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離婚したら子供に面会できないのか?~面会交流権の全て

離婚したら子供に面会できないのか?~面会交流権の全て

離婚したら子供の親権は母親が持ち、父親は子供に会えない。

片親のどちらかが子供に会えない原因は、単独親権にあります。

日本では、離婚する夫婦のどちらかは必ず親権を手放さなければいけないのです。

この状況は改善する必要があると長年指摘されていました。

そのような事情もあり、親権を手放す側が子供と交流する権利「面会交流権」が民法で明確に定められました。

そこで今回は、面会交流権についてわかりやすく解説していきます。


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面会交流権で知っておくべきこと

面会交流権について知っておくべきことを以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 面会交流権とは?
  2. 面会交流権が認められない理由
  3. 面会交流権を正当な理由なく拒絶した場合
  4. 面会交流権で決めておくべきこと
  5. 面会交流権を守らせる方法
  6. 面会交流時の注意点
  7. 面会交流権が認められない時の対策

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面会交流権とは?(A)

面会交流権とは、離婚によって離ればなれ暮らすことになった子供に別居する親が面会して交流する権利のことです。

2011年(平成23年)の民法等の一部改正にて、民法766条第一項にて面会交流権が以下のように規定されています。

父母が協議の上離婚するときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
【民法766条第1項】

上記の規定について、法務省の公式見解を確認したい方は法務省が交付しているリーフレットをご覧ください。
法律に関わることは、迷ったら公式情報を参照するのが正解です。

上記の規定により、協議離婚する場合には、子供の面会のことを話し合って離婚するべきという考えが民法に反映されたのです。
(上記、赤字の部分)

ただし、見落としてはならないのは、面会交流の部分だけではありません。

実は改正された部分は、面会交流の部分だけではないのです。

子の監護に要する費用の分担」(上記、黒字太字部分)という部分にも注目する必要があります。

この部分は、平たく言えば養育費の分担について言及しています。

つまり、面会交流は養育費とワンセットの議論だということです。

子供の将来にとって一番望ましいのは、離婚後も父母の両方と交流を持ち、養育費をキチンと支払ってもらうことです。

従来では、母親が親権をもち父親が養育費を払わない代わりに、母親も父親に子供に会わせないということも多いのが実情でした。

実際に、シングルマザーの7割が父親から養育費の援助を受けていません。

母親からすれば子育ての全てを押し付けてお金も払わないのに、子供に会わせろという父親の主張は受け入れ難いものでしょう。

以上のように、両親が離婚後もいがみ合う状況で一番不幸を被るのは、間違いなく子どもです。

民法766条第一項の最後は、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とありますから、その点を強く意識した離婚協議が望まれます。

ただし、どんな場合でも面会交流が認められるわけではありません。

子供の利益になると判断されるから面会交流は認められるのであって、子供の利益にならない親との面会交流は認められません。

面会交流が認められない具体的なケースを次に説明します。

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面会交流権が認められないケース(B)

子供との面会交流が制限されるのは、子供の利益と福祉に反するケースです。

具体的には、以下のようなケースが当てはまります。

  • 子供へのDV
  • アルコール依存
  • 性格破綻
  • ギャンブル依存
  • 経済力があるのに養育費を負担しない
  • 子供が面会交流を望まない場合
  • その他、子供に悪影響があると判断される場合

以上のうち、下から2番目に挙げた「子供が面会交流を望まない場合」というのは厄介な問題に発展するリスクがあります。

なぜならば、もう片方の親に合わせたくない親が「会いたくないって主張しなさい!」と子供に強要することが考えられるからです。

これから一緒に住む側の親に嫌われたくない一心で子供が嘘をつくことも十分考えられます。

最近では、そのような嘘を防ぐために親がいない状況で家庭裁判所の調停員が子供から話を聞くこともあります。

「なぜ会いたくないの?」、「なんで嫌いになったの?」、「本当にそうなの?」という矢継ぎ早の調停員からの質問に対して、子供が嘘をつき続けるストレスは非常に大きいです。

どちらの親にも嫌われたくないのに、なぜ自分は嘘をついてまで両親と会えない状況に追い込まれるのだろうかと心に深い傷がつく可能性があります。

素直にまっすぐ育てたいのであれば嘘を強要するのはやめるべきです。

なお、子供に嘘をつかせるまでいかなくても、どちらかの親が面会交流権を制限する場合があります。

ここからは、面会交流権を正当な理由なく拒絶することができるか解説していきます。

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面会交流権を正当な理由なく拒絶した場合(C)

