離婚準備なう。

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財産分与の税金をわかりやすく解説!知らないだけで損するかも?

財産分与の税金をわかりやすく解説!知らないだけで損するかも?

離婚時の財産分与に税金が発生する可能性があることはご存知でしょうか?

  • どんな財産分与に税金が発生するのか?
  • 税金の計算方法はいくらなのか?
  • 無料で相談できる窓口はないか?
  • 節税方法が知りたい!
  • 具体的に何をすればよいか知りたい!

本記事では、上記の疑問を全て解決したいと思います。

財産分与の税金をわかりやすく解説

本記事は、以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 国税庁の公式見解
  2. 財産分与で発生する税金・計算方法
  3. 財産分与の節税対策

財産分与 不動産

国税庁の公式見解(1)

離婚時の税金を考える際の原点となるのが、国税庁の公式見解です。

国税庁の公式HPには「離婚して財産をもらったとき」という記事があります。

短い記事ですので、その内容を引用します。

離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。
ただし、次のいずれかに当てはまる場合には贈与税がかかります。

  1. 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
    この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。
  2. 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
    この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

【引用:国税庁HP 離婚して財産をもらったとき】

「贈与税がかかることはありません」の部分に、胸を撫で下ろした人は多いと思います。

しかし、気になるのは贈与税が当てはまると注意書された部分です。

注意書きだけを眺めても、どのような意味がわからないと思いますので補足します。

  1. 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
  2. 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合

分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合(1-A)

財産分与では、婚姻期間中に築いた財産は原則半分ずつが原則です。

原則に則り、財産を半分にすれば、税務署から文句がくることはありません。

しかし、問題になるのは原則を無視して財産分与が行われた時です。

日本では、夫婦の話し合いで離婚が成立する割合が9割です。

そのため、離婚時の力関係によっては財産が半分ずつに分割されないこともあります。

例えば、離婚に納得しない配偶者を説得するために、以下のように破格の離婚条件を提示することも考えられます。

お願いだから離婚して欲しい。不動産の権利は全て譲渡するから

夫婦の資産の中でも、もっとも価値のある不動産をどちらか一方が専有すれば、財産分与は半分ずつにわけるという原則は破られる可能性は高いです。

税務署の基本スタンスは、「請求できる税金は全額請求」ですから見過ごすことはありません。

「申請しなくてもバレない」と思っているかもしれませんが、年々税務署の対応は厳しくなっています。

実は、不動産の権利移転(名義変更)が行われた記録は、不動産登記を管轄する法務局から税務署に情報共有がされています。

税務署は、納税記録と不動産の権利移転の情報を突きあわせて納税漏れがないかチェックすることができます。

日頃から目を付けられている高額納税者でないかぎり、譲渡があったその年に税務署から電話がかかってくることはないかもしれません。

なぜならば、税務署で働く人手にも限りがあるため、少額の納税漏れに時間を割く余裕はないからです。

しかし、譲渡があった3年目あたりで確認の電話があるのは珍しいことではありません。

配偶者から相場よりも多くの資産を譲り受けたと喜びをかみしめたのもつかの間、次は税務署からにらまれてしまうのです。

離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合(1-B)

脱税をするために偽造離婚する人がいます。

離婚時の財産分与では、原則半分ずつであれば贈与税は発生しません。

それを裏手にとって、夫婦の実態はそのままに離婚届を提出するのです。

また、配偶者が相続する場合は1億6,000万円まで配偶者控除の対象となります。

しかし、1億6,000万円では控除しきれず、税金を支払わなければいけない富裕層にとっては、離婚は都合のよい資産移転の方法になり得ます。

以上、離婚時に贈与税を支払う必要がある場合について補足しました。

ここまでの内容をまとめると、「原則から外れて半分以上の財産を相続する場合」や「多額の財産分与が発生する場合」には、税務署から確認の連絡があるかもしれません。

税務署は、正当な理由以外で税金を請求することはできません。

そのため、税金を支払わない正当性をしっかり伝えれば納得してもらえます。

一方で、税金の請求はグレーゾーンの幅が大きいことは昔から指摘されています。

そのため、税務署にしっかり説明できない場合は、税金の支払いを命じられる可能性があります。

もしも、不安であれば離婚前に税理士に相談することをお勧めします。

さて、財産分与に関する話は、これで終わりではありません。

なぜならば、財産分与で発生する税金は支払う側にも発生するからです。

財産を配偶者に渡して1円の儲けもないのになぜ税金を支払わなければいけないのか?

