離婚準備なう。

5635

本当に簡単!離婚前提の別居の生活費相場を10秒で算出する方法

本当に簡単!離婚前提の別居の生活費相場を10秒で算出する方法

別居時に発生する生活費を婚姻費用(こんいんひよう)といいます。

婚姻費用は略して「婚費」(こんぴ)と呼ばれることもあります。

婚姻費用の金額は、支払う側、受け取る側のどちらの立場であれ死活問題です。

そこで本記事では、婚姻費用の相場を10秒で算出する方法をお伝えします。

top2300_250%ef%bc%89

目次

婚姻費用で知っておきたい知識

以下のテーマに沿って婚姻費用について説明していきます。

  1. 婚姻費用の基本ルール
  2. 婚姻費用取り決めの大前提
  3. 婚姻費用の金額10秒で計算
  4. 婚姻費用算定表の欠点
  5. 婚姻費用の減額
  6. 婚姻費用を諦めざるを得ないケース
  7. 婚姻費用の金額を合意したらすべきこと
  8. 婚姻費用が支払われない場合の対処方法
  9. 姻費用の詳しい解説

財産分与 不動産

婚姻費用の基本ルール(1)

まずは、婚姻費用の基本的なルールから説明していきます。

  1. 婚姻費用とは?
  2. 支払い開始
  3. 支払い終了
  4. 婚姻費用の用途

婚姻費用とは?(1-1)

婚姻費用(こんいんひよう)とは別居期間中の生活費のことです。

収入が多い方から、少ない方に支払うのが一般的なルールです。

婚姻費用が発生する根拠は、民法760条の規定に見つけることができます。

夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
【民法760条】

支払い開始(1-2)

婚姻費用は請求した時点から請求することが可能です。

一方で、過去に請求しなかった婚姻費用をさかのぼって請求することは難しいです。

そのため、婚姻費用はなるべく早く請求することをお勧めします。

なお最高裁判所の判例には、未払い分の婚姻費用の支払いを認めるものがあります。

離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたつては、当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。
【引用:裁判所HP 民集 第32巻8号1529頁】

判決では、本来支払われるはずの婚姻費用を財産分与に含めて請求することを認めています。

但し、上記の事例はあくまで「裁判の判決」であることに注意して下さい。

離婚協議の場で未払い分の婚姻費用を請求しても拒否される可能性が高いです。

支払い終了時点(1-3)

婚姻費用は夫婦であれば支払いが発生します。

別居中、離婚裁判中でも婚姻費用は発生します。

離婚するか、夫婦が再び同居するまで婚姻費用の支払いは続くのです。

そうはいっても、様々な疑問が浮かぶと思います↓↓

  • 離婚訴訟中でも支払う義務があるのか?
  • 相手が勝手に家を飛び出したのに支払うべきか?
  • 相手が不貞行為に及んだ末の別居でも支払うべきか?

詳しい解説に興味がある方は、以下の記事をご覧下さい↓↓

婚姻費用の用途(1-4)

婚姻費用は、幅広い用途で利用することが認められています。

  • 日常の生活費
  • 子供の養育費
  • 交際費・娯楽費
  • 医療費

目次に戻る↑↑

婚姻費用取り決めの大前提(2)

婚姻費用は夫婦の合意を元に自由に決めるのが原則です。

世間一般の相場を考えることには意味がありません。

なぜならば婚姻費用は夫婦が同程度の生活水準を送ることを求めるものだからです。

裕福な家庭とそうでない家庭では、婚姻費用の額も異なるのは当然です。

また、婚姻費用には子供の養育費も含まれていることを思い出してください。

子供に質の高い教育を受けさせる場合には、その分だけ婚姻費用はかさむのです。

但し、婚姻費用の金額をめぐって夫婦で衝突するのも珍しいことではありません。

仮に夫婦間で婚姻費用の金額に合意できない場合はどうすればよいでしょうか?

目次に戻る↑↑

婚姻費用の金額(3)

婚姻費用の目安を計算する便利な方法を紹介していきます。

  1. 婚姻費用算定表
  2. 婚姻費用の相場(参考)
  3. 婚姻費用の自動計算10秒で計算
  4. 婚姻費用の算定で用いる年収とは?

