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離婚後の戸籍・姓の全パターンをわかり易く解説~子供の戸籍・姓にも対応!

離婚後の戸籍・姓の全パターンをわかり易く解説~子供の戸籍・姓にも対応!

離婚後の戸籍・姓はどうなるの?

離婚後の戸籍・姓の複雑な手続きに混乱してしまう人が多いようです。

離婚後の戸籍・姓をどうしたらいいのか、スッキリ理解して頂きたいと思います!



目次

離婚後の戸籍・姓

まずは、戸籍とは何か?ということから説明していきます。

戸籍とは?

戸籍とは、「出生から死亡に至るまでの親族的身分関係を登録・公証するもの」です。

どこで生まれたのか?再婚歴はあるのか?などの情報が記載されています。

なお、世界的には、日本と中国ぐらいしか戸籍制度は存在しておらず、中国の場合は農民を農村部に縛り付けておくための制度です。

戸籍の必要性について触れてしまうと、本筋から離れてしまうので割愛しますが、日本では戸籍がないと様々な手続きに困ることになります。

戸籍に入らないと結婚もできないですし、パスポートも作れません。

もちろん、社会福祉を受けることもできません。

離婚前の戸籍・姓

さて、これからは徐々に、本題に入っていきます。

夫の田中さんと妻の鈴木さんが結婚したものと仮定して話を進めます。

  • 夫(姓:田中)
  • 妻(姓:鈴木)

まず、夫婦が結婚する前は、夫婦それぞれが実家の両親と同じ戸籍に入っています。(下図 夫は#1、妻は#2)

離婚前 戸籍 姓

離婚時の戸籍・姓

そして結婚すると、新しい戸籍をつくり、夫婦一緒に入ります。(下図 #3)

結婚中 戸籍 姓

戸籍を新しく作る際には、戸籍の代表者となる「筆頭者」を選定する必要があります。

日本では、筆頭者は夫になることが多く、また結婚時の姓は、夫の姓にする方が多いです。

今回のケースでは、「田中」です。

また子供は、夫婦と一緒の戸籍に入ることになります。

離婚後の夫婦の戸籍・姓

さて、本題に入ります。

」、「」、「子供」の戸籍と姓にどのようなパターンがあるのかを紹介します。

必要な手続きについては、その後に解説していきます。`

夫(筆頭者)の戸籍・姓

最初に、夫(筆頭者)の戸籍について考えます。(下図:赤字太枠点線

離婚 夫 戸籍

結論から言うと、夫(筆頭者)の戸籍は、離婚しても変わることはありません。

結婚時に新しく作った戸籍に、離婚後もそのまま入り続けることになります。

妻の戸籍・姓の3パターン(子供無しの場合)

一方で、戸籍の筆頭者ではない妻には、3パターンの選択肢が用意されています。(下図:赤字太枠点線

離婚後 妻 戸籍 姓

  1. 旧戸籍に戻る(原則)
  2. 新しい戸籍に入る(姓は婚姻時と同一:田中)
  3. 新しい戸籍に入る(姓は旧姓:鈴木)
旧戸籍に入る(妻のパターン①)

戸籍の筆頭者でないものが、離婚すれば、原則として一つ前の戸籍に入りなおすことになります。

これは、民法767条1項の規定で決まっています。

つまり、離婚届を提出しただけであれば、自動的に元の戸籍(結婚前の戸籍)に入るというわけです。

旧戸籍に入る(妻のパターン①)

旧姓と通称の使い分け

旧姓に戻した後には、日常生活を営む上で2つの選択肢があります。

  1. すべての名義を旧姓に戻す
  2. プライベートは旧姓、通称は結婚時の姓を名乗る

すべての名義を旧姓に戻すメリットは、「心機一転できる」、「手続きを一度に済ませられる」が挙げられるでしょう。

逆に、デメリットとしては、「周囲が慣れるのに時間がかかる」、「手続き直後は混乱する」が挙げられます。

一方で、プライベートは旧姓、通称は結婚の姓を名乗る場合のメリットは、「離婚の事実を知られずに済む」、「手続きが少なくて済む」が挙げられます。

逆に、デメリットとしては、「状況に応じて姓の使い分けが必要」、「名義変更をするべきものとすべきでないものの区別が面倒」が挙げられます。

新しい戸籍を作る(妻のパターン②、③)

筆頭者以外の方が、新しい戸籍を作ることも可能です。(下図:赤字太枠点線

新しい戸籍を作る(妻のパターン②、③)