ここからは、説明しやすくするため、離婚により親権を手放した父親の事例を考えていきます。

面会交流権が民法で規定された現在においても、面会交流権を非常に狭い範囲に限定するケースが多く見られます。

例えば、週に1回以上直接会って交流したいのに、3ヶ月に1回しか面会交流を認められない父親のケースもあります。

このような状況になる背景には、養育費を受け取る母親にとっては、面会交流は面倒だという事情があります。

なぜならば、子供を元旦那に交流させるということは、自分が元旦那と顔を合わせなければならないからです。

離婚後になぜ元旦那と顔を合わせるのか?養育費だけ振り込んでくれればいいのに。

そのように考える母親にとっては、養育費はなるべく多く、面会交流権の機会はなるべく少なくというのが理想です。

一方で父親の側の立場で考えれば、養育費はなるべく少なく、面会交流権の機会は多くというのが理想です。

以上のように、夫婦のそれぞれが、子供の幸せではなく自分たちの理想を追い求めた時点で子供の不幸は始まります。

子供にとっては、養育費も面会交流権も多いのが理想なはずです。

是非とも、子供にとっての幸せはなにかという視点で面会交流を考えることを忘れないでください。

ただし、どうしても面会交流権の回数と、養育費の兼ね合いは、夫婦の交渉で決まってしまう点があることは否めません。

過去には、年に100回程度の面会交流を求める父親に対して、母親側は月1回に2時間程度、母親の監視付きでないと子供に会わせないと譲らないケースがありました。

このケースでは、既に子供と母親が6年間同居していることもあり、父親の勝訴は絶望かと思われていました。

しかし、2016年3月29日に千葉家裁松戸支部は、父親に親権を認める判決を下しました。

以上のように、大幅に面会交流権を制限すると親権を失うこともあるのです。

さて、これまでは面会交流権という言葉を何度も登場させていますが、具体的な取り決め内容には触れていませんでした。

ここからは、面会交流権で決めておくべきことを解説していきます。

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面会交流権で決めておくべきこと(D)

面会交流権の内容は、離婚前にしっかりと決めておくべきです。

  • 電話やメールでのやり取り
  • 学校行事への参加
  • 長期休暇の過ごし方
  • 引渡しの方法、交通費の負担
  • 子供と会う回数(月に○回など)
  • 子供と会う時間帯(○時間、○時~○時)

一般的には、面会交流が認められた親子は月に1回程度の頻度で面会する約束が交わされるようです。

但し、あまり細かく決めるとそれに縛られてしまいますので、元夫婦の信頼関係に頼る部分も大きいと思います。

この記事を読んでいる方の中には、離婚後の夫婦の信頼関係ほど当てにならないものはないと確信されている方もいると思います。

そんな方は、面会交流権の決め事を公文書に残しておくことをお勧めします。

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面会交流権を守らせる方法(E)

面会交流権を遵守させたければ、合意内容を法的拘束力のある書類にしておきましょう。

協議離婚の場合は、諸々の離婚条件を離婚協議書にして、それを公正証書にしておきましょう。

公正証書の作り方は、以下の記事に詳しく説明しています。

なお、上記の記事を見ていただくとわかると思いますが、公正証書の作成する手数料よりも家庭裁判所の調停手続きを利用する方が費用が安いです。

家庭裁判所に足を運ぶ手間と、ある程度の時間は必要ですが、夫婦間での協議が難航するのであれば、早いタイミングで家庭裁判所での調停を利用するのも一つの方法です。

そして、調停の段階で子供に合わせない場合の過料(制裁金)について取り決めておくのが無難です。

離婚調停や円満調停に興味がある方は、以下の記事をご覧下さい。

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面会交流時の注意点(F)

面会交流時には、別居している親、同居している親のそれぞれに注意すべき点があります。

  1. 別居している親が注意すべきこと
  2. 同居している親が注意すべきこと

別居している親が注意すべきこと(F-1)

別居している親の側が特に注意すべきことは、以下の2点です。

  • 過度なサービス
  • 子供を振り回さない

大好きな子供に会えて楽しいのはわかりますが、モノで釣ったりすれば同居している親にいい顔をされません。

また、自分の思い込みや価値観を押し付けるのも気をつけましょう。

同居している親が注意すべきこと(F-2)

同居している親が注意すべきこともあります。

  • 気持ちよく送り出してやること
  • 面会の時の様子を執拗に質問しない
  • 子供に嘘をつかせない

まずは、気持ちよく送り出してやりましょう。

同居している親が不機嫌な顔をしていれば、子供は面会交流自体を避ける可能性があるからです。

また、面会の時の様子を執拗に質問したり、面会交流時になんらかの嘘をつかせるのはやめましょう。

父と母の間で板挟みになる子供の気持ちは、かなり複雑なはずです。

なお、面会交流をする側、送り出す側の双方において、相手の悪口や愚痴をいうのは禁止です。

また、嘘や隠し事も厳禁です。子供はいつかその嘘や隠し事に気づいて傷つくからです。

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面会交流権が守られない時の対策(G)

最後に、面会交流権が守られない時の対策について説明します。

もしも、別居側の親が、面会交流権を不当に制限されているならば家庭裁判所に面会交流の申し立てを行いましょう。

仮に、申し立てが認められれば、家庭裁判所から子供に合わせるように命令があります。

そして、その命令に従わない場合は制裁金の支払いが発生します。

しかし、それが家庭裁判所の限界でもあります。

つまり、従わないなら制裁金を支払わせるという間接的な形でしか人の行為を制限できないのです。

これでは、多少の制裁金を払ってでも子供には絶対に会わせないと割り切る親も出没することは容易に想像できます。

もしも、このような状態になってしまうと、夫婦間の感情的な対立は相当深いものになってしまいます。

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まとめ

面会交流権は、養育費とセットで議論すべき事柄です。

いずにせよ、子供にとって何が幸せかを考えた上で判断を下す、大人の対応が望まれます。

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