離婚準備なう。

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離婚を弁護士に相談したら離婚は成功するのか?

離婚を弁護士に相談したら離婚は成功するのか?

離婚準備中の方であれば「弁護士に相談したほうがいいか?」と1回くらい考えると思います。

インターネットで情報収集すれば、沢山の親切な弁護士事務所が見つかると思います。

「まずはお気軽に相談を!」のメッセージに惹かれるのは一度や二度ではないでしょう。

弁護士に相談すれば1時間で1万円程度の相談料がかかるのが一般的です。

また、正式に依頼すれば40万円程度の費用を請求されることも珍しくありません。

弁護士との付き合いは絶対に失敗できない」というのが本音のはずです。

しかし現実には弁護士との付き合い方を間違えてしまう方も多く存在します。

そこで本記事は、上手な弁護士との付き合い方を解説します。

以下の悩みをお持ちの方は是非とも参考にしてください。

離婚で弁護士は本当に必要なのか?

本記事は以下のテーマに沿って順に解説していきます。

  1. 離婚の9割は「話し合い」で決着
  2. 弁護士の役割とは?
  3. 弁護士に期待してはいけないこと
  4. 弁護士に依頼すべきケース
  5. 弁護士の守備範囲
  6. 弁護士よりも頼るべき人とは?

離婚の9割は「話し合い」で決着(1)

まずは、離婚がどのようにして決着するか把握しておきましょう。

離婚には大きく分けて3つの決着の仕方があります。(カッコ内は離婚全体に占める割合)

  • 協議離婚(90%)
  • 調停離婚(10%)
  • 裁判離婚(1%)

協議離婚とは、夫婦合意のもとで離婚届を役所に提出して離婚する方法です。離婚夫婦全体の90%が夫婦で話し合いの末に離婚しています。

調停離婚とは、家庭裁判所で「調停員」といわれる第三者を介して話し合った末に離婚する方法です。調停員という第三者を介して話し合うため、感情的になって話し合いが進まない事態を避けることができます。離婚夫婦全体の10%が調停を経て離婚しています。

裁判離婚とは、夫婦が徹底的に争った末に裁判所から下される「判決」で離婚する方法です。ちなみに、日本では調停を経ずに離婚裁判を申し立てることは不可能です。裁判の前には必ず調停をする必要があります。(調停前置主義といいます)

3つの決着のうち裁判離婚以外は「話し合い」であることに注目してください。

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弁護士の役割とは?(2)

さて、離婚問題において弁護士は何をしてくれるのでしょうか?

一般的に弁護士は、法律を武器に依頼者を守るのが仕事です。

例えば、配偶者が以下の行為に及び、それを証明できれば裁判で離婚を求めることができます。

  • 浮気・不倫
  • 暴力・モラハラ
  • 養ってくれない
  • 失踪して音信不通
  • 夫婦関係の破綻

夫婦関係の破綻とは、同居する親族との不和、性の不一致、性格の不一致などが挙げられます。

しかし、離婚が認められるには裁判官に「離婚を認めるのが妥当」だと判断してもらう必要があるため、ちょっとやそっとの事情では離婚が認められることはありません。

また、実際に浮気や暴力被害に遭っていても、それを証明することができなければ離婚が認められないことも覚えておきましょう。

ここで、離婚する夫婦の大多数が「話し合い(協議)」で離婚を成立させることを思い出してください。

法律の力が及ばないところでは、弁護士の実力は十分に発揮することはできません。

つまり「弁護士に離婚を相談すればなんとかしてくれる」という考えは幻想でしかないのです。

ここからは、弁護士の依頼者が勘違いしやすい事柄を紹介していきます。

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弁護士に期待してはいけないこと(3)

離婚問題を弁護士に相談する依頼者のよくある勘違いを箇条書きにします。

  • 弁護士に相談すれば解決する
  • 弁護士であれば誰でも交渉が得意
  • 迅速に対応してくれる
  • 依頼者の利益だけを考えてくれる

弁護士に相談すれば解決する(3-1)

弁護士に相談すれば解決するというのは幻想です。

なぜならば弁護士から「離婚してください」と通告されても、配偶者が応じる筋合いは一切ないからです。

確かに法的な裏付けと証拠があれば弁護士からの通告に効力があるのは事実です。

しかし、法的な裏付けがなければ「まずは証拠を集めましょう」、「まずは別居しましょう」、「まずは離婚後の生活設計を考えましょう」、「様子を見ましょう」としかアドバイスすることができません。

