離婚準備なう。

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銀座ホステスの枕営業裁判を完全解説!【不倫?営業努力?】

銀座ホステスの枕営業裁判を完全解説!【不倫?営業努力?】

素人女性と関係を結ぶと不倫だが、玄人女性とは不倫に当たらない!

2014年4月に衝撃的な判決がでたのですが、今頃騒ぎになっています。

先週の週刊誌報道では、小さい取り扱いだったのですが判決に納得がいかない方が多いらしく今週は大体の週刊誌でこのテーマを取り扱っています。

このブログでも以前取り上げたのですが、その裁判の様子も詳細に明らかになっていますので深堀していきたいと思います。

裁判の概要を振り返り、妻の主張、夫の主張、裁判官の主張、判決のどこが新しいのか?等々について、解説していきます。

銀座ホステスの枕営業の全容

銀座ホステスの枕営業の全容

まだ銀座ホステスの枕営業判決の概要をご存知でない方のために、裁判の概要から振り返ります。

妻が起こした訴えの概要

原告である不貞行為を働いた妻は、以下のような訴えを起こしていました。

  • 銀座のクラブのママが夫と約7年間にわたって、深い仲にあったため精神的苦痛を被った。
  • 以上の行為は不法行為に当たるので、クラブのママに慰謝料400万円を請求したい

夫の主張

妻の訴えに対して、夫はこれを認めて、妻を補完する陳述書を提出しています。

実際の陳述書の内容を抜粋します。

  • 平成17年8月頃、お店が終わってから被告と二人で食事をしたことがあり、その時お互いの気持ちが通じ合い、(中略)二人でホテルに入りました。
    (中略)
    結婚後、初めて妻以外の女性と関係を持ち、高揚感のようなものがありました。

裁判所で以上のように陳述しただけではなく、銀座のクラブのママにも、自分の主張を認めるように説得していたことも発覚しています。

すべて妻に正直に話しているから、申し訳ないがどうしようもない。
あなたも正直に話したほうが良い。
【引用:6月11日号 週刊新潮】

銀座のホステス(被告)の主張

これに対して、銀座のクラブのママは、真っ向から対立した意見を主張しています。

銀座のホステス(被告)の主張を、箇条書きでまとめておきます。(6月11日の週刊新潮を参考にしています。)

  • 不貞行為の相手は、私ではなく別の女性です。
  • 原告代理人から内容証明が驚いた時に、原告の夫に確認したところ、原告の夫はこのように主張したと記憶している。
    「妻が携帯のロックを外してしまって不倫が発覚して、動揺した。本当の不貞相手を隠すために「ママだったら・・・」と名前を出してしまった
  • 原告が損害賠償を請求するのは、私(銀座のホステス)ではなく夫であるべき。
    夫がお店で使ったお金が勿体無くなって夫婦協力のもと、お金を取り戻そうとしていると思う。

裁判官の主張

これまでで、夫、妻、銀座ホステスの主張を確認していきました。

主張が食い違う場合は、「真実」に迫る「事実」をもって、判断するのが世の中の常識です。

しかし、訴訟指揮を執る今回の裁判官は違っていました。つまり、

  • 不貞行為の有無については判断しませんでした。

驚きませんか?普通は、事実がどうであったかを証拠も持って判断するはずなのに、今回は証拠を確認してどちらの主張が正しいと判断できるか?という検討プロセスを行いませんでした。

ここが、驚きのポイントです。

今回の報道で、盛んに「枕営業」という単語が報じられていますが、原告も被告も関係者も全員「枕営業」という単語を誰も利用していませんでした。

しかし、裁判官は以下のように述べました。

  • 何を根拠に請求するのか。これはソ○プラ○ドと同じで、慰謝料請求なんかできないだろう。何か文献はあるか。
  • (第二回目の審理でも)「はい、終結」、(抗議をしても)「とにかく議論する気はない」
  • 不服なら上告すればいい。私は新しい判例を作るつもりでやっている
    【引用:6月11日 週刊新潮】

そして、実際の判決文の抜粋を載せておきます。

  • ソ○プラ○ドに勤務する女性のような売しゅん婦が大家を得て妻のある顧客と性○渉を行った場合には、顧客の性○処理に商売として応じたに過ぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないから、例えそれが長年にわたり頻回(ひんかい)に行われ、そのことを知った妻が不快感や嫌悪感を抱いて精神的苦痛を受けたとしても、妻に対しては不法行為を構成するものではないと解される。
    (中略)
    クラブのママやホステスは、自分を目当てとして定期的に通ってくれる優良顧客や、クラブが義務付けている同伴出動に付き合ってくれる顧客を確保するために、様々な営業活動をおこなっており、その中には、顧客の明示的または黙示的な要求に応じるなどして性○渉をする「枕営業」と呼ばれる営業活動をするものも少なからずいることは、公知の事実である。
    (中略)
    「枕営業」であると認められる場合には売しゅん婦の場合と同様に、顧客の性○処理に商売として応じたに過ぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではない
    (中略)
    典型的な「枕営業」に該当すると認めるのが相当である。
    (中略)
    本件不貞行為が妻である原告に対する不法行為を構成することはないというべきである
    始関正光裁判官(57)の判決文

判決のどこが新しいのか?

