離婚準備なう。

5635

モラハラ離婚成功に必要な知識8選&参考になる裁判事例

モラハラ離婚成功に必要な知識8選&参考になる裁判事例

モラハラ被害に耐えられず離婚したいと願う人は少なくありません。

なかには、何十年もの期間に渡りモラハラ被害に耐え続けている人もいます。

この記事は、本気でモラハラ離婚を成功させたい人に向けて準備したものです。

  • モラハラ被害を受けているのか?
  • モラハラで離婚して後悔しないか?
  • モラハラを立証する証拠は?
  • モラハラの慰謝料はどれくらい?
  • モラハラ離婚のために準備すべきことは?
  • モラハラ離婚に弁護士は必要か?

本記事では、以上の疑問に対する疑問に対する答えを全て用意しています。

また、記事の最後にはモラハラ・心理的虐待による離婚裁判例を解説しています。

実際の裁判例を知ることで、離婚に向けた理解がぐっと深まると思います。


Sponsored Links

モラハラ離婚を成功させる知識

モラハラ離婚を成功させるための知識を以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. モラハラによる離婚率
  2. モラハラチェック
  3. モラハラ離婚を認めさせる法的根拠
  4. モラハラで離婚して後悔しないか?
  5. モラハラを立証する証拠は?
  6. モラハラの慰謝料はどれくらい?
  7. モラハラ離婚に弁護士は必要か?
  8. モラハラ離婚に向けた準備
  9. モラハラの裁判事例

top1

モラハラによる離婚率(1)

モラハラ 離婚 割合

上図は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てた人の動機別の割合を図示したものです。

「精神的に虐待する」を離婚調停の動機に挙げた人は、男性で18%、女性で24%です。

つまり、離婚調停を申立てる人全体の2割が精神的な虐待で悩んでいる実態が浮き彫りになります。

では、そもそもモラハラとはなんでしょうか?

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラチェック(2)

あなたはモラハラ被害にあっているのでしょうか?

この記事を読んでいる多くの方は、モラハラ被害にあっている自覚があると思います。

しかし中には、モラハラ被害を受けているに気付いていない人もいます。

そのため、まずはどのような行為がモラハラと認定されることが多いかチェックしておくことをお勧めします。

なお、モラハラで離婚を目指す場合には、モラハラ被害の内容だけを把握することだけでは不十分です。

なぜならば、モラハラ裁判を調査すると、モラハラ被害の内容だけではなく、モラハラ被害者側の性格なども判決に影響を受けていることが明らかだからです。

例えば、モラハラ被害を受ける度にその都度言い返す勝ち気な性格の人と、モラハラに耐え続けるだけの内気な性格な人では、判決内容が変わります。

そもそも、勝ち気な性格な人であれば離婚裁判になる前に自力で解決しているかもしれません。

以下の記事では、モラハラ被害者と加害者の特徴をまとめています。

サラッとでもいいので、一度目を通してこの記事に戻ってきてください。

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラ離婚を認めさせる法的根拠(3)

次に、モラハラ離婚を認めさせる法的根拠について簡単に説明しておきます。

民法770条では、離婚を認める理由を5つ挙げています。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 回復の見込みのない重度の精神病
  5. 婚姻を継続しがたい重大な事由

以上のうち、「モラルハラスメント」がピッタリ該当する項目はありません。

そのためモラハラによる離婚裁判では、「ⅴ 婚姻を継続し難い重大な事由」があることを主張することになります。

つまり、モラハラ被害により直接的に離婚を主張するわけではなく、モラハラ被害により夫婦関係が破たんしたので離婚を認めて下さいとお願いするわけです。

多くの方は、婚姻を継続し難い重大な事由と認められる具体的な定義はなにかという点に興味があると思います。

実は、婚姻を継続し難い重大な事由は、各裁判において裁判官の主観が入るため、明確な基準はありません。

しかし、過去の裁判事例から裁判官が「この夫婦は婚姻関係が破たんしているか?」と判断するいくつかのポイントがあります。

裁判官が夫婦関係を継続し難いと認めるための最重要ポイントは、離婚を訴える側に夫婦円満を望む意思が全くないことです。

つまり、離婚裁判で離婚を認めてもらうために最も必要なものは、絶対に離婚するというあなたの覚悟なのです。

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラで離婚して後悔しないか?(4)

