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離婚で共有名義の不動産を処分する1番賢いベストな方法は?

離婚で共有名義の不動産を処分する1番賢いベストな方法は?

共有名義の不動産を所有する人は少なくありません。

しかし、いざ離婚を検討するとどうすればいいのかわからないと思います。

  • どのような選択肢があるのか?
  • どうするのがベストなのか?
  • 不動産の権利関係を正確に把握する方法は? etc

上記のような疑問が頭に浮かぶと思います。

そこで本記事では、離婚で共有名義の不動産を処分する方法をわかりやすく解説します。

離婚で共有名義の不動産を処分する方法

共有名義の不動産を処分する方法を以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 必ず理解すべき3つのポイント
  2. 共有名義の不動産を処分する方法
  3. どの選択肢が一番オススメか?
  4. 共有名義の落とし穴とは?
  5. 不動産の現状確認を自力でする方法

必ず理解すべき3つのポイント(1)

不動産関係の知識に詳しくない方も多いと思います。

そのため、まずは不動産関連の基本的な知識を3つおさらいします。

  1. 共有名義とは?
  2. 離婚と不動産契約は無関係
  3. 不動産名義は勝手に変更できない

共有名義とは?(1-1)

不動産の名義といえば、国(法務局)に申請している不動産の所有者を指すのが一般的です。

その一方で、金融機関と住宅ローン契約を結んでいる場合には「住宅ローンの契約者(債務者)」という概念があります。

不動産の名義人」と「住宅ローンの契約者(債務者)」の2つは似ていますが、それぞれ異なる概念です。必ずしも不動産の名義人と住宅ローンの契約者が同一人物ではありませんので注意する必要があります。

例えば、2,000万円の不動産を購入する際に、妻が婚姻前の貯金から500万円の頭金を捻出し、残りの1,500万円は夫が住宅ローンを組んだとします。

この場合、妻は25%(500万円)、夫が75%(1,500万円)の割合で費用を負担しています。そのため、不動産の名義としては、妻25%、夫75%の持分として国に届け出るのが一般的です。

しかし、住宅ローンの負担割合は妻25%、夫75%ではありません。住宅ローンは夫が単独で契約しているため、夫が100%の割合で支払う義務があります。但し、住宅ローン契約時に妻が連帯保証人になっている場合には、夫が住宅ローンを支払えなくなったら妻に支払い義務が100%発生することは覚えておきましょう。

なお、不動産の名義人や住宅ローンの契約者(債務者)を調べる具体的な方法についても後ほど詳しく解説しますので安心してください。まずは、このまま読みすすめてください。

共有名義について解説したあとは、不動産を処分する方法を具体的にお伝えしたいのですが少し待ってください。その前に離婚と不動産契約のよくある勘違いについて説明させてください。

離婚と不動産契約は無関係(1-2)

離婚したら不動産契約が勝手に変更になると勘違いする人がいます。

離婚しても不動産名義が自動的に変更されることはありません。また、離婚しても住宅ローンの契約者が変わることはありません。ましてや連帯保証人や連帯債務者の契約が解消されるわけではありません。

離婚時に、不動産名義や住宅ローン契約を変更したければ、それぞれ別々に手続きする必要があります。不動産名義の変更手続きをする場合は法務局、住宅ローン契約の変更は各金融機関といった具合です。

ここまで説明すると多くの人は、共有名義を解消するために法務局で所有者変更の手続き(移転登記の手続きといいます)をすれば万事解決だと勘違いしてしまうのです。

不動産名義は勝手に変更できない(1-3)

住宅ローンを完済していない場合、不動産の名義変更の手続きするわけにはいきません。

所有者の変更手続き自体を法務局(国)が拒否することはありません。しかし、住宅ローンを借りている金融機関は、勝手に名義変更をして契約者以外の人物が不動産に住むことを許さないのです。

住宅ローンの契約書をよく見ると、「住宅ローンの契約者が居住していること」が住宅ローン契約の条件であることが明記されているのが一般的です。金融機関に口を出して欲しくないと思うのであれば住宅ローンを完済するしか方法はありません。ちなみに、なぜこのような条件を金融機関がもうけているを説明すると記事の趣旨から脱線してしまいます。そのため、いくつかある理由のうち1つだけ紹介します。(興味がなければ読み飛ばしてください。)

購入した不動産に契約ローンの名義人が居住していない場合でも、名義人がホームレスになっていることは考えにくいです。実家に身を寄せている場合も考えられますが、一般的には賃貸住宅を借りていることは容易に想像できます。つまり、住宅ローンと賃貸住宅の両方を支払い続けることは、大きな負担であることは間違いありません。金融機関の立場からすれば、リスクをおかさずに住宅ローンを支払ってもらうことが最適な選択肢なのです。

