離婚準備なう。

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婚姻費用を不貞(不倫)した配偶者に支払う義務はあるのか?

婚姻費用を不貞(不倫)した配偶者に支払う義務はあるのか?

不貞行為に及んだ配偶者に、婚姻費用を支払う必要はあるのでしょうか?

婚姻費用の支払い義務から逃れるのは非常に困難です。

仮に、離婚裁判中でも支払う必要があります。

また、婚姻費用をもらう側の一存で別居しても支払う必要があります。

一方で、不貞行為に及んだ配偶者には支払わなくてよいとした判例があります。

但し、一歩間違えれば不貞行為に及んだ配偶者に婚姻費用を支払う結果を招きます。

本記事では、判例を交えながら不貞行為に及んだ配偶者への婚姻費用について解説します!

婚姻費用を不貞行為した側に支払うのか?

【目次】

  1. 婚姻費用と不貞行為の関係
  2. 有責配偶者の婚姻費用請求【判例】
  3. 不貞行為の証明
  4. 養育費の支払い義務はどうなる?

婚姻費用と不貞行為の関係(1)

不貞行為した側に婚姻費用を支払わなくて良いのはなぜでしょうか?

婚姻費用の支払い義務は、民法760条を根拠にしています。

民法760条では、以下のように定めています↓↓

夫婦は、その資産、収入、その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

つまり、婚姻費用は夫婦の義務として発生するものなのです。

その他、夫婦の義務には「同居義務」や「貞操義務」などがあります。

実は、同居義務に違反しても、婚姻費用の支払い義務は消えないという判例が下っています。

そのため、以下のような論法は通用しません↓↓

  • 勝手に別居を選んで同居義務に違反したのは相手側
  • だから、婚姻費用を支払わない

一方で、「貞操義務」については少し事情が異なります。

貞操義務を破った側が夫婦の義務を破ったということは明らかです。

夫婦の義務を破った側が、婚姻費用を支払う義務をはたせ!と主張することは認められません。

次に、代表的な判例を紹介していきます。

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有責配偶者の婚姻費用請求【判例】(2)

  1. 福岡高宮崎支決平成17年3月15日
  2. 東京家審平成20年7月31日

福岡高宮崎支決平成17年3月15日(2-1)

判決文の一部を紹介します↓↓

妻は、A(不倫相手)と不貞に及び、これを維持継続したことにより本件婚姻関係が破綻したものというべきであり、これにつき妻は、有責配偶者であり、その妻が婚姻関係が破綻したものとして夫に対して離婚訴訟を提起して離婚を求めるということは、一組の男女の永続的な精神的・経済的及び性的な紐帯である婚姻共同生活体が崩壊し、最早、夫婦間の具体的共同協力扶助の義務が喪失したことを自認することにほかならないのであるから、このような妻から夫に対して、離婚費用の分担を求めることは信義則に照らして許されないものと解するのが相当である。
【引用:福岡高宮崎支決平成17年3月15日家月58巻3号98頁】

つまり、有責配偶者の側から離婚費用の分担を求めることは、「信義則に照らして許されないもの」という判断です。

東京家審平成20年7月31日(2-2)

判決文の一部を紹介します↓↓

別居の原因は主として申立人である妻の不貞行為にあるというべきところ、申立人は別居を強行し別居生活が継続しているのであって、このような場合にあっては、申立人は、自身の生活費に当たる分の婚姻費用分担請求は権利の濫用として許されず、ただ同居の未成年の子の実質的監護費用を婚姻費用の分担として請求しうるにとどまるものと解するのが相当である。
【引用:東京家審平成20年7月31日家月61巻2号257頁】

先ほどの判決と同様に、有責配偶者の側からの婚姻費用の分担請求は認められませんでした。

但し、未成年の子の養育費は支払うべしという判断がされています。

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不貞行為の証明(3)

不貞行為は有責行為だから、婚姻費用は支払わなくていい

以上の結論の大前提にあるのは、「不貞行為」です。

つまり、不貞行為を証明しないと婚姻費用の支払い義務は消えないということです。

実際に離婚調停の場でも、不貞行為が証明できない場合、婚姻費用の支払いが求められます。

調停員の立場からすれば、夫と妻のどちらが本当のことを主張しているかわかりません。

もし、義務者(主として夫)が妻の不貞行為を主張しても素直に信じるわけにはいきません。

夫が、婚姻費用を出し渋っているだけなんじゃないか?」という考えが頭をよぎります。

一方で、妻は経済弱者(あくまで夫と比べた場合)なわけです。

婚姻費用請求を却下した場合、妻の生活が立ち行かなくなることもあるでしょう。

そのため、不貞行為が証明できない限り婚姻費用算定表に基づいた支払いが認められます

ということは????

不貞行為に及び婚姻費用を請求する側は、不貞行為の証拠を掴ませてはいけません。

一方で、婚姻費用を支払う側は、配偶者の不貞行為を立証しなければいけません。

配偶者が自白したとしても、後で自白を否定する可能性も十分あるので要注意です。

もし、あなたが婚姻費用を支払う側ならば、以下のどちらが得か考えるべきです。

  • 婚姻費用を支払う
  • 不貞行為を立証する

不貞行為を立証するために、興信所を利用せざるを得ない場合があります。

プロの興信所の報告書があれば、調停員や裁判員の説得も容易になります。

但し、興信所の費用は安くはありません。

10万円で調査できる場合もあれば、100万円かかる場合もあります。

数ヶ月で離婚が成立する見通しが立つならば、婚姻費用を支払う選択肢もアリです。

納得いかないかもしれませんが、下手に協議・調停を長引かせるよりはマシです。

なぜならば、離婚までの期間が長くなればなるほど婚姻費用の負担も重くなるからです。

婚姻費用を支払うか?不貞の証拠を掴むか?

どちらの選択肢が得かは、あなたの状況によって異なります。

そもそも、配偶者の不貞行為にしても思いすごしなだけかもしれません。

判断に迷うならば、大手探偵社の無料相談を活用すると良いです。

あなたの状況を話して、百戦錬磨のプロに相談するだけでも気持ちが楽になります。

探偵社業界は、評判やイメージが命です。

契約を迫って消費者庁や警察に目を付けられる方を嫌います。

大手探偵社であればあるほど、しつこく契約を迫ることもありません。

大手探偵社の選び方は、以下の記事を参考にしてください↓↓

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養育費の支払い義務はどうなる?(4)

婚姻費用の中には、養育費が含まれています。

もしも、配偶者の不貞行為を立証しても養育費の支払い義務はなくなりません。

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まとめ

不貞行為を立証できれば、婚姻費用を支払う必要はありません。

しかし、不貞行為の立証にもコストがかかります。

不貞行為の証拠を掴んだほうが良いのは、なかなか離婚できない場合です。

離婚協議を長引かせて婚姻費用をなるべく長期間請求しようとする妻もいるからです。

そのため、離婚したいのか離婚したくないのかどっちつかずの態度にでるのです。

なお、婚姻費用の具体的な計算方法などは以下の記事を参考にしてください!

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