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エア離婚とは? ~ エア離婚に対する誤解をほぐす

エア離婚 とは

エア離婚とは、元TBSアナウンサーの小島慶子さん(1972年7月27日生まれ)の造語です。あまり聞きなれない言葉なので説明したいと思います。

エア離婚とは?

『エア離婚』という言葉を生み出した小島慶子さん本人が定義について説明していますので紹介します。

法律上の法律関係は解消することなく、将来的に離婚をするという合意が成立している状態で婚姻関係を続けること。ギターがあるつもりで弾くエアギターの発想で名付けた。

【引用:サンデー毎日2020年2月9日号

2014年に夫と2人の息子とともに、オーストラリア・パースに移住し小島慶子さんが語るところによれば、エア離婚の原因は30歳で長男を出産した後に陥った産後クライシスにあるそうです。

産後クライシスに陥った原因は、定かではありませんが小島慶子さんの言葉によると「夫が信頼関係を壊すようなことをした」なおかつ「私が夫ではなく赤ちゃんにかかりきりだったせいだと私を責めた」(サンデー毎日2020年2月9日号)ことにあるそうです。

当時、小島慶子さんは「離婚」の2文字が頭をよぎったものの、当時はTBSのアナウンサーであり(時期から察するに、『ニュースフロント』、『時事放談』などの報道番組を担当していたころ)シングルマザーになる覚悟がなかったことから断念したそうです。

それから当時のツライ記憶はずっと封印していたそうなのですが、オーストラリアに移住してからほどなくして「そういえば、あの問題は何も解決していない」と過去の苦しい記憶がよみがえり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)的な状態になってしまったことから、家族会議で話し合うなど紆余曲折ありながらも『エア離婚』に至ったということらしいです。

エア離婚への反応

小島慶子さんの場合、旦那さんからエア離婚に応じてもらうために数年の時間を要し、離婚が実行される予定時期は次男(2020年時点で中学3年生)が大学に入学する3年~4年後ということでコンセンサスが得られたそうですが、ネット上の意見はさまざまです。

エア離婚に対する誤解

あなたはエア離婚についてどのような感想をもったでしょうか?

差し当たり多くの人が誤解していそうな点について補足しておきたいと思います。

結婚と愛は無関係

さきほど「一緒にいるの嫌だったら離婚したほうがいいじゃん」という意見を紹介しましたが、そのような意見の前提には「結婚は愛する男女が自由に選択した結果としてあるもの」という考え方があるのだと思います。しかし本来結婚と愛は全く関係ありません。

元々の結婚は「自由な選択の結果」などではなく、元々はどの社会でも結婚は権利配分を決める制度で「結婚と愛は無関係」でした。これは法人類学が教える「常識」です。

日本でも一昔前まで、甲斐性のある男性が妾をもつことがステータスであり、2024年から1万円札の顔になる渋沢栄一氏も妻妾同居生活を送っていました。(栄一には20人の子がいたとされますが、一説には50人だという話もあり、多くは妾の子ということになります。)

つまり結婚制度に「財産の権利配分」だけでなく「愛」までも求めるのは、人類の歴史上はじめてのことなのです。どの社会でも達成できなかったことに、現代人のわたしたちは成功するでしょうか?

「浮気はダメ」という空気が蔓延しているにも関わらず・・・・・浮気する人が後を絶たない現実をみれば・・・・残念ながらその試みはすでに失敗しているように思います。みなさんはどう思いますか?

仮面夫婦はエア離婚ではない

仮面夫婦とエア離婚は全く違います。仮面夫婦には「将来離婚する」という同意が必ずしもないのに対して、エア離婚では「将来離婚する」という同意があります。

当事者の気持ちに立てば、仮面夫婦の場合には「いつまでこの状態が続くのだろう?」という苦悩が付きまといますが、エア離婚の場合には離婚というゴールが見えている以上、気持ちがラクになるという効果があります。

エア離婚という言葉を生み出した小島慶子さん自身、「エア離婚して光が見える。近い将来、私たちは夫婦ではなくなる可能性が高いと思うと、同じ風景でも異なって見えてくる」(サンデー毎日2020年2月9日号)とコメントしています。

最後に

「ある日突然離婚を切り出されて妻と直接話ができなくなった」とか、「ある日突然妻と子どもが自宅から姿を消して、子どもと会えなくなった」という事例を山ほど耳にしています。

ですから小島慶子さんのように「離婚したい」でも「今すぐじゃなくていい」という『エア離婚』の選択肢は、むしろ相手のことを考えた親切な提案であるともいえなくはありません。

まとめると・・・・『エア離婚』はズルズル婚姻関係を続けることも回避できるし、ある日突然離婚を切り出す必要もないという意味でメリットのある選択肢といえるでしょう。