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財産分与における借金の全て!判例もわかりやすく解説!

財産分与における借金の全て!判例もわかりやすく解説!

我が家は借金超過。。。借金はどうやって財産分与するの?

資産がプラスの夫婦は今の時代、珍しいのかもしれません。

特に、住宅ローンを完済していない場合は要注意です。

本記事では、財産分与における借金への考え方にをわかりやすく解説します!


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財産分与で借金はどうすればいい?

【目次】

  1. 借金に対する基本的な考え方
  2. 控除する債務と控除しない債務
  3. オーバーローンの不動産はどうする?

財産分与

借金に対する基本的な考え方(1)

まずは、借金に対する基本的な考え方を紹介します↓↓

借金超過の場合は財産分与をしません

例えば、離婚時に500万円の夫婦共有財産があったとします。

当然、夫婦で250万円ずつ折半するのが財産分与の原則です。

但し、仮に1,000万円の借金(ローン)を抱えていたとします。

つまり、共有財産は資産(500万円)から負債(1,000万円)を差し引いた-500万円です。

さて、-500万円の借金は夫婦で分割するのでしょうか?

実は、夫婦で-250万円ずつの借金を抱えるという考え方は誤りです。

借金超過の場合、財産分与の請求権は認められません

つまり、借金(債務)の名義人が離婚後も債務を負うことになるのです。

債務者の立場からすれば、理不尽に感じるかもしれません。

しかし、債務超過の部分は考慮しないというのが裁判実務では一般的なようです。

参考として、元裁判官である秋武憲一先生の見解を紹介しておきます↓↓

清算的財産分与は、財産分与の対象となる不動産や預貯金等の積極財産がある場合には、請求できますが、積極財産がなく、双方が婚姻生活を営むために負った債務しかない場合には、清算すべき対象財産がないとして請求できないとされています。次に積極財産と債務の両方がある場合には、積極財産の評価額から債務を控除して、プラスとなれば積極財産があるとして財産分与請求権を認めています。しかし、プラスとならないときは、積極財産がないとして財産分与請求権を認めていません。
【引用:秋武憲一『新版 離婚調停』】

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控除する債務と控除しない債務(2)

+の資産から-の資産を差し引いて、+の財産が残った場合を考えます。

+部分の財産は、財産分与の対象になるのでしょうか?

結論からいえば、+部分の財産は財産分与の対象になります。

しかし、全ての負債が控除されるべきとは限らないので要注意です。

そもそも、財産分与の対象となるのは夫婦共有の財産です。

マイナスの資産にも同様の考え方を当てはめることができます。

つまり、夫婦共有の負債のみを控除すべき負債としてカウントします。

具体的には、以下の2つは控除すべき負債としてカウントします↓↓

  1. 離婚後の資産形成で生じた債務
  2. 生活費・教育費

離婚後の資産形成で生じる債務の代表例は、住宅ローンです。

マイホームは、家族全員の生活基盤ですから納得できると思います。

また、生活費・教育費に関する借金であれば控除の対象となります。

例えば、生活費の不足を補うための借金は夫婦で共有すべきものでしょう。

逆に、同じ借金でも控除の対象にならないものがあります。

例えば、ギャンブルや遊興費(娯楽、宴会)を目的とした借金は控除の対象外です。

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オーバーローンの不動産はどうする?(3)

夫婦の共有財産がマイナスになる最大の原因は「不動産」です。

不動産価格は、購入した瞬間から大きく下落するのが一般的です。

その一方で、長期の住宅ローンであれば、元本はなかなか減りません。

そのため「不動産価格-住宅ローン」がプラスになるのは完済間近まで待つ必要があるのです。

ちなみに、「不動産価格-住宅ローン残債」がマイナスの状態をオーバーローンといいます。

※ 不動産の実勢価格を調べる方法は以下の記事にまとめています↓↓

では、オーバーローンの場合、不動産はどうやって処分するのが一般的でしょうか?

不動産を物理的な意味で夫婦で分けることは現実的ではありません。

あなたは「不動産売却益を夫婦で半分に分ければいい」と思うかもしれません。

しかし、オーバーローンの不動産は抵当権の問題により売却するのが極めて困難です。

そのため、不動産以外の財産でマイナス部分を補うことのが第一候補となります。

問題が発生しやすいのは、他の財産でマイナス部分を補えない場合です。

但しその場合でも、オーバーローンの不動産に債務者がそのまま住む選択肢があります。

夫婦でトラブルになるのは債務者と居住人が異なる場合です。

住宅ローンの場合、夫が単独で債務者になっていることが多いです。

共働き夫婦の場合であっても、夫が債務の大部分を負っていることが多いでしょう。

その一方で、離婚協議において、妻や子供は家に住むことを強く主張することが多いです。

以上の結果、夫が住宅ローンを支払う一方で、実際の居住者は妻・子という状況が生まれます。

夫の本音は、「ローンを支払っているのだから最終的には俺のもの」でしょう。

一方で、妻の本音は「夫にローンを支払わせておいて、家には自分が住みたい」でしょう。

その結果「家をでろ!」、「出て行かない!」と、元夫婦同士のいさかいに発展するのです。

以上のような場合、夫と妻どちらの主張が認められるでしょうか?

結論からいえば、妻に立ち退きを求める判決が下される可能性が高いと思います。

しかし、妻が不動産の一部を所有している場合、立ち退きを認められるとは限りません。

その代わり、妻に対して使用料(家賃)を支払うような判決が下る可能性はあります。

また、扶養的財産分与として夫を貸主、妻を借主とする判決が下ることもあります。

最後に、平成24年の東京地裁での判例を一つだけ紹介します。

※ 東京地判平成24年12月27日 判時2179号78頁

今回紹介する判例は、離婚及び財産分与を命じる判決が確定した後に争われた事例です。

離婚裁判において、特定の不動産を財産分与の対象にしなかった事がアダになりました。

夫は、財産分与の計算から外された夫名義の不動産を占有する妻に引渡しを求めました。

裁判所は、夫の明け渡し請求を退けました

その理由は、不動産を取得した費用の3分の1が妻の特有財産から支払われていたからです。

しかし裁判所は妻に対して持分を超えて占有する部分について、損害金の支払いを命じました

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まとめ

財産分与における借金の取り扱いは少し複雑だったでしょうか?

以上のように、財産分与を理解するためには少しの労力が必要です。

財産分与の基本をキチンとおさえておきたい方は、以下の記事をご覧ください。

財産分与で知っておきたい知識をまとめています↓↓

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