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財産分与で退職金はどう分ける?将来発生するの退職金の計算方法とは?

財産分与で退職金はどう分ける?将来発生するの退職金の計算方法とは?

退職金に関する財産分与の議論はトラブルになりやすいです。

なぜならば、「退職していない」時点で話し合うことが珍しくないからです。

本記事では、財産分与における退職金の取り扱いについて紹介します!


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退職金は財産分与の対象になるのか?

【目次】

  1. 既に支払われた退職金
  2. 将来支払われる退職金
  3. 退職金に関する判例

財産分与

既に支払われた退職金(1)

既に支払われた退職金は、財産分与の対象です。

興味の対象は、財産分与の対象となる退職金の計算方法だと思います。

財産分与対象退職金額の一般的な計算式を紹介しておきます↓↓

  • 支給退職金額 × 同居期間 ÷ 勤務期間

例えば、夫が新卒(22歳)から定年(60歳)まで勤め上げたとします。

もし、入社前に結婚していれば退職金の全額が財産分与の対象です。

一方で夫が入社してから結婚した場合、全額が財産分与の対象にはなりません。

夫が32歳の時に結婚した場合、22歳から32歳までの退職金は全額夫のものです。

つまり、財産分与の対象となるのは33歳~60歳までの28年間分の退職金です。

以上の考えを計算式に反映すると以下のようになります↓↓

  • 支給退職金額 × 28年間 ÷ 39年間

以上が、既に支払われた対象金の財産分与に関する考え方です。

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将来支払われる退職金(2)

次に、将来支払われる退職金について解説していきます。

  1. 将来の退職金は財産分与の対象?
  2. 退職金を財産分与するタイミング
  3. 将来支払われる退職金の計算方法

将来の退職金は財産分与の対象?(2-1)

将来支払われる退職金について明確なルールはありません。

過去の判例などを調査すると以下のような考え方に落ち着きます。

  • 蓋然(がいぜん)性が高い場合のみ財産分与の対象とする

では、どのような場合であれば「蓋然性」が高いと判断されるのでしょうか?

実は、蓋然性の高い、低いを判断する明確なルールもないようです。

蓋然性の高い、低いを判断する基準を強いて挙げるとすれば以下のようになります。

  • 退職金規程の有無・内容
  • 勤務年数
  • 定年退職までの期間
  • 勤務会社の規模

いずれにせよ、明確なルールがない以上、争いの火種になる可能性は高いです。

では、退職金を支払うとして手元にない退職金をいつ支払うのでしょうか?

退職金を財産分与するタイミング(2-2)

退職金を財産分与するタイミングには2つの考え方があります↓↓

  • 離婚するタイミング
  • 将来の退職金支給時

どちらを選ぶかは、財産の保有状況によって大きく異なります。

もし、離婚する時点で財産分与分の退職金を支払えれば離婚時の清算もアリです。

しかし、退職金は大金になることも多く、離婚時に全てを賄うのは非現実的です。

そのため、将来退職金が支給された時に財産分与をするのが一般的です。

では、将来の退職金をどのように評価するのが一般的なのでしょうか?

将来支払われる退職金の計算方法(2-3)

将来支払われる退職金の計算方法は2つあります↓↓

  • 離婚時に退職したと仮定して計算する方法
  • 将来の退職金見込額を基準とする方法

実務上は、離婚時に退職したと仮定して計算する方法が一般的です。

なぜならば、将来発生する退職金の金額はあくまで「見込額」だからです。

転職も珍しいことではありません。

一流企業と思われていた企業が、いつの間にか上場廃止、身売りをする時代です。

さらに、退職金の規定が突然変更される可能性だって十分あります。

不確かな将来を前提にするより、現在の状態を前提に話を進めるのが合理的なのです。

そのため、将来の退職金見込額を基準とするのは「もうすぐ退職する」場合のみです。

また、勤め先が公務員や、倒産しずらい大企業でのみ適用するのが現実的でしょう。

では、「もうすぐ」というのはどの程度の期間なのでしょうか?

ここからは、参考になる判例を紹介してきたいと思います。

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退職金に関する判例(3)

退職金に関する判例を2つ紹介します。

  1. 7年後に定年退職すると見込まれた判例
  2. 将来の見込額を基準とした判例

7年後に定年退職すると見込まれた判例(3-1)

平成10年3月13日の東京高裁での判例を簡単紹介します。

※ 東京高決平成10年3月13日 家月50巻11号81頁

東京高裁は、裁判の約7年後に定年退職予定の夫の退職金を妻に支払うように命じました。

支払うタイミングは、夫が退職し、退職金が支給されるタイミングです。

将来の見込額を基準とした判例(3-2)

平成11年9月3日の東京地裁判決での判例を簡単に紹介します。

※ 東京地判平成11年9月3日 判タ1014号239頁

東京地裁は、6年後の退職金見込額を財産分与の対象にするように命じました。

婚姻期間相当分を財産分与の対象とし、その1/2の支払いを命じたのです。

支払うタイミングは、離婚時点です。

但し、退職金見込額の額面をそのまま財産分与の対象にしたわけではありません。

なぜならば、将来の1万円の価値と現在の1万円の価値は一緒ではないからです。

皆さんご存知のように、お金は金利によって増えていくのが一般的です。

そのため、将来の退職金を現在の価値に引き直した金額で財産分与を命じたのです。

但し、上記判例は長期金利が2%程度あった平成11年だからこその判例ともいえます。

長期金利がゼロ以下の状態では、金利を考慮する意味はほとんどないでしょう。

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まとめ

財産分与における退職金の考え方について解説しました。

もしかすると、少しわかりにくい箇所もあったかもしれません。

いずれにせよ、明確なルールがないことはご理解いただけたと思います。

明確なルールがない以上は、「交渉力」が全てです。

財産分与だけではなく、離婚協議全体の戦略のなかで退職金を捉えるのがベターです。

そして、あなたに有利な戦略を構築するためには、基本的な知識の理解は必須です。

財産分与において、大事なことは全て以下の記事にまとめています。

是非とも参考にしてください↓↓

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