モラハラで離婚して後悔しないか気にする人もいます。

正直にいいますが、後悔するか気にするのであれば離婚はお勧めしません。

なぜならば、後悔しないか離婚前に気になる人は高い確率で離婚後に後悔します。

そもそも、仮に離婚裁判になった時に夫婦関係が破たんしていないと判断されれば離婚は認められません。

もしも、本当は離婚するのではなく夫婦円満を望んでいるのであれば、この記事でお役に立てることはありません。

以下では、夫婦円満を目指す人のためのマニュアルを紹介していますのでご参照ください。

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラを立証する証拠は?(5)

モラハラを立証する証拠を箇条書きにしておきます。

  • 医師の診断書
  • 器物破損の写真
  • 暴言の録音
  • 書き留めた日記
  • 警察や配偶者暴力相談支援センターへの相談履歴

医師の診断書があれば残しておきましょう。

物理的な暴力がなくても、心理的虐待によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)などが残る可能性があります。

また、直接暴力を振られなくても、暴言を吐かれる際に周囲のものを破損する行為があれば写真に残しておきましょう。

モラハラは決め手となる証拠が掴みにくい被害です。

そのため、一つ一つのモラハラ被害を、どの程度積み重ねることができるかが大きなポイントになります。

ですから、暴言を録音しておいたり、日記にモラハラ被害の詳細な記録を継続的に残しておくことも効果的です。

また、モラハラ被害を受けていれば配偶者暴力相談支援センターに相談するのもおススメです。

なお、配偶者暴力相談支援センターには、全国相談ダイヤルが用意されています。

相談する際には、以下の番号におかけください。

  • 0570-0-55210

いきなり電話をかけるのは少し不安という方は、以下の記事をご覧ください。

配偶者暴力相談支援センターの具体的な支援内容をまとめています。

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラの慰謝料はどれくらい?(6)

モラハラの慰謝料相場は、50万円~300万円程度といわれています。

モラハラ裁判の過去事例をみていると、離婚は認めても慰謝料請求は認めないケースが多数あります。

例えば、裁判では以下のような趣旨のコメントがされることがあります。

「モラルハラスメントが夫婦関係を破綻させた原因であることは認めるが、そのモラハラ行為が社会的に相当な範囲を超えて、不法行為として損害賠償の対象となる違法なものとまではいえない」

慰謝料が認められそうか認められなさそうかは、他にも様々な要因が作用するので一概にはいえません。

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラ離婚に弁護士は必要か?(7)

モラハラ離婚に弁護士が必要かどうかはモラハラ加害者の性格で決まることが多いと思います。

離婚を相手に説得させることができれば弁護士は必要ありません。

一方で、相手が離婚に絶対に応じない場合には、調停・裁判は避けられません。

もしも、離婚調停で離婚を申立てるのであれば弁護士に相談すべきです。

なお、モラハラ加害者の中には、被害者に対して異常なほどの興味を示す人がいます。

別居を開始しても、無言電話や付きまといなどのストーカー行為に及ぶことも珍しくありません。

モラハラが物理的な暴力に発展したり、ストーカー行為などに及べば「逃げる」という方法や接近禁止命令を出してもらうことも検討してください。

しかし、いずれにしても離婚しない限り根本的な解決につながらないことも多いです。

身の危険を感じながら幸せな生活を送ることは不可能です。

もはや説得などでは事態が改善せずに、法的な力で離婚を求めるのであればまずは助けを多方面に求めてください。

助けを求める時に重要なことは、自分の身は自分で守るという意識を忘れないことです。

助けを求めているのに、自分の身は自分で守る意識を忘れるなという助言は矛盾しているように思えます。

しかし、あなたが相談する相手によっては、あなたの助けになってくれない人も紛れている可能性があることを忘れてはいけません。

警察ですら民事不介入を理由に完全な安全を保障してくれるとは限りません。

警察で駄目なら、配偶者暴力相談支援センター、弁護士への相談など、同時並行で行動することをおススメします。

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラ離婚に向けた準備(8)

さて、モラハラ離婚に向けた準備で一番重要なことを整理しておきます。

モラハラ離婚で重要なことは2つです。

  1. 証拠収集
  2. 離婚に対する知識

証拠収集(8-A)