以上が、共有名義の不動産を処分する際に知っておくべき基本的な知識です。少し脱線しましたが、今の時点で絶対に押さえておくべきポイントは3つだけです。

  • 名義人と住宅ローン契約者は同一人物とは限らない
  • 離婚で自動的に「不動産名義」、「住宅ローン契約」は変更にならない
  • 名義変更は「実質的に」金融機関の許可が必要

さて、前置きが長くなりましたが共有名義の不動産を処分する方法を解説していきます。

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共有名義の不動産を処分する方法(2)

共有名義の不動産を処分する方法を順に紹介していきます。

  1. 法務局で移転登記の手続き
  2. 金融機関への相談
  3. 完済
  4. 現状維持

法務局で移転登記の手続き(2-1)

住宅ローンを完済している場合には、不動産がある地域の法務局で所有権移転登記の手続きをしましょう。手続き自体は難しくなく、夫婦のどちらに名義を寄せるかという夫婦間の話し合いの問題です。

なお、法務局の一覧は法務省の公式ホームページからご確認ください。

さて、ここからは住宅ローンを完済していないという前提で話を進めます。

まずは、家を売却するのではなく、家を残したいという場合の選択肢から説明します。

各金融機関への相談(2-2)

住宅ローン契約を結んでいる各金融機関に、「住宅ローン契約の見直し」、「名義変更」を相談しましょう。相談するというよりも「交渉」という言葉を使うのが適切かもしれません。基本的に金融機関にとってメリットがない取引以外は丁重に断られることを覚悟しなければいけません。

不動産の共有名義を解消する際にポイントになるのは、住宅ローン契約が「単独債務」か「連帯債務」かという点です。

例えば、2,000万円の不動産のうち妻が25%(500万円)、夫が75%(1,500万円)を所有しているとします。そして、離婚後は夫の100%所有を目指すとします。(妻が100%所有する場合でも説明はほとんど同じです。)

仮に、妻が所有している25%分は妻が独身時に貯蓄した財産から捻出し、1,500万円分は夫が単独で住宅ローンを組んでいたとします。この場合は、夫に貸し出された1,500万円に妻の存在は一切関係ありません。そのため、夫と妻で土地とお金のやりとりに問題がなければ、金融機関も納得する可能性があります。但し、妻に設定された連帯保証人の設定は解除してくれない可能性があります。

その一方で、妻が25%、夫が75%を所有しており同時に、住宅ローンが夫婦の連帯債務(25%が妻、75%が夫)の場合は事情が異なります。金融機関には「妻の債務を夫が全て買取りたい」と相談することになります。夫に十分な収入と信用力(勤続年数等)があれば、住宅ローン契約と不動産名義を夫の単独名義にすることを許可してくれる可能性があります。

なお、各金融機関が承諾してくれない場合は「他社の住宅ローンに借り換え」という方法もあります。市場環境によっては金利が契約当初よりも低くなっていることもあるため、住宅ローンの借り換えをすること自体は珍しいことではありません。住宅ローン借り換え時に、夫婦どちらかの単独名義にできないか新しい債権者(金融機関)に交渉してみる価値はあります。

完済(2-3)

これまで長々と説明しなければならなかった最大の理由は、住宅ローンの残債があったことです。金融機関の意向に振り回されたくなければ、住宅ローンを「完済」する選択肢もあります。

ちなみに、住宅ローンの残債よりも不動産の市場価格が大きい場合には、不動産を売却すれば住宅ローンを完済できます。そのため、金融機関に不動産の売却を申し出れば許可してくれる可能性が高いです。

不動産の価格を過大に見積りすぎていたり、過小に見積もっていたのでは完済することが現実的なのかわかりません。いずれにせよ、離婚を真剣に考えているのであれば不動産価格を調べることから逃れることはできません。この記事を読んでいるタイミングで、不動産価格を調べておくことをオススメします。

不動産の市場価格を調査したい方は以下の記事を参照下さい。無料で効率よく不動産価格を調べる方法を紹介しています。

完済すれば金融機関が不動産に設定している抵当権を抹消してくれるので、その先不動産をどう処分しようが所有者の自由です。売却して売却金額を折半するのも良し、どちらか一方が買い取るのも譲り受けるのも自由です。

