離婚準備なう。

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死後離婚!?配偶者の死後に親族と縁を切ることは簡単だった!

死後離婚!?配偶者の死後に親族と縁を切ることは簡単だった!

長年の結婚生活を経て、離婚することもなく配偶者と添い遂げたとします。

配偶者の親族との関係はどうなるでしょうか?

近年では配偶者の死後、配偶者の親族と縁を切る所謂「死後離婚」が増加しているそうです。

本記事では、「死後離婚」について解説していきます。

なお本記事は「配偶者の死後の生活設計を考えている方(妻・夫)」を対象にしています。

但し「自分の死後、配偶者に両親の世話をお願いしたい方」、「同居する息子や娘の夫・嫁に世話をしてもらいたい舅・姑」にも参考になると思います。


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死後離婚とは一体なんなのか?

死後離婚を以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 死後離婚とは?
  2. 死後離婚の手続き
  3. 死後離婚と相続の関係
  4. 死後離婚と遺族年金の関係
  5. 死後離婚と名字の関係
  6. 死後離婚のメリット
  7. 死後離婚のデメリット

財産分与 不動産

死後離婚とは?(1)

配偶者が配偶者の両親よりも、早く天国に旅立ったとします。

あなたが配偶者の両親と同居しておらず、配偶者に兄弟がいれば、配偶者の両親の世話をする必要性はないと思います。

しかし、配偶者の両親と同居している場合、配偶者の両親(以下、舅・姑)の世話を押しつけられることがあります。

配偶者には他に兄弟がいるにも関わらず、配偶者の兄弟や親族から「お父さんとお母さんをお願いね」と半ば世話をすることを強制されるかもしれません。

しかし、近年では「なぜ自分が舅や舅の世話をしなければいけないのか!」と憤る方がとても多いです。

特に、夫に先立たれた女性は、夫の両親と同居していることも多いため、配偶者の世話を実質的に押しつけられることになります。

そもそも、配偶者の両親をあなたが世話をする義務はあるのでしょうか?

まずは、民法の規定を調べてみます。

民法877条では、生活のために経済的な援助を必要としている人を扶養する義務を負うのは、原則として直系血族および兄弟姉妹と規定されています。

しかし、特別の事情があるときは3親等内の親族が扶養義務を負うと規定されています。

まず、養子縁組でもしていない限りは、あなたと配偶者の両親は直系血族でも兄弟姉妹でもありません。

そのため、基本的には舅や姑を扶養する義務はないはずです。

しかし、注意すべきは「特別な事情がある場合には扶養義務を負う」という民法の記載です。

特別な事情とは、配偶者に兄弟姉妹がいない場合も含まれます。

つまり、配偶者に兄弟姉妹がいない場合には、姑・舅はあなたから見て1親等の姻族ですからあなたは扶養義務を負うことになります。

また、民法730条の規定も見過ごせません。

民法730条では、同居の親族は扶助義務(お互いに助け合う義務)があると規定されています。

「配偶者には兄弟もいないし、舅・姑の扶助義務からは逃れられないのか?」と絶望する人もいるかもしれません。

しかし、舅・姑の扶助義務から逃れる術は一つだけ残っています。

それは、「姻族関係終了届」を提出し、配偶者の親族と婚族関係を終了する方法です。

つまり、婚族関係そのものがなくなれば、民法の規定に縛られる必要はなくなるのです。

なお婚族関係終了届を提出することを、巷では「死後離婚」といいます。

ここからは、死後離婚の手続きについて説明していきます。

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死後離婚の手続き(2)

死後離婚の手続きは、とても簡単です。

市町村役場の担当窓口に「婚姻関係終了届」を提出すれば手続きは完了です。

手続きに必要な情報を整理しておきます。

届出先
  • 本籍地または、住所地の市区町村
届出人
  • 故人の配偶者本人
必要書類
  • 婚族関係終了届
  • 配偶者の死亡証明(戸籍謄本、除籍謄本等)
  • 印鑑
  • その他自治体が指定した書類(要確認!)

