離婚調停では、調停員と呼ばれる第三者を通じて離婚問題について話しあうことになります。つまり離婚調停とはいわば離婚に関する「話し合い」の場なわけですからそれほど身構える必要はありません。
とはいえ家庭裁判所からの呼び出しを受ける経験は人生に何度もあるわけではありません。ですから家庭裁判所からの呼び出しにどう対応したらいいのか右往左往してしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では離婚調停に呼び出された時の選択肢について解説します。
選択肢#1) 離婚協議に戻す
離婚調停には、「夫婦関係調整調停(離婚)」と「夫婦関係調整調停(円満)」の二種類があります。まずはどちらの名目で調停に呼び出されているのか確認しましょう。
「夫婦関係調整調停(離婚)」の場合は、配偶者はあなたと「離婚したい」と願っています。逆に「夫婦関係調整調停(円満)」の場合は、配偶者はあなたと「離婚したくない」と願っています。
もしすでに現時点で「 話し合う余地はない」という場合には、調停員を介してコミュニケーシするメリットはお互いにあると考えられます。
しかし逆に現時点で「(夫婦で)話し合っていない」のであれば、配偶者との話し合いに応じることを約束して調停を取り下げてもらうことも検討するとよいでしょう。なぜならば・・・調停を避けるメリットは2つもあるのです。
メリット#1) 意図が正確に伝わる
調停では第三者を通じた話し合いになります。あなたの主張を直接伝えることはできませんし、逆に相手側の主張は調停員経由で聞かされることになります。
ですからお互いの主張が正しいニュアンスで相手に伝わる可能性は低いですし、調停員から伝えられる主張を否定したくても、配偶者を直接問い詰めることもできません。
もし相手方と面と向かって話し合えるのであれば、そうできるうちにそうするべきです。
メリット#2) 調停に参加しなくて良い
離婚調停は平日に開催されますので、「調停のために仕事を休む」覚悟も必要です。
ちなみに(あくまでも目安ですが)調停は1ヶ月半に1回程度のペースで平均3回程度続きますし、調停が開催される家庭裁判所があなたの近くの住所地である保証もありませんので、それなりの負担は覚悟する必要があります。
選択肢#2) 調停の呼び出しを無視
「調停に参加するのが面倒」という理由だけで、調停への参加を無視する人もいるのですが、その場合の注意点について解説します。
注意点#1) 不利な決定が下される可能性
調停に参加しない場合、相手の主張が100%反映された結論が下される可能性が高くなります。
つまり相手の主張がもっともらしければ、あなたに不利な条件で決定が下る可能性が高いということです。
もちろん調停での決定事項に異議がある場合には、2週間以内に不服(「即時抗告」といいます)申し立てをしましょう。
注意点#2) 過料を取られる可能性
正当な理由なしに裁判所に出頭しない場合、「5万円以下の過料」という制裁を受ける可能性があります。
注意点#3) 裁判に突入する可能性
離婚調停を無視する場合、「話し合う余地がない以上、裁判するしかない」と相手方を追い詰める可能性があります。
選択肢#3) 調停に参加
「調停員は中立な立場で判断を下してくれるだろう」と妄信するのは危険です。
むしろ調停に呼び出されている時点であなたは不利だと認識することをおススメします。なぜならば調停を申立る時点において、調停員は申立てた側の主張しか把握していないからです。
だからこそ、わかり易くあなたの主張を調停員に伝える必要があるわけですが、はじめて調停に参加する人にはその方法がわからないのが一般的だと思います。
ですから自分一人の力で調停を乗り切る自信がなければ、早めのタイミングで弁護士に相談することをおススメします。