婚姻費用算定表(3-1)

婚姻費用は生活の維持に直結するお金です。

家庭裁判所は、素早く婚姻費用の金額を算定する必要があります。

そのため「婚姻費用算定表」という便利な物差しを採用しています。

婚姻費用算定表では、以下の4つの元に婚姻費用を算定します。

  • 子供の有無・年齢・人数
  • 受け取る側の年収(権利者)
  • 支払う側の年収(義務者)
  • 給与所得者か?自営業者か?

婚姻費用の相場(参考)(3-2)

婚姻費用算定表の活用方法は後ほど詳しく紹介します。

まずは、大まかな目安を把握してください。

以下の表は「0~14歳の子供1人の家庭、専業主婦(年収0)」の条件を元に婚姻費用を計算したものです。

サラリーマン 自営業者 婚姻費用額
325~ 236~ 6~8万円
425~ 308~ 8~10万円
525~ 382~ 10~12万円
650~ 477~ 12~14万円
775~ 559~ 14~16万円
900~ 641~ 16~18万円
1,025~
1,100
728~
781
18~20万円

婚姻費用は、決して安くはない金額だと実感できると思います。

婚姻費用の自動計算(3-3)

婚姻費用の金額算定には、婚姻費用算定表を用いるのが一般的です。

しかし、現在では必要情報を入力するだけで自動計算するシステムが無料公開されています。

別サイトに移動しますが、非常に便利なので是非とも参考にしてください。

なお、婚姻費用算定に必要な「年収」は下記の注意点事項を確認して入力してください。

婚姻費用の算定で用いる年収とは?(3-4)

婚姻費用の算定で用いる年収について補足しておきます。

  1. サラリーマンの年収
  2. 自営業者の年収
  3. 専業主婦の年収
サラリーマンの年収(3-4-1)

「年収」の値を入力する際に、月給手取り×12の金額を概算で入力するのは正しくありません。

年収には、税金を引かれる前の金額を入力しましょう。

手元に源泉徴収票があれば「支払い金額」が年収に相当します。(以下画像の赤枠部分)

年収とは

なお、源泉徴収票が手に入らない方は、こちらの計算機を利用してください。

手取り額からおおよその月額給与を算出することができます。

自営業者の場合(3-4-2)

自営業者の場合は、確定申告書の「課税される所得金額」が年収に相当します。

しかし、「課税される所得金額」を婚姻費用算定表で用いるのは誤りです。

自営業者の年収(婚姻費用を算定する上での)の計算方法は以下の記事で説明します↓↓

専業主婦の年収(3-4-3)

専業主婦の年収はいくらでしょうか?

働いてなければ年収はゼロとなるのが一般的です。

但し、婚姻費用の計算においてはゼロと試算することはしません。

働けない特別な事情がない限り、ある程度の年収を仮定します。

仮置きする年収は厚生労働省の賃金センサスなどを参考にします。

なお厚生労働省の賃金センサスのどの数値を参考するかで年収は大きく異なります。

パート・アルバイトの賃金を参考にすれば年収は低くなります。

その一方で、正社員・非正規社員であれば年収はそれなりに高くなります。

例えば、正社員であれば308万円、正社員でなくても215万円程度です。

賃金センサスの仮置きデータを用いたくなければ実際に働くのも対策の一つです。

賃金センサスについては厚生労働省の公式ページをご参照ください。

目次に戻る↑↑

婚姻費用算定表の欠点(4)

婚姻費用算定表はとても便利ですが万能ではありません。

婚姻費用算定表の3つの欠点を紹介しておきます。

  1. 月々の収入格差が考慮されていない
  2. 支出が考慮されていない
  3. 資産は考慮されない

月々の収入格差が考慮されていない(4-1)

婚姻費用算定表は、年収ベースで婚姻費用を算出するツールです。

注意すべきなのは、年収に占めるボーナスの割合が大きい場合です。

素直に算定表に従っても、月々の支払いが難しくなるのは明らかです。

ボーナス月と、それ以外の月で婚姻費用の金額を調整する必要があります。

支出が考慮されていない(4-2)

婚姻費用算定表では支出が考慮されていません。

例えば「住宅ローン」の支払いを考慮しないで婚姻費用を算定するのは非現実的です。

「婚姻費用支払ったら住宅ローンが支払えない!」となる可能性があるのです。

資産は考慮されない(4-3)

婚姻費用算定表では資産が考慮されていません。

資産家であっても収入がなければ婚姻費用を支払う義務はないのでしょうか?