モラハラ被害については、心理的虐待に当たる事実関係を多数積み重ねる必要性は既に説明したとおりです。

証拠は多ければ多いほど、モラハラ被害の実態を浮き彫りにしてくれます。

もしかしたらあなたは、長い間モラハラ被害を受けているうちに、感覚が麻痺しているかもしれません。

そのため、明確なモラハラ被害に遭っていても、モラハラ被害だと感じなくなっているかもしれません。

ですから、相手から言われたモラハラ被害を立証できそうなものは全て記録に残しておくぐらいが丁度良いと思います。

離婚に対する知識(8-B)

離婚すればあなたの人生が幸せになるとは限らないのが離婚問題の難しさです。

モラハラ被害を理由に離婚を考えているうちは、離婚できるかできないかだけに興味があるかもしれません。

しかし、離婚すれば沢山のことに決着をつけなければなりません。

  • 離婚後の住まい
  • 慰謝料
  • 親権
  • 面会交流権
  • 養育費
  • 財産分与
  • 婚姻費用 etc

以上の事柄は、離婚する段階で全て決着をつけておく必要があります。

もちろん、離婚後2年以内であれば権利を主張できるものもあります。

しかし、冷静になって考えて下さい。

モラハラ加害者に離婚後に会って話をしたいですか?

どうしても離婚したい場合には、離婚を最優先ことも可能です。

しかし、その場合には離婚後にあなたを困らせようと報復を試みるモラハラ加害者と戦うことを覚悟しなければいけません。

もしも、モラハラの証拠収集と平行して、上記に挙げた事柄についての知識を学びたければ、本サイト「離婚準備なう。」をフル活用してください。

「離婚準備なう。」では、無料の離婚準備マニュアルを公開しています↓↓

top1

本記事のテーマ一覧↑↑

モラハラの裁判事例(9)

モラハラの裁判事例を紹介していきます。

  1. 心理的虐待に当たる事実を多数積み重ねて離婚を勝ち取った事例
  2. 心理的虐待と離婚請求との因果関係が明らかでないとされた事例
  3. 心理的虐待行為により生じた心理的負担を認定し離婚を認めた事例
  4. 心理的虐待を受けた側の事情を考慮した離婚裁判の事例
  5. 日常生活の言動が夫婦の信頼を壊すものと認定された事例

心理的虐待に当たる事実を多数積み重ねて離婚を勝ち取った事例(9-A)

東京地裁判決平成17年3月15日(公刊物未掲載)を紹介します。

まずは、裁判の概要をまとめておきます。

裁判の流れ
  • 第一審
    ⇒妻(原告)が夫(被告)
    【東京地裁判決平成17年3月15日】
夫婦の歴史
  • 昭和58年5月     婚姻
  • 平成15年8月     妻が家出を開始
  • 平成15年9月     離婚調停申立て
  • 平成16年1月     夫に対して、妻へのつきまとい行為や妻の自宅や勤務先に立ち入ることを禁止する仮処分決定

この裁判は、夫から長年にわたって身体的・精神的虐待を受け続けてきた妻による離婚請求です。

裁判所は、心理的虐待に当たる事実関係を多数認定した上で、妻からの離婚請求を認めました。

本件では、妻に対する夫の常軌を逸しているともいえる虐待の様子が明らかになっています。

離婚請求を認める主な要素として認定されている事実関係を箇条書きにしておきます。

  1. 気に入らないと妻を執拗に責め続ける
  2. 持病を持つ妻に「さっさと心臓移植でもしてこい」などの暴言
  3. メニエール病で入院時に「人の不便も考えろ」などの暴言
  4. 退院後に一晩中廊下に座らせて文句を言い、即頭部を平手打ちの暴行
  5. その後、「いっそ、聞こえなくなる手術でもしてこい」などの暴言
  6. 平成14年夏頃以降から深夜の炊事を要求
  7. 要求に従わないとテーブルなどを叩いて眠らせない
  8. 愛犬を叩いたり暴言を吐く
  9. 妻の弟に対する非難と悪質性の高い暴言
  10. 別居後の執拗で時間を選ばない架電
  11. 別居後に「戻ってくるか、自分も死ぬか」の2択を迫る
  12. 妻の勤務先への侵入未遂