そもそも、法的な裏付けと証拠があれば弁護士に依頼するまでもなく離婚を成立させる見込みがあります。なぜならば、配偶者の立場からすれば敗訴することがわかっている負け戦に挑むことは、合理的な選択肢ではないからです。

仮に配偶者が弁護士に相談しても「悪いことはいわないから傷口が広がらないうちに離婚に応じたほうがいい」などとアドバイスされるでしょう。もしくは、やんわりと弁護を断られる可能性が高いです。なぜならば、敗戦処理(いい方は悪いですが)の案件は弁護士のモチベーションにつながらないからです。「財産分与を渋っていた配偶者から5,000万円の財産分与と慰謝料100万円を勝ち取りました」という結果であれば、成果の一部を成果報酬として受け取ることが可能ですが、敗戦処理では成果報酬を見込むのが難しいのです。

弁護士であれば誰でも交渉が得意(3-2)

弁護士であれば交渉が得意というのは間違いです。

弁護士が得意なのは法廷での「戦い」であって交渉ではありません。弁護士だからといって依頼者の要望に沿って配偶者を説得することが有利になるわけではないからです。

逆に、弁護士の登場により交渉が難航することも予想されます。なぜならば、配偶者の立場では突然現れる弁護士に抵抗感をもつのは自然なことだからです。

例えば「配偶者が悪徳弁護士に洗脳されて離婚を決めたに違いない!」と思い込み、頑なに弁護士との協議を拒むケースもあります。実際には依頼者自身が「離婚したい」という要望をハッキリを持っているにも関わらずです。

迅速な解決が望める(3-3)

弁護士への依頼により迅速な解決が望めることを期待してはいけません。なぜならば、一般的に交渉は時間がかかるものだからです。こちらが交渉をしたくても、配偶者が交渉を拒否することも考えられます。

逆に、配偶者の頭を冷やさせるために交渉のペースをあえて遅くすることも考えられます。交渉をもちかけたり、交渉のペースを落としたりも駆け引きをする上では重要な作戦です。

弁護士に交渉を任せると、今どんな意図でどんな交渉をしているのか把握することが難しくなり焦りが募ることもあるでしょう。

また、弁護士も利益を追及していますから直ぐに解決しなさそうな案件は後回しにされることを覚悟する必要があります。なぜならば、いくら弁護士の時給が高くとも身は一つです。そのため、稼ごうと思ったら効率よく案件を解決するのが合理的な解決策になるからです。

依頼者の利益だけを考えてくれる(3-4)

依頼者の利益だけを考えるのが弁護士の仕事だと思い込んではいけません。

配偶者に隠しておきたい財産を弁護士に伝えてしまったばかりに、調停などの場で配偶者にその事実が漏れてしまって後悔した人もいます。

また、依頼者は離婚したくないのに「あなたも過去は忘れて新しい生活に馴染んだ方がいい」と望んでもいないアドバイスをする人もいます。

逆に、離婚したいのに「そんな理由では離婚は認められませんよ」と諭してくる人もいます。性格の不一致で離婚したいのに「性格が一致することの方が難しいです。独りよがりな考えでは離婚できない」と持論を展開する弁護士もいます。

以上、弁護士に依頼すれば迅速・確実に離婚できるわけではないことをお伝えしました。

但し、弁護士に依頼するのが得策なケースもあるので解説しておきたいと思います。

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弁護士に依頼すべきケース(4)

弁護士に依頼するのが得策な場合を箇条書きにしておきます。

  1. 配偶者に非があるのに離婚を認めない
  2. 未成年の子供が連れ去られた
  3. 裁判で決着をつけざるを得ない
  4. 交渉の窓口を弁護士に1本化したい

配偶者に非があるのに離婚を認めない(4-1)

民法770条では、以下の事情があれば離婚が認められると規定されています。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 回復の見込みのない重度の精神病
  5. 婚姻を継続しがたい重大な事由

ちなみに、婚姻を継続しがたい重大な事由とは「DV」、「モラハラ」、「過度な宗教活動」、「浪費」、「多額の借金」などが挙げられます。

以上に挙げた事情を証明する客観的な証拠も掴んでいるにも関わらず、頑なにその事実を認めず離婚を拒否し続けるならば協議を諦めるしか道はありません。

離婚調停、裁判で争うことで離婚を勝ち取るのが現実的な選択肢です。

未成年の子供が連れ去られた(4-2)

