口など気にするな!」とアドバイスしたいのですが、それがムズカシイ場合もあるでしょう。場合によっては、偏見と闘う覚悟も必要です。
姓の問題(2-6)
仕事場での呼び方を旧姓に戻すのか戻さないのかで悩む女性は多いです。
仕事場での呼称はそのままにできればいいですが、企業によってはそれを許可してくれない場合もあります。
姓の問題を考える時には、世間的な見られ方よりも、自分のアイデンティティーがどちらにあるかで決めると良いでしょう。
但し、思春期の子供がいる時は、子供の意見を尊重することを検討しましょう。
健康問題(2-7)
自分のことを気遣ってくれたり、気軽にコミュニケーションが取れる相手がいないことは、自分の寿命を縮める可能性が高いです。
健康は毎日の積み重ねが重要なのです。(食事、清潔な服、掃除が行き届いた部屋など)離婚するにせよ、周囲とのコミュニケーションは積極的にとるように心掛けましょう。
さて、これまでは離婚で苦労することや後悔する可能性が高い事柄についてお話してきました。
ここからは、離婚した方がいいか考える手順・注意点について説明したいと思います。
離婚した方がいいか考える方法(3)
まずは冷静になろう(3-1)
自分の将来をしっかり考えるためにも、まずは冷静になってください。なぜならば、人間は感情的になると前頭前野の働きが落ちてIQが落ちるからです。
IQが落ちた状態で判断するのは危険です。酔っ払った状態で重要な決断をするようなものです。ですから感情的になってしまった時に決断するのはやめましょう。
もしどうしても冷静になれないなら時間が必要です。温泉に入りにいったり、誰もいない静かな空間に身を置くなど工夫することが大切です。
どちらの将来が魅力的か考える(3-2)
冷静になった上で、「現状維持の結婚生活」と「離婚後の生活」のどちらに希望が持てるかを考えてみましょう。
新しい道を歩む時に大切なのは、意思の力です。
今まで紹介してきた、「お金」、「子供」、「仕事」、「生活スタイル」などの観点で、離婚後の将来を想像してみましょう。
将来を想像するというよりは、どんな将来を勝ち取りたいか?と自分に投げかけてみれば自ずと答えはでるはずです。
将来をイメージする質問(3-3)
自分に投げかけるべき質問をすぐに思い浮かべることが出来る方も少ないでしょう。
そんな方のために、将来をイメージするための質問をいくつか用意しました。
離婚問題を考えるにあたり、女性と男性で少し質問の内容を変えました。あなたの性別に応じて参考にしてください。
- 離婚する意思は一時の気の迷いではないか?
- 本当は配偶者のことが大好きではないか?
- 経済的に自立する覚悟はあるのか?
- モラハラの原因は自分にあるのではないか?
- 老後の年金を考えば、嫌な夫でも一緒にいたほうが得ではないか?
- やり直せる若いうちに離婚すべきではないか?
- 離婚しても子供を幸せに育てる自信はあるか?
- 離婚しても子供のケアをし続ける覚悟はあるのか?
- 慣れ親しんだ土地を離れる覚悟はあるのか?
- 世間からバツイチ女性と思われてもよいか?
- 再婚する希望はあるのか?
- 再婚相手と子供の相性はよいか?
- 子供の心のケアは十分か?
- 本当は配偶者のことが大好きではないのか?
- 妻や子供に養育費を支払う覚悟はあるか?
- 財産分与で今まで築いた財産の半分を渡す覚悟はあるか?
- 家事全般を一人でこなせるのか?
- 仕事に打ち込める環境を捨てるのか?
- 自分の態度を治せば相手は復縁してくれるのではないか?
- 人生やり直せるうちにやり直すのがお互いのためではないか?
- 子供の成長する姿を身近で見守れなくても大丈夫か?
- 再婚するのは現実的か?
回答に悩む質問もあったかもしれませんが、悩みながら行動しても後悔する可能性が高いので、悩める余裕のあるうちにたくさん悩むことをおススメします。