但し、どんな選択肢を採用するにせよ共有名義人全員の意思が一致している必要があります。共有名義人の片方が「売りたい」、もう片方が「住みたい」では不動産の処分を進めることは一切できません。なぜならば、民法251条で以下のように規定されているからです。

各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
【民法251条】

もしも、十分な貯蓄があったり、住宅ローンの残債が少ないため完済できる状況であれば、住宅ローンを完済した後にどうするのかという点を配偶者とじっくり話し合ってから行動に移す必要があります。完済した後に不動産の処分方法が決まらないぐらいなら、焦って完済しないようが良いかもしれません。

現状維持(2-4)

これまで説明したいずれの選択肢も採用できない場合には「現状維持」が現実的な選択肢です。つまり、不動産の共有名義はそのままで、どちらか一方が住み続けるという選択肢です。

住宅ローンの名義人が住み続けるのが一番問題のない選択肢ですが、名義人でない側が住み続けるケースもあります。但し、住宅ローン契約書に「名義人が居住すること」という条件があれば、契約違反を金融機関に悟られないように注意する必要があります。金融機関が今誰が住んでいるのか細かくチェックすることは稀ですし、住宅ローンを支払い続けていれば問題ないことがほとんどですが契約違反であることには違いありません。最悪の場合、住宅ローンの残債の一括返済を求められる可能性も否定できません。

なお、インターネットで情報を探していると「任意売却」という手法を耳にすることがあるかもしれませんので、任意売却について少しだけ補足しておきまます。

「任意売却」とは住宅ローンを完済してない状態で金融機関に不動産の売却を認めてもらう新技(荒業)です。任意売却は、住宅ローンを支払い続けることが難しくこのままでは「競売」も免れないという場合には絶大な効果を期待できる可能性があります。

本記事をこれまで読んでくださった方であれば、「住宅ローンの残債があるのに、金融機関が売却を認めることが本当にあるのか?」と疑問に思うはずです。実は、特定の条件を満たす場合に限り金融機関は、住宅ローン残債があるにも関わらず、不動産に設定した抵当権を抹消し売却を認めます。なぜならば、金融機関の立場からしても競売は最後の切り札だからです。

競売するのも費用と手間がかかりますし、競売では不動産が安く買い叩かれます。さらに、競売を申し立ててから成立するまでには1年程度の時間がかかることも珍しくなく債権を回収する時間も必要になります。つまり、「安く買い叩かれて少しの債権しか回収できない上に解決まで時間がかかる競売よりは、通常の不動産売買とほぼ同様の条件で売買を成立させて、債権を早く回収したい」と金融機関が判断する可能性があるのです。

但し、任意売却には注意すべき点も沢山あります。例えば、任意売却ても返済しきれなかった住宅ローンの支払い義務は残ります。また、必ずしも金融機関が任意売却に合意してくれるとは限りません。その他、数々の注意点が存在します。ここではこれ以上詳しく説明することはしません。しかし一つだけ覚えておいて欲しいことは、住宅ローン返済の見込みがあるならば、任意売却は無理して採用する選択肢ではないということです。

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どの選択肢が一番おすすめか?(3)

読者が置かれている立場は様々でしょうから、一概にベストな選択肢をお伝えするのは難しいです。

もし離婚後の人生で再婚したり、新たな人生を歩むのであれば「売却」するのがベストです。

なぜならば、売却することで色々なしがらみから逃れることができるからです。離婚してからの新生活ではなにがあるかわかりません。例えば、再婚相手と新しく住宅ローンを組みたいと思うかもしれませんし、離婚により今住んでいる地域に住んでいる意味自体がなくなるということもあるでしょう。

収入や資産に余裕があれば、住宅ローンよりも高い金利で借金してでもローン完済を目指すという選択肢もあります。もちろん、住宅ローンの残債全額を借金するわけではありません。不動産の売却金額の全額を住宅ローンの返済に充てて、それでも残った分の金額分の借金をするのです。

経済的な合理性を追求すれば、住宅ローン金利よりも高い金利で借金するのは間違った選択です。しかし、離婚により人生をリセットし過去のしがらみから開放されたいという想いがあれば選択肢にいれてよいと思います。

社会的な信用力が高ければ数百万円レベルの借金であれば、無担保で金利3~4%前後で借り入れることも不可能ではありません。(もちろん、金融情勢により状況は大きく変動します。)

しかし、離婚夫婦の全てが売却を望むわけではありません。共有名義の不動産の場合、共有名義人の全員の意思が統一されていなければ何もできません。あなたが売却を強く望んでも、それ以上に配偶者が頑なに売却を拒むこともあります。また、売却することに大筋で合意しても売却時期やその他条件で合意できない可能性もあります。

