離婚調停に臨むにあたって弁護士を雇うかどうか悩んでいる方のために参考になる情報をお届けします。
離婚調停への誤解
離婚調停に関する最大の誤解は「中立公正」だという勘違いです。離婚調停は「話し合いの場」であり、裁判官が中立に判断を下す場ではありません。
離婚調停の場で話し相手になるのは裁判官ではなく「調停委員」であり、調停委員はもちろん裁判官ではありませんし、司法試験を突破しているわけでもありません。
ですから相手がどんなに理不尽で非常識な主張をしても調停委員の方々が相手を諭してくれるとは限りませんし、「相手の理不尽な主張をそのまま伝えてくるだけ」の可能性だって十分あります。
離婚調停を雇うべきパターン
調停委員はたくさんの案件を処理していますので「だいたいこういうパターンで落ち着くだろう」という「落としどころ」についての見識をもっています。
「落としどころ」とはざっくりいえば、『不貞行為やDVの確固たる証拠があれば離婚は成立』、『幼い子どもの場合、親権は母親』、『確固たる証拠がある場合のみ慰謝料は発生』、『養育費や婚姻費用は算定表に従う』といったような巷の離婚本でも説明されているようなルールのことです。
裏を返せば調停委員の立場で考えてみたときの「落としどころ」で納得できるのであれば弁護士は必要ありませんし、ダメでもともとという姿勢で調停に応じるのもアリだと思います。
しかし「落としどころ」に不満がある場合には、弁護士を同席させることも検討すべきですし(調停は当事者本人の参加が原則)、弁護士を同席させずとも調停の戦略について弁護士に相談することをおススメします。
最後に
離婚調停のために裁判所に支払う費用は、1,200円の収入印紙および「連絡用の郵便切手」(裁判所から連絡を受けるための切手代を実費で負担する必要アリ)のみです。
参考 夫婦関係調整調停(離婚)裁判所つまり費用面において離婚調停は手軽なわけですが、離婚調停の結果が記載された「調停調書」は公文書であり法的な効力も絶大(強制執行の申し立ても可能)ですので、万全の体制で調停に参加することをおススメします。
参考 調停手続きについて裁判所(広島)