実は2003年3月までは、夫婦の収支に加えて資産を考慮した算定が行われていました。

しかし、夫婦の収支や資産の実態を1件1件精査するのは大変です。

一方で、婚姻費用額の算定に時間がかかると生活が成り立たなくなります。

そのため現在では、手続きの迅速化のために婚姻費用算定表で金額を算出します。

但し、もしも裁判で戦うのであれば弁護士と相談してみる価値はあります。

目次に戻る↑↑

婚姻費用の減額(5)

婚姻費用は必ずしも全額請求できるものではありません。

別居の原因によっては婚姻費用が減額される可能性があります。

婚姻費用の減額が認められるのは請求側に落ち度がある場合です。

例えば婚姻費用を請求する妻が浮気し、身勝手に別居を開始するケースが該当します。

妻は夫婦間の義務である「貞操義務」、「夫婦同居義務」を一方的に破っています。

その一方で妻は、婚姻費用を請求することで「扶養義務」主張しています。

義務を守っていないのに、権利を主張するのは理不尽です。

民法では、妻の身勝手な主張は認められません。

なぜならば民法の基本原則第一条では、以下の規定があるからです。

  • 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。(民法第1条2項)
  • 権利の濫用は、これを許さない。(民法第1条3項)

つまり貞操義務、夫婦同居義務に違反しながら婚姻費用を請求することは「権力の濫用」だと判断されるのです。

目次に戻る↑↑

婚姻費用を諦めざるを得ないケース(6)

婚姻費用を請求することはできてもお金を受け取れないケースもあります。

  1. 配偶者にお金がない
  2. 強制執行できない
  3. 請求相手の行方が分からない

配偶者にお金がない(6-1)

支払う側の収入が限りなく少なくなれば婚姻費用を受け取れません。

例えば別居中に配偶者が失職して無職になれば収入は減るでしょう。

休職期間中で失業手当でなんとか食いつないでる」と主張されたら厳しいです。

状況によっては請求する側と受給する側が逆転する可能性もあります。

なお裁判所は「借金してまで婚姻費用を支払え!」と要求することはありません。

強制執行できない(6-2)

請求相手が支払いを拒否しても、相手がサラリーマンなら給与を強制執行できます。

しかし、請求相手の勤め先がわからなければ強制執行しようがありません。

支払いから逃れるために転職したり、独立する人も存在します。

また、銀行口座の銀行名・支店名がわからなければ強制執行できません。

裁判所には差し押さえる権限はありますが、捜査する権限はないのです。

請求相手の行方が分からない(6-3)

婚姻費用を請求する場合、支払う側と連絡が付くことが大前提です。

生死がわからない状態では、請求を諦めるしかありません。

まずは、人探しから始める必要があります。

目次に戻る↑↑

婚姻費用の金額を合意したらすべきこと(7)

婚姻費用の合意内容は、公正証書にまとめるのが望ましいです。

なぜならば、公正証書があれば裁判を経ずとも強制執行できるからです。

逆に、婚姻費用を支払う気がなければ公正証書の作成にはリスクがあります。

公正証書は全国の公正役場にて、「公証人」に依頼して作成してもらえます。

詳しくは以下の記事にまとめています。

目次に戻る↑↑

婚姻費用が支払われない時の対策(8)

婚姻費用の分担は法律上の義務ですが支払いが滞ることも珍しくありません。

婚姻費用が支払われない場合の対策を整理しておきます。

  1. 婚姻費用分担請求の調停
  2. 履行勧告
  3. 履行命令
  4. 強制執行

婚姻費用分担請求の調停(8-1)

婚姻費用の支払いを拒否された場合、婚姻費用分担請求の調停を申し立てましょう。

婚姻費用分担請求の調停は、家庭裁判所に申し立てる手続きのことです。

調停では、第三者(調停員)を介した話し合いが期待できます。

なお、離婚調停中であれば婚姻費用分担請求の調停を別途申し立てる必要はありません。

なぜならば、離婚調停の場で婚姻費用について話し合うのが一般的だからです。

家庭裁判所の利用に関しては以下の記事を参考にしてください。

履行勧告(8-2)