なお、役所の担当窓口は市区町村によってバラバラです。

「戸籍課」、「市民課」、「区民生活課」などで取り扱っています。

手続きをする場合には、念のため総合窓口に電話をし、担当窓口を特定し、持ち物を確認してからお出かけください。

なお「婚姻関係終了届」の提出には、舅や姑の同意は必要ありません。

届出本人の希望があれば、提出することが可能です。

但し、手続きには注意するべき点があります。

それは市役所の人間ですら「存在を知っている人が少ない」という点です。

婚姻関係終了届を出すために、担当窓口をたらい回しにされる人も多数報告されています。

婚族関係終了届?そんな手続きありませんよ」といわれても決してめげてはいけません。

どうしても話が伝わらない場合には、「戸籍法第96条で定められた手続きです。もう一度きちんと調べてください。」と食い下がってください。

なお、戸籍法第96条には「民法第728条第2項の規定によつて姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。」と規定されています。

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死後離婚と相続の関係(3)

死後離婚すると、相続の権利がなくなるのではと不安になる方がいます。

安心してください。死後離婚しても相続の権利まで亡くなることはありません

基本的に配偶者が死亡した時点で、配偶者には相続権が発生しています。

そして配偶者の遺産を相続してもらった後に、婚族関係終了届を提出しても「遺産を返せ!」ということにはなりません。

また、あなたと故人との間に子供がいる場合は、舅・姑の遺産を孫が相続することは可能です。

ちなみに、父親が亡くなった後に孫が、祖父・祖母(あなたの立場では舅・姑)から遺産を相続する制度を「代襲相続」といいます。

そもそも、婚族関係終了届を提出してもしなくても、あなたに舅・姑から遺産を相続する権利はありません。

つまり、あなたからすれば、遺産を相続させてくれない人達の世話をする必要はないというわけです。

終活ブームのおかげで、お世話になった息子や娘の配偶者に遺産を残すために、遺言書を残す気配りが出来る人も存在します。

あなたの舅・姑は、あなたに遺産相続を残す遺言書を書いてくれているでしょうか?

お金だけが、舅・姑の世話をする判断基準というのは少し世知辛いですが、一つの判断基準にはなるでしょう。

ちなみに、将来子供に舅・姑に財産を相続させるつもりなのであれば一つアドバイスがあります。

財産を今のうちに見積もっておいて下さい!

嫌らしい話になりますが、婚族関係終了後に財産を調べるのは至難の技です。

婚族であるうちに無理しない範囲で財産を見積もることをお勧めします。

特に、相続することで一番大きな金額になるのが「不動産」です。

不動産の実勢価格(市場価格)は、インターネットで無料で調査することが可能です。

不動産価格を効率よく無料で調べる方法は、以下の記事をご覧ください。

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死後離婚と遺族年金の関係(4)

相続というお金の話をしたので、続けてお金の話をします。

遺族年金を受け取っている人は、死後離婚により遺族年金を受給する権利が失効しないか不安を抱くかもしれません。

でも、安心してください。

死後離婚しても遺族年金はそのまま受け取ることができます。

厚生年金保険法63条では、遺族年金の失権事由が以下のように規定されています。

「婚族関係終了」は失権事由には該当しません。

  1. 死亡したとき
  2. 婚姻したとき
  3. 直系血族または直系姻族以外の者の養子になったとき
  4. 離縁によって死亡した被保険者との親族関係が終了したとき
  5. 30歳未満で遺族厚生年金のみ受給している妻(子がいない妻)が受給権発生から5年を経過したとき

引用:厚生年金保険法63条

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死後離婚と名字の関係(5)

