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離婚時のややこしい住宅ローン問題の解決策をわかりやすく解説!

離婚時のややこしい住宅ローン問題の解決策をわかりやすく解説!

離婚準備の中で、マイホーム所有者の誰もが気になるのが住宅ローンと不動産の取扱いです。

さまざまな疑問が頭の中を駆け巡り混乱するだろうと思います。

  • 財産分与の対象になるのか?
  • 離婚時の不動産の取扱い方法は?
  • 名義や所有者は誰になるのか?
  • 不動産の価格の調査方法は? etc

本記事では、離婚準備において解決しておくべき不動産や住宅ローン問題の解決策を詳しく解説します。

不動産関連の手続きやルールは、耳慣れないことも沢山あると思います。

しかし、不動産や住宅ローンから目を背けると、離婚は成功しても離婚後の生活は失敗する可能性が高いです。

離婚後の生活を本当に望むのであれば、離婚前に不動産と住宅ローンの問題に向き合う必要があります。

是非とも本記事を熟読して頂き、失敗しない離婚準備を進めて下さい。

離婚時のややこしい住宅ローン問題の解決策

本記事は以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 所有名義と債務名義
  2. 不動産や住宅ローンは財産分与の対象か?
  3. 金融機関はなぜ偉いのか?
  4. 離婚準備で最初に着手すべきこと
  5. 離婚時の典型的な解決方法
  6. 離婚の不動産トラブルの典型例

財産分与 不動産

所有名義と債務名義(A)

離婚時の住宅ローンについて詳しく説明する前に、「名義」について説明します。

不動産関連の「名義」には2種類あります。

  • 所有名義
  • 債務名義

所有名義とは、法務局に届出をすると登記簿上に記載される「名義」のことです。

つまり、国が把握する法律上の所有者が「所有名義」になります。

一方で、債務名義とは金融機関からの融資を返済する義務がある人のことです。

所有名義と債務名義は同一であるのが一般的ですが、必ずしも一緒ではありません。

例えば、債務名義が夫、所有名義が妻という場合もあります。

所有名義と債務名義は、それぞれ独立した概念であることを確実に認識してください。

つまり、離婚時には所有名義と債務名義の両方について議論する必要があるのです。

なお、所有名義と債務名義はそれぞれ夫婦で共有できることも覚えておいてください。

例えば、所有名義のうち60%の持分は夫、残り40%は妻ということも考えられます。

さらに、債務名義の90%は夫、残り10%は妻という契約も考えられます。

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不動産や住宅ローンは財産分与の対象か?(B)

不動産や住宅ローンは財産分与の対象となります。

但し、夫婦のどちらかが結婚前から所有している不動産は財産分与の対象外です。

また、遺産相続で取得した不動産も財産分与の対象外になります。

不動産・住宅ローンが財産分与する場合、夫婦で原則2分の1ずつ分けるのが一般的です。

しかし、夫婦の同意があれば必ずしも半分ずつでなくても問題ありません。

不動産の権利の全てを、夫婦のどちらか一方に譲る解決策もあります。

さて、もっとも単純に不動産・住宅ローンを半分にする方法は「売却」する方法です。

つまり、不動産の売却で得たお金を住宅ローン返済に充て、売却益を夫婦で折半するのです。

しかし、どんな場合でも不動産を売却できるわけではないことに注意すべきです。

まず大前提として、不動産の所有名義が夫婦共有の場合は、夫婦で売却の意思を固めないと売却できません。

共有財産をどちらか一方の許可なく売買することは、違法行為になります。

また、不動産の所有名義が夫婦どちらかの単独名義であっても、夫婦のどちらかが「不動産を売却するなら離婚はしない」などと主張し、不動産の売却を頑なに拒否すれば、不動産を売却できないこともあります。

さらに、ややこしいことに、夫婦で不動産売却の意思を固めても、売却できない場合があるので要注意です。

なぜならば、住宅ローンを貸し出している金融機関が売却に納得しないことがあるからです。

なぜ金融機関が不動産の売却を許可してくれない可能性があるのでしょうか?