もっともな疑問ですし、国民感情からすれば納得がいかないのは当然です。

もちろん、必ず税金を支払わなくてはならないわけではありません。

どのような場合に税金が発生し、どのような場合に発生しないのか?

興味がある方は、ココから先で説明する「譲渡所得税」を確認して下さい。

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財産分与で発生する税金一覧(2)

財産分与で発生する税金、発生すると勘違いしがちな税金を順に説明していきます。

  1. 贈与税(原則支払い義務なし)
  2. 不動産所得税原則支払い義務なし)
  3. 登録免除税(不動産登記時に支払い義務)
  4. 固定資産税(不動産名義人に支払い義務)
  5. 譲渡所得税(譲渡した側に支払い義務発生)

贈与税(2-A)

一般的に、現金や不動産を贈与された時は贈与税が発生します。

しかし既に説明したとおり、財産を夫婦に半分にする行為において、財産を受け取る側は贈与税を支払う必要はありません

なぜならば、財産分与された財産は、元々その人の所有物だと考えられるからです。

元々自分の財産なのですから、「贈与」には当てはまらないという考え方です。

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不動産所得税(2-B)

不動産所得税は、新しく不動産を所有する時に発生する税金です。

財産分与で受け取る不動産は、元々自分のものですから不動産所得税は発生しません。

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登録免除税(2-C)

登録免除税は、不動産登記(所有権保存登記や移転登記等)の際に支払う税金です。

登録免除税の金額は、「固定資産評価額の1000分の20」です。

例えば、固定資産評価額1億円の夫名義の不動産を、妻名義にする場合を考えます。

その場合は、1億円×0.02 = 200万円登録免除税を納める必要があります

一般的には、不動産を利用する側(受け取る側)が支払うのが一般的です。

しかし、離婚時に合意があれば、不動産を渡す側が登録免除税を支払っても構いません。

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固定資産税(2-D)

固定資産税は、不動産の名義人が支払う税金です。

マイホーム」とはいえ、国に税金を支払う義務からは逃れることはできません。

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譲渡所得税(2-E)

譲渡所得税は、財産を譲渡した側に支払い義務がある税金です。

譲渡所得税について、順を追って解説していきます。

  1. 譲渡所得税の課税対象
  2. 譲渡所得税が発生する場合
  3. 譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税の課税対象(2-E-a)

譲渡所得税の課税対象は、「現金以外」です。

現金以外の、不動産、株式、ゴルフの会員権等が課税対象となります。

譲渡所得税が発生する場合(2-E-b)

譲渡所得税の課税対象が現金以外なのは、価格が変動する可能性があるからです。

譲渡所得税は、資産を手放した時に経済的な利益がある時に発生する税金です。

少しわかりにくいので、例え話で説明していきます。

仮に、離婚時に1,000万円の財産分与を実行する必要性があるとします。

財産分与の1,000万円を、現金で支払えば譲渡所得税は発生しません。

しかし、1,000万円の財産分与を不動産、株式、ゴルフの会員権で支払った時には、譲渡所得税が発生する可能性があるのです。

どういうことでしょうか?