調停で一度決定した婚姻費用支払いの約束を破られた時の対策をお伝えします。

その場合には、調停や審判を行った家庭裁判所に履行勧告の申出をしましょう。

履行勧告については、家事事件手続法で以下のように定められています。

前各項の規定は、調停又は調停に代わる審判において定められた義務(高等裁判所において定められたものを含む。次条第三項において同じ。)の履行及び調停前の処分として命じられた事項の履行について準用する。
【引用:家事事件手続法289条1項、同7項】

裁判所から「履行勧告」の書類が届けば、プレッシャーがかかります。

但し、履行勧告に期待しすぎることはできません。

なぜならば、履行勧告に法的拘束力はないからです。

あくまで、相手方の自発的な支払いを期待するしかありません。

もし、履行勧告で効果がなければ「履行命令の申出」を行いましょう。

履行命令(8-3)

履行命令の申出により、期限を定めて支払いを命じることができます。

家事事件手続法には、以下の規定があります。

義務を定める第三十九条の規定による審判をした家庭裁判所は、その審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合において、相当と認めるときは、権利者の申立てにより、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務の履行をすべきことを命ずる審判をすることができる。この場合において、その命令は、その命令をする時までに義務者が履行を怠った義務の全部又は一部についてするものとする。
引用:家事事件手続法290条1項

また、命令に違反した場合には、10万円以下の過料(罰金のようなもの)を下すことができます。

第一項(第三項において準用する場合を含む。)の規定により義務の履行を命じられた者が正当な理由なくその命令に従わないときは、家庭裁判所は、十万円以下の過料に処する。
引用:家事事件手続法290条5項

履行命令は、履行勧告よりも10万円分の過料があるだけ、強いプレッシャーをかけることができます。

しかし、婚姻費用の支払い額と比較すれば、10万円の過料では相手方に与えるプレッシャーは十分とはいえません。

履行勧告、履行命令でも婚姻費用が支払われない場合は、「強制執行」を申立てることになります。

強制執行(8-4)

婚姻費用の強制執行の場合、以下のいずれかの書類が必要です。

  • 審判書
  • 調停調書
  • 公正証書(執行文付与の手続が必要)

強制執行する方法は様々ありますが、勤務先の給与を差し押さえるのが一般的です。

なお、通常の強制執行の場合は給与の4分の1までしか差押えできません。

その一方で、婚姻費用では給与の2分の1まで差押えができます。

目次に戻る↑↑

婚姻費用の詳しい解説(9)

婚姻費用について更に理解を深められるテーマを用意しました。

ご自身に関係がありそうな記事があれば参考にしてください。

  1. 婚姻費用分担義務の法的根拠は?
  2. 婚姻費用に含まれている以上の学費を請求できる?
  3. 住宅ローンの負担で婚姻費用は軽減される?
  4. 婚姻費用が支払えない場合の対策
  5. 婚姻費用の変更は認められる?

婚姻費用分担義務の法的根拠は?(9-1)

法律面で更に詳しく婚姻費用支払いの義務を知りたければ以下の記事をご覧下さい↓↓

婚姻費用に含まれている以上の学費を請求できる?(9-2)

婚姻費用には、学費も含まれています。

しかし、私立学校に通学している場合、婚姻費用に物足りなさを感じると思います。

以下の記事では、私立学校に通う子供の学費を婚姻費用に上乗せできる条件を紹介しています。

また、上乗せする金額の具体的な計算方法も詳しく解説しています↓↓

住宅ローンの負担で婚姻費用は軽減される?(9-3)

住宅ローンを負担していると婚姻費用の負担が重くなります。

実は、住宅ローンを負担していると婚姻費用の負担が軽減する場合があります。

詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧下さい↓↓

婚姻費用が支払えない場合の対策(9-4)

婚姻費用が支払えないと不安に感じる人もいます。

婚姻費用の妥当な金額を配偶者とすり合わせする方法を紹介します↓↓

婚姻費用の変更は認められる?(9-5)

婚姻費用の変更が認められる条件とはなんでしょうか?

婚姻費用が払えなくて困った段階でやるべきことをまとめています↓↓

目次に戻る↑↑

まとめ

別居する前に必ず知っておくべき婚姻費用の金額は算出できましたか?

「離婚準備なう。」では離婚準備に必要な情報を無料で後悔しています。

是非とも参考にしてください。

特に、離婚に関するお金の話は以下の記事が参考になると思います。

離婚後の生活費の見積もり方を解説しています↓↓

Return Top