以上に挙げた夫からの仕打ちに対して、離婚が認められるのは必然だったと思います。

物理的な暴力・傷害行為に比べて、心理的虐待の場合は事実関係を多数積み重ねて戦う必要があります。

<9 裁判事例の一覧に戻る↑↑>

心理的虐待と離婚請求との因果関係が明らかでないとされた事例(9-B)

東京地裁判決平成17年3月14日(公刊物未掲載)を紹介します。

まずは、裁判の概要をまとめておきます。

裁判の流れ
  • 第一審
    ⇒妻(原告)が夫(被告)
    【東京地裁判決平成17年3月14日】
夫婦の歴史
  • 昭和49年5月     婚姻
  • 平成15年8月     妻が離婚調停申立て
  • 平成15年11月    別居
  • 平成15年12月    調停不成立
  • 平成16年1月     夫に対して、妻へのつきまとい行為や妻の自宅や勤務先に立ち入ることを禁止する仮処分決定

この裁判は、夫に対して長年にわたり蓄積した不満を心理的虐待として主張した妻からの離婚請求です。

妻が主張した夫からの心理的虐待は以下のようなものでした。

  • 家庭生活を送る上で、妻を対等なパートナーだと認めていない
  • 家事と育児をすべて妻に丸投げした
  • 妻が用意した食事を摂った後は、寝室に引きこもりゴロゴロしていた
  • 妻に対して生活費減額の嫌がらせをした
  • 精神状態の悪い娘を突き放し、妻をパニック状態に陥れた

以上の妻の主張に対して、裁判所は妻からの離婚請求を棄却しました。

その一番の理由は、別居するまでの長期間(約29年以上)に渡って夫婦生活は概ね平穏だったということです。

つまり、妻の主張は過去の出来事を蒸し返しただけであり、その出来事自体と離婚との因果関係が曖昧であると判断されたのです。

また、以下のような事情も妻からの離婚請求を棄却する判断に影響を与えました。

  • 別居の半年前に妻は夫の還暦祝いを企画していた
  • 夫との性交渉を受け入れる態度を示していた
  • 約30年の同居期間に対して別居期間が1年と短い
  • 夫婦いずれも万全な健康状態とはいえない

以上の事情により、夫婦関係が完全に破綻しているとまではいえず、離婚を認めませんでした。

もしも、心理的虐待により離婚請求をするのであれば、心理的虐待が行われた都度どのようなダメージを受けたか説明し、心理的虐待行為と離婚請求との因果関係を明確にする必要がありそうです。

<9 裁判事例の一覧に戻る↑↑>

心理的虐待行為により生じた心理的負担を認定し離婚を認めた事例(9-C)

東京地裁判決平成16年12月21日(公刊物未掲載)を紹介します。

まずは、裁判の概要をまとめておきます。

裁判の流れ
  • 第一審
    ⇒妻(原告)が夫(被告)
    【東京地裁判決平成16年12月21日】
夫婦の歴史
  • 平成8年11月     婚姻
  • 平成10年1月     長男出生
  • 平成15年6月     別居
  • 平成15年10月   長女出生

この裁判は、心身ともに耐え難い苦痛に苦しんでいた妻に対して、心ない言動をした夫に対する離婚請求です。

裁判では、夫の行為が妻の婚姻関係を継続する気力と自信を喪失したとして離婚を認めました。

妻が主張した夫からの心理的虐待行為は以下のようなものです。

  • 妻が風邪薬の胎児への影響を懸念して中絶した事実を、約束反して会社の同僚に口外した
  • 排卵誘発剤を服用して妊娠した際に、憔悴している妻を一方的になじった
  • 退院後も体調が悪く嘔吐を続ける妻を残し、夫は実家に帰った
  • 妻は夫からの庇護と理解が得られないことに絶望感を覚えた
  • 夫婦間の口論が絶えなくなった

裁判では、上記の行為がなされるたびに、妻にどのような心理的な負担があり苦しんだのかを説明しています。

つまり、夫による心理的虐待と婚姻関係破綻の因果関係を明確にできたことが、妻の離婚請求が認められたポイントになっている点に注目すべきです。

<9 裁判事例の一覧に戻る↑↑>

心理的虐待を受けた側の事情を考慮した離婚裁判の事例(9-D)