そもそも、なぜ金融機関の主張に耳を傾けなければいけないのでしょうか?

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金融機関はなぜ偉いの?(C)

不動産売却における金融機関との関係を以下のテーマに沿って説明しておきます。

  1. 不動産売却に金融機関の許可が必要な理由
  2. 金融機関が不動産売却を許可しない理由

不動産売却に金融機関の許可が必要な理由(C-1)

不動産登記簿

上図は、不動産の権利関係が記載された不動産登記簿謄本のサンプルを用意したのでご覧下さい。

不動産登記簿謄本は、「権利部(甲区)」と「権利部(乙区)」の上下2段構成です。

上部の「権利部(甲区)」には、権利者の名前が記載されています。

そして、下部の「権利部乙区」には、「抵当権設定」の記載があります。

住宅ローンを完済するまでは、「抵当権設定」は抹消されることなく残り続けます。

抵当権が設定されているため、住宅ローンの支払いが滞れば不動産は売却にかけられます。

金融機関からすれば、抵当権は債務の返済が滞った時に、少しでも債務を圧縮する保険なのです。

なお、抵当権を設定せずに住宅ローンを貸し出す金融機関はないと考えて良いです。

抵当権という一種の保険があるからこそ、金融機関は私たちにお金を貸してくれるのです。

さて、金融機関が「抵当権」を持ち続ける限り、債務者である我々は金融機関に頭が上がりません。

なぜならば、金融機関が抵当権を外さない限り、不動産売却ができないからです。

金融機関の抵当権が設定された不動産を喜んで購入する人は、よっぽどの変わり者でしょう。

金融機関が不動産売却を許可しない理由(C-2)

もちろん、金融機関は住宅ローンを完済してくれれば文句は言いません。

つまり、不動産の売却額が住宅ローンの残債を上回るならば、金融機関は抵当権の抹消を許可してくれます。

このように不動産の売却額が住宅ローンの残債を上回るケースを「アンダーローン」といいます。

一方で、不動産の売却額が住宅ローンの残債を下回るケースでは、金融機関は抵当権の抹消を許可してくれません。

なぜならば、不動産の売却を許せば、金融機関の手元に残るのは「無担保の債務」だけだからです。

ちなみに、不動産の売却額が住宅ローンの残債を下回るケースを「オーバーローン」といいます。

オーバーローンの状態で不動産を売却したければ、不動産の売却額を全て住宅ローンの返済に充てても完済出来ない分の債務を一括で支払うことが条件になります。

しかし、離婚する夫婦の多くは不足分の債務を一括で支払う経済力がありません。

そのため、離婚時に不動産を売却できずに、住宅ローンを支払い続ける道を選ぶことになります。

さらに、金融機関は住宅ローンの契約締結時に「所有名義」の変更を制限する条項を盛り込むのが一般的です。

具体的には、住宅ローン契約書に以下のような記載があると思います。

譲渡(所有権移転)をするにはあらかじめ書面により銀行の承諾を得るものとします

本来であれば、所有名義の変更は、法務局に届けるだけの簡単な手続です。

しかし、上記契約書の記載により、所有名義を勝手に変更することができません。

一般的にオーバーローンの状態では銀行は、所有名義の変更を許可しません。

もしも無断で所有名義を変更した場合には、契約違反とみなされます。

そして、契約違反をすれば、これまで分割で支払ってきた住宅ローンの一括返済を求められるリスクがあります。

これまで説明してきたように、あなたの現状が「オーバーローン」なのか「アンダーローン」なのかは非常に大きな問題なのです。

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離婚準備で最初に着手すべきこと(D)