譲渡所得税が発生するのは、手放す不動産、株式、ゴルフの会員権を購入した際の価格が、譲渡価額である1,000万円を下回った場合です。

例えば、不動産、株式、ゴルフの会員権が元値900万円だとします。(取得費といいます)

この場合、1,000万円の支払い義務を900万円で解消することが出来たと考えられてしまうのです。

つまり、1,000万円の支払い義務を900万円で免れることが出来たので、その差額である100万円が経済的利益だと捉えられてしまうのです。

100万円の経済的利益が発生したのだから税金を支払え」が日本の理屈です。

なお、これまで説明してきた考え方に納得できない人は多いと思います。

財産を配偶者に渡して1円の儲けもないのになぜ税金を支払わなければいけないのか?

以上のように考える人が多いのはうなずけます。

ここで冷静になって考えると、明らかな矛盾があることがわかります。

財産を受け取る側には贈与税の支払い義務がないことを思い出してください。

なぜ贈与税を支払う必要がなかったのでしょうか?

贈与税の支払い義務がなかったのは、そもそも受け取った財産が贈与ではなかったからです。

そもそも自分の財産をもらっただけだから贈与税は発生しない」という考え方を国税庁も支持しています。

素直に考えれば、財産を渡した側だって「そもそも相手の財産を渡しただけ」と主張するのも許されるはずです。

財産を渡した側の立場の人で、財産分与で儲けようと考える人などいないでしょう。

しかし、日本では「そもそも相手の財産を渡しただけ」という主張は認められていません。

昭和50年の最高裁判決で、財産分与義務の消滅に経済的利益の存在を認める判決を下したのです。

財産を手放す側からすれば、「支払う税金ぐらい夫婦で折半にしてほしい」と考えるのは自然です。

でも、(繰り返しになりますが)税金は財産を手放す側が全額払うというのが日本の考え方です。

たとえ納得しなくても、国税庁から支払えといわれて無視できる権力はないはずです。

では、譲渡所得税はどうやって計算するのでしょうか?

譲渡所得税の計算方法(2-E-c)

実は、譲渡所得税には以下の3つの税金が含まれます。

  • 所得税
  • 復興特別所得税
  • 住民税

上記3つの税金をそれぞれ計算し、その合算が譲渡所得税になります。

なお、土地や建物等の所有期間が短いか長いかによって計算式も異なります。

譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は、長期譲渡取得といいます。

一方で譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡取得といいます。

長期譲渡取得の場合、譲渡所得税は以下の計算式の合算になります。

  • 所得税=課税長期譲渡所得金額×15%
  • 復興特別所得税=所得税×2.1%
  • 住民税=課税長期譲渡所得金額×5%

一方で、短期譲渡取得の場合、譲渡所得税は以下の計算式の合算になります。

  • 所得税=課税長期譲渡所得金額×30%
  • 復興特別所得税=所得税×2.1%
  • 住民税=課税長期譲渡所得金額×9%

つまり、譲渡する資産の保有期間が5年未満であれば、所得税と住民税が高くなる可能性があります。

ここで、譲渡所得税を計算する上でカギとなるのが「課税譲渡所得金額」です。

課税譲渡所得金額は、以下の計算式で計算できます。

  • 課税譲渡所得金額 = 譲渡価額 – 取得費 – 譲渡費用 – 特別控除

譲渡価額とは、財産分与時の評価額です。

なお、財産分与の評価額を調べる方法は以下の記事を参照して下さい。

無料で、効率よく、なるべく高く不動産を見積もってもらう方法をお伝えしています。

取得費には、資産を購入した時の価格(購入価格)、購入手数料、改良費なども含まれます。

譲渡費用には、不動産仲介手数料、測量費、立退き料などが含まれます。

特別控除とは、一定の条件を満たした人に対する控除です。控除額が大きければ大きいほど、課税譲渡取得金額が抑えられますので、節税効果が高まります。特別控除については、後ほど詳しく説明します。

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財産分与の節税対策(3)

財産分与の節税対策を2つ紹介します。

  1. 現金による財産分与
  2. 控除の制度を上手く活用

現金による財産分与(3-A)