東京地裁判決平成16年11月2日(公刊物未掲載)を紹介します。

まずは、裁判の概要をまとめておきます。

裁判の流れ
  • 第一審
    ⇒妻(原告)が夫(被告)
    【東京地裁判決平成16年11月2日】
夫婦の歴史
  • 平成8年9月       婚姻
  • 平成13年1月     長女出生
  • 平成15年6月     別居

この裁判は、夫が飲酒時に妻やその家族を大声で罵倒するなどしたため、おとなしい妻がストレスをため、精神的、肉体的に疲れ果てた末に別居し、離婚請求した事例です。

本判決では、以下の事情が認められています。

  • 夫は飲酒時に妻をなじったり、その家族の悪口をいった
  • 夫は酔いが回ると近所に聞こえるような声で妻を罵倒
  • 妻は実家とほとんど連絡をとらず、ストレス解消できなかった
  • ある時から夫の苛立ちが強くなり、妻を強くなじるようになった
  • 妻は精神的、肉体的に疲れ果ててて別居を開始した

判決では、婚姻関係を円満に回復することは著しく困難であるとして、離婚を認めました。

この裁判の特徴は、以下の2点です。

  1. 別居期間が比較的短いのに離婚が認められた
  2. 妻の事情が考慮された
別居期間が比較的短いのに離婚が認められた(9-D-a)

この裁判は、別居期間が約1年と数ヶ月と比較的短いのに離婚が認められた点が特徴的です。

つまり、別居期間が長期に及ばなくても、心理的虐待行為の積み重ねを主張することで、離婚原因ありとの判決を勝ち取ることができる可能性を示唆しています。

離婚を認めてもらうためには、婚姻関係の破綻を別居で証明するだけではなく、心理的虐待の行為があったことを粘り強く証明することが大切だと改めて教えてくれます。

妻の事情が考慮された(9-D-b)

この裁判は、実際に心理的虐待をした側の行為だけではなく、心理的虐待を受けた側の事情も考慮している点が特徴的です。

判決では、妻はおとなしい性格で、面と向かって反論したり出来なかったため、夫の粗野な態度にストレスをためたと認定されています。

<9 裁判事例の一覧に戻る↑↑>

日常生活の言動が夫婦の信頼を壊すものと認定された事例(9-E)

東京地裁判決平成16年9月29日(公刊物未掲載)を紹介します。

まずは、裁判の概要をまとめておきます。

裁判の流れ
  • 第一審
    ⇒妻(原告)が夫(被告)
    【東京地裁判決平成16年9月29日】
夫婦の歴史
  • 平成4年9月       婚姻
  • 平成12年10月   別居

この裁判は、別居後4年が経過した時点で妻が夫に対して行った離婚請求です。

妻は夫から、以下のような心理的な虐待を受けていました。

  • 入籍してから継続的に執拗な暴行・傷害・脅迫を受けた
  • 旅行時に公共の場で大声で罵られ、置き去りにされた
  • 別居するまで日常的に侮辱・精神的虐待を受けた
  • 強度のストレスのため、右卵巣から出血し、心療内科への通院を余儀なくされた

以上の妻からの主張に対して、夫は「DVに匹敵する場合でなければ、婚姻関係を継続し難い重大な事由があるとはいえない」と裁判で主張しました。

夫の主張に対して、裁判所は「日常生活の言動が婚姻関係の継続に必要な夫婦の信頼を壊して修復し難いほどに至ることはありえる」と判断し、妻からの離婚請求を認めました。

なお、妻からの離婚請求が認められた背景には、以下のような事情もあります。

  • 夫婦間の性交渉がほとんどもられなかった
  • 4年近く別居している間、夫婦関係を修復しようとした形跡がない

この裁判は、日常生活の言動が婚姻関係の継続に必要な夫婦の信頼を破壊して修復しえないほどに至れば、婚姻関係を継続しがたい重大な事由となりうると判断した点で、参考になる事例だと思います。

<9 裁判事例の一覧に戻る↑↑>

本記事のテーマ一覧↑↑

まとめ

心理的虐待は、モラルハラスメントといわれることが多くなっています。

本記事で紹介した裁判事例をみてもわかると思いますが、心理的虐待による離婚請求においては、証拠を一つ一つ積み重ねることが非常に大切です。

なにがなんでも「証拠」を掴んでください。

なお、本サイト「離婚準備なう。」では、無料の離婚マニュアルを公開しています。

是非とも参考にしてください↓↓

top1

Return Top