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扶養的財産分与が認められた判例・認められなかった判例

扶養的財産分与が認められた判例・認められなかった判例

「離婚後の生活も保証して欲しい!」という主張は通るのでしょうか?

本記事では、扶養的財産分与について詳しく解説していきます。

あなたが以下いずれの立場でも参考になると思います↓↓

  • 扶養的財産分与を請求したい!
  • 扶養的財産分与の主張を拒否したい!

是非とも参考にしてください!


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扶養的財産分与

【目次】

  1. 扶養的財産分与とは?
  2. 扶養的財産分与の判例

扶養的財産分与とは?(1)

財産分与には以下3つの種類があるといわれています。

  • 精算的財産分与
  • 扶養的財産分与
  • 慰謝料的財産分与

上記3つのうち、財産分与といえば「精算的財産分与」です。

夫婦の共有財産を原則半分ずつに分けることを財産分与といいます。

一方で、扶養的財産分与が認められることもあります。

扶養的財産分与とは、財産分与の補充的なものと位置づけられます。

扶養的財産分与は、一般的に以下のように理解されています。

  • あくまで精算的財産分与の補充的なもの
  • 離婚後に生計を維持できれば扶養的財産分与は必要ない

つまり、扶養的財産分与は離婚後の生活の目処が立たない場合のみに発生します。

例えば、結婚後に専業主婦になった妻が離婚後に仕事に困るような場合です。

逆に、以下のような場合には精算的財産分与は発生しません。

  • 精算的財産分与が見込める
  • 遺産相続等でかなりの資産がある
  • 一定の収入があり、すぐに生活に困らない

通説を紹介するだけではイメージが湧きにくいかもしれません。

そのため、これ以降は精算的財産分与の具体的な判例を紹介します↓↓

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扶養的財産分与の判例(2)

  1. 扶養的財産分与が認められた判例
  2. 扶養的財産分与が認められなかった判例

扶養的財産分与が認められた事例(2-1)

扶養的財産分与が認められた事例を紹介します。

  1. 100万円の扶養的財産分与を勝ち取った判例
  2. マイホームの賃貸契約を勝ち取った判例
100万円の扶養的財産分与を勝ち取った事例(2-1-1)

妻が清算的財産分与を含めて合計約3,650万円の財産分与を勝ち取った事例があります。

※【参考】  東京地判平成9年6月24日 判タ962号 224頁

妻が勝ち取った財産の内訳を記載しておきます↓↓

  • 清算的財産分与金 ⇒ 2,382万円5,000円
  • 未払い婚姻費用 ⇒ 1,168万円
  • 扶養的財産分与 ⇒ 約100万円

注目すべきは、清算的財産分の他に扶養的財産分与を認めている点です。

しかし、扶養的財産分与は現金で支払われてはいません。

妻が居住用の不動産を取得することで扶養的財産分与を成立させました。

マイホームの賃貸契約を勝ち取った判例(2-1-2)

妻がマイホームの賃貸契約を勝ち取った事例を紹介します。

※【参考】 名古屋高判平成18年5月31日 家月59巻2号 134頁

離婚時に夫名義の不動産があり財産分与の対象でした。

しかし、マイホームの資産的な価値はマイナスでした。

そのため、マイホームは夫名義のままで離婚することになりました。

マイホームの住宅ローンは、夫が支払う契約になっています。

しかし、夫婦には子供が3人いました。

妻の立場からすれば、子供を抱えたまま住まいを確保するのは至難の技です。

4歳になる長男もおり、フルタイムで仕事をするのも難しいのが実情でした。

そこで、妻は清算的財産分与としてマイホームの使用賃貸契約を求めました。

つまり、夫が貸主、妻が借主になる契約を約束させたのです。

ちなみに、使用賃貸契約の期間は長男が小学校を卒業する8年間です。

判例の説明は以上なのですが、1点だけ補足しておきたい点があります。

それは、マイホームの資産的な価値がマイナスだという点です。

資産価値は、「実勢価格」-「住宅ローン残高」で計算できます。

計算結果がマイナスの状態をオーバーローンといいます。

オーバーローンの場合、不動産の資産価値を夫婦で半分にできません。

借金を夫婦で半分にするのが筋では?」と思うかもしれません。

しかし、離婚する夫婦で借金部分を分割するケースは稀なようです。

資産価値を計算する際の肝は、「実勢価格」を調査する方法です。

実は、素人が不動産の価格を安易に見積もるのは悲劇の始まりです。

もう少し高く見積もってもいいのに安く見積もり過ぎるケースもあります。

そのため、勝手に「自分はオーバーローンの状態なんだ」と悲観します。

逆に、不動産価格を高く見積もったために見通しの甘い計画になる場合もあります。

不動産の実勢価格を見積もるにはコツがあります。

不動産価格を効率的、かつ効果的に見積もる方法は以下の記事でまとめています↓↓

扶養的財産分与が認められなかった判例(2-2)

扶養的財産分与が認められなかった事例を紹介します。

  1. 月額20万円の支払い請求が認められなかった判例
  2. 厚生年金の定期金支払いが認められなかった判例
  3. 後遺傷害を理由に扶養的財産分与が認められなかった判例
月額20万円の支払い請求が認められなかった判例(2-2-1)

妻が夫に対して、自分が亡くなるまで月額20万円の支払いを請求した事例があります。

※ 【参考】 東京高判平成10年3月18日 判時 1690号66頁

妻の請求を裁判所は認めませんでした。

裁判所が妻の請求を認めなかった理由は2つあります↓↓

  • 妻が多額の財産を保有している
  • 妻は相当な価値のある自宅に住んでいる
厚生年金の定期金支払いが認められなかった判例(2-2-2)

妻が夫に対して、厚生年金収入の2分の1の支払いを請求した事例があります。

※【参考】 東京地判平成12年9月26日 判タ 1053号 215頁

裁判所は、妻の請求を認めませんでした。

裁判所が妻の請求を認めなかった理由は2つあります↓↓

  • 夫から1,500万円の財産分与金を受け取れること
  • 妻には国民年金の収入があり、生活水準を確保できる
後遺傷害を理由に扶養的財産分与が認められなかった判例(2-2-3)

妻が交通事故に遭った夫に対して扶養的財産分与を求めた事例があります。

※ 大阪高決平成17年6月9日 家月58巻 5号 67頁

裁判所は、妻の請求を認めませんでした。

なぜならば、夫には後遺傷害があり定職に就くことが事実上困難だったからです。

また、妻にはパート収入が月10万円ほどあったことも理由の一つでしょう。

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まとめ

扶養的財産が認められるケースは極めて稀です。

仮に裁判で主張しても、徒労感に襲われる結果になる可能性が高いです。

なお、財産分与を成功させる秘訣を知りたい方は以下の記事も参照下さい↓↓

財産分与に関する知識を網羅的にまとめています↓↓

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