客観的に眺める

この判決の新しいところは、3点あると思います。(私は専門家ではないので、あくまで参考にしてください。)

  1. 不貞行為の事実を追及しようとせずに、「枕営業」という不貞行為自体は認めた
  2. 不貞行為があったとしても、不法行為だと認められないと結論づけた
  3. 過去の判決にとらわれない判決を出すことを厭わなかった

つまり、不貞行為があったかどうかもしっかり議論することなく、勝手に「枕営業」を持ち出してきました。さらに、枕営業をしていることは水商売の営業行為として、いわずもがなみんな知っていることだと結論づけました。さらに、上告すればしたければいいじゃん。私の判決は曲げないよ。というスタンスを取ったこと。

過去の判例に従う裁判官が多い(という印象)があるのですが、今回は「自論」を思う存分展開した形です。

判決に対する関係者の感想

異例の判決とも言えるこの裁判の判決を関係者はどのように捉えているのでしょうか?

もちろん、原告である妻と夫、そして弁護士は、怒り心頭とうのが正直な気持ちでしょう。誰でも裁判に負ければ悔しくないわけありません。

一方、被告であった銀座のクラブのママは、「裁判官には感謝しています。」という旨のコメントを残しています。

裁判官の方には、本当に感謝しています。ああいう判決でなければ、私は濡れ衣を着せられた上に悪いとされていたかもしれないですから。
原告妻の夫は、別にいた女性を隠そうとしたわけですが、あちらの奥様も相手の女に責任を押し付けるだけでなく、旦那がそういうことをしたのは自分が繋ぎ留めておかなかったからで、その責任はあると思います。でも、これで話題になって、また蒸し返されはしないだろうかと、それが私は一番心配です。
【引用:2015年6月11日 週刊新潮】

世間の反応

.この判決に対する世間の反応は、厳しい意見が多いです。というよりは、裁判官の意見に同調する人は、「あなたも銀座のホステスと浮気しているんじゃないの?」と疑われるのを恐れて、おいそれと発言できないのでしょう。

この判決に対する世の中の声は、6月18日の女性セブンを確認すると、以下のようになっています。

  • 全然納得いかない
  • 7年も同じ女性となんて、どう考えてもおかしいでしょ
  • 女性裁判官だったらこんな結果にならなかったと思う

女性では納得いかないという方が多いのでしょう。

まとめ

最後に私の意見をまとめていきます。念のため、最初に断っておきますが、 今回の裁判官の論理破綻は確実だと思います。

原告がAという意見、被告がBという意見で戦っているのに、弁護士がCという意見を出してきたからです。

裁判官の意見は、

  • AもBも正しくないよ!!Cでしょ!

これは、明らかにおかしいです。一度でもディベートをした方なら、理解いただけるでしょう。

裁判でCという意見を突き通したかったら、そのように議論させるべきなのに、議論を深めることができませんでした。

今回の議論で一番やっかいだと思うのは、主張の根拠を議論しなかったことです。

世の中のどんな主張でも、基礎となるのはデータです。データとは事実です。この事実を同解釈するかによって、意見が変わってきます。

仮に同じデータだとしても、同じものを見ていても判断・解釈が異なるから裁判といわず、世の中は正解がなくグレーゾーンが大きいのです。そもそも同じものをみても、人によっては善悪の解釈は変わりますからね。

つまり、今回の裁判では見方によっては、「結果的に」適切な判断が下されていた場合もあります。

どういうことか?つまり、

  • 銀座のクラブのママは本当に冤罪だった可能性
    ⇒確かな証拠は、夫の自白だけ。実はホテルやレストランの領収書などの間接証拠はない。
    (※補足)
    現状は、夫の自白があれば、離婚事由の有力な証拠になるだけでなく、慰謝料請求にも有利に働くと思われていました。
    今回の判決で、従来の論理武装にほころびを付けることになりました。
    しかし、今回はあくまで「地裁」での判決であり、高裁や最高裁判所での事例ではないので、事例として引っ張りだすにしては弱いでしょう。

もありうるということです。

実際に似たようなことはあるのです。

具体的には、夫が浮気をしていると疑われて、その相手を奥さんが目星をつけたとします。

奥さんは、「浮気しているに違いない」と思い、浮気相手疑惑を持たれている女性を訴えます。

でも、実は浮気していません。浮気相手とされた女性は、以下のように考えます。

  • 奥さんめっちゃ怒ってる。浮気していないのにな。でも、お金を出せば裁判もしなくていいし、ストレスから開放される。ここは、金で解決しよう。

このような流れで、浮気相手疑惑の女性が「浮気を認めて」、奥さんにお金を払ってしまったら、夫側としてはやばいです。

実は冤罪なのですが、「浮気相手疑惑の女性が浮気を認めた」という事実が、浮気の決定的証拠として利用されてしまうからです。

夫がどんなに弁解しようとも、妻から「じゃぁ、なんで相手の女性は認めたんだろうねぇ・・・」なんて主張されたら勝目がないです。

慰謝料請求だけならまだしも、不貞行為は離婚事由にあたりますから、慰謝料や養育費を多額に請求されて離婚届を叩きつけられる悲劇になりかねません。

今回は、これと似たようなことが起きていた場合があります。

真実は7年間常連顧客としてクラブに通っていただけ。。これが否定できないのです。

ただし、繰り返しになりますが、裁判官は根拠も無しに被告と原告の夫の関係を認めて、それでも尚且つ原告の訴えを退けていますから、そこはやっぱりおかしいです。

裁判官の論理は破綻しているけど、結果的には正解だったという可能性があると主張したかったのです。

今後の離婚裁判にどのような影響があるのか、しっかりと見守っていきたいと思います。

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