離婚準備としてまず最初にやっておくべきことは、「オーバーローン」なのか「アンダーローン」なのか判断することです。

そのためにやるべき事は2つです。

  1. 住宅ローン残債を調査
  2. 不動産の実勢価格を調査

住宅ローンの残債を調査するためには、「住宅ローン支払い予定表(明細書)」を参照してください。

該当する書類が見当たらなければ、住宅ローンを借り入れている金融機関全てに問い合わせる必要があります。

さらに、不動産の実勢価格(市場価格)を調査しましょう。

不動産は1物4価といわれるように、評価方法にはいくつか種類があります。

しかし、あくまで調査するのは「実勢価格」であり、一般の買い手が購入する金額です。

なお、一般の買い手が購入する金額であっても数百万円の差がでることは珍しくありません。

どうすれば、少しでも高く不動産を評価してもらえるのでしょうか?

あなたの不動産を少しでも高く評価してもらう秘訣は以下の記事にまとめています。

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離婚時の典型的な解決方法(E)

離婚後 不動産

上図は、離婚前(現状)と離婚後の典型的な解決方法を整理したものです。

「不動産名義」、「債務名義」、「家賃支払い者」、「居住者」の4点について、離婚前後で誰が該当するか整理する必要があります。

現実的には、上記で整理した選択肢以外にも沢山のバリエーションがあります。

例えば、不動産の名義が夫婦共同の場合もありますし、債務名義(住宅ローンの名義)に連帯保証人や連帯債務者が設定されていることもあるでしょう。

しかし、全てのパターンについて詳しく解説するといたずらに問題が複雑になってしまいます。

まずは、もっとも単純なケースのみ説明していきます。

本記事で想定するのは、夫が不動産の単独名義人であり、住宅ローンも夫の名義であり家賃の全てを一人で支払っているケースです。

さて、夫が不動産に関する全てを負担している場合、どのような選択肢があるでしょうか?

まず、アンダーローンの場合には、不動産を売却する選択肢を採用することができます。

不動産を売却するのは寂しいかもしれません。

しかし、不動産関連のトラブルを離婚後に持ち越さないという意味では一番おススメの選択肢です。

一方で、オーバーローンの場合には、居住者だけが「家族」から「妻子」に変更するだけのことも珍しくありません。

なぜならば、オーバーローンでは売却できないだけでなく、所有名義も債務名義の変更も金融機関から許可されない可能性が高いからです。

しかし、離婚後に夫が住宅ローンの支払いを続けながら、妻子を元の不動産に住まわせるのは非常にリスクが高い選択肢であることはしっかりと把握しておきましょう。

どのようなリスクがあるのかは、これから説明していきます。

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離婚の不動産トラブルの典型例(F)

夫が一人で不動産に関連する負担を背負う場合に発生しうる問題の典型例を紹介します。

  1. 金銭トラブル
  2. 競売リスク

金銭トラブル(F-1)

子どもの親権者が妻であり、夫の収入が妻を上回る場合、夫には養育費の支払い義務があります。

つまり、夫は「住宅ローン」、「養育費」、「夫の生活費」の3つを支払い続ける必要があります。

しかし今は、会社が倒産したり、リストラされたり、先行きが不透明な時代です。

一度収入が不安定になれば、当然ですが全てを支払い続けることは困難です。

住宅ローンを支払えば養育費を支払えず、養育費を支払えば住宅ローンが支払えないという状況に陥る可能性もあります。

実際に、シングルマザーの養育費受給率は2割程度ですから、金銭的な余裕がない方は多いと思います。

競売リスク(F-2)

さて、夫が住宅ローンを支払わなかったらどうなるでしょうか?

債務名義が夫の場合、妻に支払い義務はありません。

さらに、妻が連帯保証人でない場合には、妻が住宅ローンの不払いを把握することができません。

そのため、ある日突然、不動産の競売を通告されることになるのです。

以上のように、不動産を売却しないことは夫と妻にとって一定のリスクを抱えることになるのです。

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