死後離婚しても、戸籍はそのままですし、姓もそのままです。

もしも、婚姻時の姓を変更したければ「復氏届」を市区町村に提出してください。

復氏届を提出することで、新しい戸籍に入るか元の戸籍に戻ることになります。

子供がいなければ、あなたが自由に姓を名乗れば良いですが、もしも子供がいれば子供の状況をみて判断しましょう。

仮に子供が結婚して姓を変えていれば、あなたの姓を変えても問題ないかもしれません。

せいぜい、孫がいれば「おばあちゃん(もしくはおじいちゃん)の姓はなぜお母さんの旧姓と違うの?」とツッコまれるぐらいでしょう。

一方で、あなたの子供が幼ければ、姓を変えると子供の友達から注目される可能性はあります。

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死後離婚のメリット(6)

これまで死後離婚のメリットを説明してきました。

そろそろ、死後離婚のメリットを整理しておきます。

死後離婚のメリットは、以下の2つです。

  1. 死亡した配偶者親族と縁を切れる(扶養義務の解消含)
  2. 配偶者の墓に入らずに済む

それぞれのメリットについては、これまでの説明で散々説明してきたので改めて説明することはしません。

しかし、死後離婚にはメリットばかりではありません。

死後離婚には、当然デメリットもありますからしっかり把握しておくべきです。

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死後離婚のデメリット(7)

死後離婚のデメリットは、5つです。

  1. 自分のお墓を作る必要がある
  2. 別居をする必要がある
  3. 舅・姑から激しく罵られる
  4. 舅・姑の年金を当てにできない
  5. 遺産相続を諦める

「1 自分のお墓を作る必要がある」以外のデメリットについて簡単に補足しておきます。

別居をする必要がある(7-2)

舅・姑の保有している家に同居させてもらっている場合には、別居する覚悟が必要です。

婚族関係終了届を提出すれば、あなたと舅・姑は赤の他人です。

あなたから婚族関係の終了を通告しておいて、一緒に住ませてもらうというのは通用しないでしょう。

逆に、あなたの所有する物件であれば、舅や姑が自発的に家を出てくれることが期待できます。

「赤の他人」という事実を目の当たりにして、それでもあなたの世話になろうとする人は少ないと思います。

舅・姑から激しく罵られる(7-3)

舅・姑から激しく罵られるのは覚悟してください。

どんなにあなたを虐めている舅・姑でも不思議なことにあなたに面倒を見てもらえると信じていることがあります。

舅・姑は「婚族関係終了届」の存在など知らない可能性が圧倒的に高いです。

舅・姑の許可なく進められる手続きである一方で、あなたから一方的に断絶を通告するわけですから、「人でなし!」ぐらいは言われることを覚悟しましょう。

舅・姑の年金を当てにできない(7-4)

同居している舅・姑が年金の一部を家計に入れてくれている場合は、死後離婚により舅・姑からの援助は期待できなくなるでしょう。

逆に言えば、舅・姑が受給している年金を家計に入れずにわが物顔で生活している場合には、天誅を下すのも選択肢の一つです。

遺産相続を諦める(7-5)

既に説明したとおり、舅・姑の遺産はあなたに相続する権利はありません。

但し、遺言書であなたの相続について言及されている場合には、あなたに相続する権利が発生します。

しかし、婚族関係終了届を提出した人に遺産を残す人は恐らくいないと思います。

もしも、婚族関係終了届を提出するのであれば相続は諦める必要があるでしょう。

そのため、多額の遺産相続が保証されていることがわかっている場合であれば、婚族関係を継続するのも一つの選択肢です。

なお、遺言書に遺産相続について言及していない場合であっても、あなたと配偶者との間に生まれた子供には相続権が発生します。

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まとめ

配偶者が健在であっても、死後離婚という選択肢があることは頭の片隅においておきましょう。

そして、もしあなたを虐める姑に悩んでいれば「死後離婚って知っていますか~」と切り込むのも良いでしょう。

人は誰でも自分が弱った時に頼るものがないとわかれば不安になるものです。

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