例えば、子供のために生活環境を大きく変えたくないと考える方も多いです。また、売却した後に、新たに住宅ローンを組める年齢でなければ売却に抵抗があるかもしれません。

売却しない場合には、金融機関に対して名義変更などを許可してもらう交渉をします。しかし、必ずしも名義変更などを許可してくれるとは限りません。その場合は、消去法で「現状維持」の選択肢を採用するしかありません。

しかし、実は共有名義の不動産を所有し続けるという「現状維持」の選択肢にはリスクがあります。積極的に現状維持を選んだわけではない場合、他に手立てがないのでどうしようもありませんので、リスクを受け入れるしかありません。

ここからは、共有名義の不動産を所有し続けるリスクについて解説していきます。

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共有名義の落とし穴(4)

共有名義の不動産を所有する際のリスクは3つあります。

  1. 売れない
  2. 相続
  3. 連帯保証人

売れない(4-1)

離婚後に元夫婦が仲良しで居続けることは稀です。

子供がいれば連絡を取り合うこともあるかもしれませんが、疎遠になるケースが多いです。

離婚後数十年が経過してから「この家売ろうかな」と不動産に相談したら「共有名義人がいますね」といわれたら厄介です。

元配偶者の所在地がわからないこともあるでしょうし、お亡くなりになっているかもしれません。

所在地が掴めても不動産の売却に同意してくれない可能性も否定できません。特に、あなたの素行が原因で離婚した場合には「とことん困ればいいのに」と非協力的な態度をとられるかもしれません。元配偶者が所有する分を買い取ろうと交渉を開始しても、相場よりも高い金額をふっかけられるかもしれません。

そして、さらに困った状況になるのは「相続」のタイミングです。

相続(4-2)

夫婦二人だけでも意思を統一するのは難しいのです。相続になれば共有名義人全員の意思を統一するのはさらに難しくなります。

元配偶者がなくなれば、元配偶者の所有する不動産を相続する人は複数人になるかもしれません。

また、あなたが亡くなり不動産を相続した人が、元配偶者の存在を認識しているとは限りません。登記簿謄本の住所は現住所が記載されているとは限りません。というより、元配偶者は家を出ていったのですから、登記簿謄本に記載されている住所が現住所であるわけがありません。

以上のようなケースでは、不動産を売却する場合には元配偶者の消息を辿る作業から始まるのです。そして、ようやく元配偶者の居場所を突き止めたと思ったら既にお亡くなりになっており、複数の相続人がいたがそのうちの1名が失踪中だったり・・なんてこともないわけではありません。

連帯保証人(4-3)

共有名義人になっている場合、共有名義人同士で連帯保証人になっている可能性があるので注意が必要です。

もしもあなたが不動産の1%、住宅ローンの1%しか負担していなくても、連帯保証人であれば残り99%を所有している元配偶者が自己破産すれば、全ての支払い義務があなたに発生します。

離婚して元配偶者と絶縁し、再婚して子供をもうけ幸せな生活を築いていたのにある日突然元配偶者の弁護士から「自己破産するので連帯保証人にはご迷惑をおかけします」と通告される可能性があるのです。

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不動産の現状確認を自力でする方法(5)

不動産の現状を確認する上で避けて通れない作業は3つです。

  1. 不動産の実勢価格調査
  2. 不動産登記簿の取り寄せ・内容確認
  3. 住宅ローン契約書の確認

不動産の実勢価格は、不動産業者によって数百万円の差がでることも珍しくありません。

実は、実勢価格を高く見積もってくれる不動産業者と出会うにはコツがあります。

以下の記事では、無料で効率的に不動産価格を調べる方法を紹介しています。

不動産登記簿を取り寄せても、不動産登記簿のどこを確認すればいいのかわからないと思います。

以下の記事では、不動産登記簿の見方を図解で説明していますので是非とも参考にしてください。

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まとめ

共有名義の不動産を離婚時に処分する方法について解説しました。

共有名義の不動産を処分する場合には、配偶者の意向を無視することはできません。だからこそ、財産分与の中で一番金額が大きい不動産について熟知しておく必要があります。

離婚交渉を有利に、そしてスムーズに進めるコツは優先順位が高いものについて、どこに着地させるか落としどころをつけておくことです。

本記事の内容は、不動産に関連するテーマだったのでかなりの長文になってしまいました。

しかし、離婚協議を有利に進めたければ妥協するわけにはいかないはずです。

離婚で考えるべきことは、不動産だけでなく沢山あります。是非とも本サイトを活用してください。

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