親権は、未成年の子供と一緒に暮らしている側が勝ち取る可能性が高くなります。

なぜならば、「現状の生活を壊さない」という点が親権決定において重視されるからです。

そのため子供の親権を望む場合には、子供が連れ去られて指を加えていてはいけません。

弁護士に1日も早く相談し、法的な手段を含めて対策を検討しなければいけません。

裁判で決着をつけざるを得ない(4-3)

こちらから裁判を仕掛ける場合であっても、裁判を仕掛けられる場合であっても弁護士へ依頼は必須です。とにかく、裁判で争う場合には弁護士への依頼が必須であると覚えておきましょう。

なお、裁判で敗訴するのが確実だからといって、弁護士を依頼するのをためらってはいけません。弁護士を雇わないということは、ボクシングで守備を固めず殴られ続けることを意味します。

交渉の窓口を弁護士に1本化したい(4-4)

離婚を成立させるために別居を開始したのに、配偶者からの執拗な連絡に悩まされている場合には弁護士に依頼するのが合理的です。なぜならば、弁護士から配偶者に対して「全ての交渉は弁護士が担う」ことを通告することが可能だからです。

さて、これまでの説明で弁護士への過度な期待は禁物であることと、弁護士に依頼すべきケースについてお伝えしました。

お伝えする情報量が多くなってしまったので、このあたりで離婚問題における弁護士の守備範囲を見える化しておきたいと思います。

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弁護士の守備範囲(5)

離婚弁護士 対応領域

上図は離婚交渉において弁護士の助けが必要な領域を示しています。

離婚する夫婦の大多数が協議離婚(全体の90%)であることを考えれば、離婚を成功させる秘訣は「交渉力」にあるといっても過言ではないと思います。(上図①の領域)

一方で、弁護士の助けが必要なのは法廷で争う場合です。(オレンジ色部分)また、条件の細かい離婚協議書を作成する場合には弁護士の助けを借りると良いです。離婚協議書の契約条項に抜け漏れがないかアドバイスをもらいましょう。さらに、離婚後に約束が守られない場合には弁護士に相談するのが望ましいです。

なお、調停や裁判で決着がつく場合には調停調書や判決書類などの公的書類が家庭裁判所から発行されます。そのため、別途夫婦間で契約書を作成する必要はありません。(上図②の領域)

なお、離婚調停において弁護士の同席が勝利の秘訣だと囁かれていたこともありました。しかし、弁護士の同席があれば話し合いが有利になる保証はありません。むしろ調停に不慣れな弁護士であれば、調停員にいわれるがままコチラに不利な情報を渡し、交渉の足を引っ張ることもあります。

繰り返しになりますが、離婚調停は「話し合いの場」です。話し合いに納得いかなければ素直に従う必要はありません。

そのため、良心的な弁護士事務所であれば弁護士の同席を推奨していないことも珍しくありません。なぜならば、弁護士が調停に出席すれば有利に交渉が進む保証がないのに、経済的負担を強いることは依頼者の利益にならないと判断するからです。必ずしも「全て任せてください!」と主張する弁護士が良心的な弁護士事務所ではないので要注意です。

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弁護士よりも頼るべき人とは?(6)

「やっぱり心配だから弁護士に依頼したい」という考えを否定はしません。経済的に余裕があり、時間的な余裕がないのであれば弁護士に離婚協議の全てを一任する選択肢もアリだと思います。

但し、弁護士に交渉を依頼する前に夫婦で離婚について根気よく話し合うことは挑戦する価値がある作業です。なぜならば、夫婦で話し合った方が結果的に離婚を早く成立させる可能性があるからです。弁護士を雇うのは、夫婦で話し合うことが難しいと判断してからでも遅くはありません。

また、弁護士に依頼する場合であっても、時間的な余裕が少しでもあるならば最低限の知識を身に着けておくことをおススメします。なぜならば、離婚問題についての基本的な知識が欠けていると弁護士との会話に苦労するからです。基本的な知識の確認を弁護士とやり取りするだけでも、高額な費用が発生することをお忘れなく!

夫婦で離婚協議をする重要性を突き詰めて考えれば、交渉するあなた自身がしっかりとした知識を身に着ける必要があることはいうまでもありません。最終的に一番頼りになるのは自分自身だと思います。

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まとめ

弁護士に全てを頼ることは、離婚を成功に導く最善の方法とは限りません。

まずはあなた自身が、離婚への知識を深めることが離婚を有利に進める最低条件です。

今ではインターネットで情報を集められますから、基本的な知識は簡単に低価格で入手することができます。

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