現金で財産分与をすれば、譲渡所得税は発生しません。

しかし、必ずしも不動産等の資産を全て現金化することが可能ではありません。

諸事情により、売却できない場合には夫婦で共有、もしくはどちらか一方が所有することになります。

その場合には、控除の制度を上手く活用することが現実的な選択肢です。

しかし、控除を受けるためには一定の条件をクリアする必要があります。

どのような控除制度があり、どのような条件をクリアすべきか解説します。

控除の制度を上手く活用(3-B)

財産分与時に、財産を受け渡す側が活用すべき控除を3つ紹介します。

  1. 配偶者控除
  2. 特別控除
  3. 長期譲渡所得税についての軽減税率の特例
配偶者控除(3-B-a)

10年目のダイヤモンドより、20年目の不動産」という言葉を聞いたことはありませんか?

20年以上の婚姻期間があれば配偶者控除の対象になるかもしれません。

配偶者控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 居住用不動産を譲渡
  • 20年以上婚姻関係を継続

上記条件を満たせば、基礎控除110万円に加えて最高2,000万円分の税金が控除されます。

つまり、2,110万円の税金が控除されるのです。

この制度を利用するためには、「離婚成立前」に所有権を移転する必要があります。

しかし、結婚後20年以上の婚姻関係継続があっても物事は簡単に進みません。

なぜならば、住宅ローンが完済していなければ金融機関は不動産名義の変更を許さないからです。

金融機関に名義変更を許可してもらうためには、ローン完済するしかありません。(もしくは、専門家による粘り強い交渉)

金融機関の許可なく不動産名義を変更すれば、住宅ローンの一括返済を求められても文句はいえないローン契約になっている可能性が高いです。

そのため配偶者控除は、実質的には住宅ローン完済後の夫婦が対象です。

なお、財産分与は離婚後2年以内であれば、請求する権利があります。

離婚を優先して、財産分与を離婚後にする人も少なくありません。

では、離婚後の財産分与では控除を受けられないのでしょうか?

実は、離婚後でも財産分与の控除を受けられる制度がありますので紹介します。

特別控除(3-B-b)

特別控除は、租税特別措置法35条で定められています。

以下の条件を満たす場合には、時価3,000万円までの譲渡益が非課税になります。

  • 居住用不動産を譲渡
  • 譲渡する相手が親族でない

つまり、不動産の所有登記をするのは「離婚後」でなければなりません。

また、特別控除を受けるためには、確定申告で住民票やその他書類の提出が必要です。

もしも、特別控除の内容を無視して確定申告すれば特別控除が受けられなくなります。

個人事業主やサラリーマンの副業で年間20万円以上の所得がある方は、確定申告の内容に注意してください。

さらに、離婚してから不動産の所有登記をするまでに時間が空いてしまったら注意が必要です。

なぜ、離婚直後に不動産所有登記ができないのでしょうか?

それは、先ほど説明したとおり住宅ローン完済までに時間が必要になることがあるからです。

例えば、離婚時点では配偶者に名義変更できないけれども、離婚後数年経過すれば名義変更できるという場合があるのです。

そして、離婚後数年経過してから所有登記する場合には、税務署から確認の連絡があるかもしれません。

不動産を譲渡するならば贈与税を支払え」という具合です。

この場合、不動産の譲渡が財産分与の一環であることを、税務署に理解してもらう必要があります。

そのためには、離婚協議書を公正証書にしたり、調停調書に記録を残しておく必要があります。

長期譲渡所得税についての軽減税率の特例(3-B-c)

長期譲渡取得税は、平成25年~平成49年の特例です。

所有期間が10年以上であることが大前提ですが、特例を受ければ通常よりもずっと安い税率で済みます。

詳しい情報は、国税庁のホームページを参照ください。

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まとめ

財産分与で税金が発生するなんて寝耳に水だという方も多いと思います。

財産を受け取る側も、受け渡す側も想定外の税金で苦しめられないようにしましょう。

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