新しい戸籍を、婚姻時の姓(田中)で作る場合もあれば、(②)、旧姓(鈴木)で作る場合もあります。(③)

新しい戸籍をつくるケースは、以下のような状況に置かれた場合です。

  • 両親が亡くなって戻る戸籍がない(②or③)
  • 婚姻時の姓を名乗りたい(②)
  • 子供と一緒の戸籍に入りたい(②or③)
両親が亡くなって戻る戸籍がない

両親が亡くなって戻る戸籍がなければ、新しく戸籍を作るしかありません。

婚姻時の姓を名乗りたい

プライベートと仕事の状況を踏まえると、婚姻時の姓をそのまま名乗り続けたい場合もあると思います。

元夫の戸籍に入ることは出来ませんので、婚姻時の姓と同じ姓の戸籍を新しく作り、そこに入ることになります。

子供と一緒の戸籍に入りたい

子供と一緒の戸籍に入りたいならば、結婚前の戸籍に子供を移動させればいいのではないかと考える人もいるでしょう。

しかし、それは不可能です。

なぜならば、戸籍は「1つの夫婦」と「子供」の組み合わせが基本単位だからです。

旧戸籍には、「両親」という夫婦と、あなたという「子供」が既に存在していますから、子供の旧戸籍に入れることはできないのです。

妻の戸籍・姓の3パターン(子供ありの場合)

妻が取りうる戸籍・姓のパターンについては、既に説明しました。

これからは、妻と子供の戸籍・姓について合わせて説明していきます。

子供単体での戸籍・姓は、3パターンあります。(下図:赤字太枠点線

  1. 結婚時の戸籍のまま(#3)
  2. 新しい戸籍に入る(姓は婚姻時と同一:田中)(#4)
  3. 新しい戸籍に入る(姓は旧姓:鈴木)(#5)

子供の戸籍・姓の3パターン

子供の戸籍・姓を、妻の戸籍との組み合わせで、どのようなパターンがあるのかを見ていきます。

基本形態(離婚届を提出したのみ)

離婚届を提出したままの状態であれば、妻は一つ前の戸籍に戻り、子供は婚姻時の戸籍に入ることになります。(下図①、A:赤字太枠点線

離婚 妻 子供 戸籍 姓

もしも、子供が夫に育てられるのであれば、何ら問題はありません。

しかし、もし妻が子供と一緒に生活する場合には、2つ問題があります。

  1. 妻と子供の姓が異なる
  2. 妻と子供の戸籍が異なる
妻と子供の姓が異なる問題(問題①)

一緒に生活する場合に、妻と子供の姓が違っても、当事者である妻と子供が世間からの目を全く気にしないというのであれば日常生活で支障はありません。

しかし、入学手続きや保険加入手続きにおいて、親権者欄にあなたの名前を書くと「本当に親権者なのか?」と念入りに確認される可能性は否定できません。

妻と子供の戸籍が異なる(問題②)

妻と子供の戸籍が異なる場合であっても、日常生活を営む上で問題はありません。

しかし、混乱が起こるとすれば保険契約などで親子関係を証明する必要がある時です。

妻と子供が一緒の戸籍に入っていれば、妻の戸籍を取り寄せることで、親子の確認ができます。

しかし、戸籍が異なる場合には、妻の戸籍謄本を調べても、そこに子供の情報がないので確認しようがありません。

そのような場合には、子供の戸籍謄本を取り寄せれば良いですし、親権者であれば問題なく取得できるでしょう。

このように、特段の問題はないものの、妻と子供の戸籍が異なると、多少の混乱が予想できます。

 

さて、以上の問題を解決するための方法について、詳しく紹介していきます。

まずは、妻と子供の姓が異なる問題の解決方法です。

妻が新しい戸籍(姓は婚姻時:田中)を作る

多感な時期を過ごす子供の姓を、妻の旧姓に変更するのは可哀想という判断をする場合には、妻が婚姻時の姓を名乗る必要があります。

つまり、妻が子供と同じ姓である「田中」を名乗るためには、田中姓の新しい戸籍をつくるのです。(下図①⇒②:赤字太枠点線

妻が新しい戸籍(姓は婚姻時:田中)を作る

これにより、妻と子供が同じ「田中」という姓を名乗ることができます。

そのため、子供が友達から「なんでお母さんと姓が違うの?」と質問される不安から解放されますし、

本当に親権者ですか?と念入りに確認される場面も減るでしょう。

しかし、この状態では、姓は一緒ですが「戸籍」が母と子供で別々であることには変わりありません。

子供の戸籍を移動する

そこで、子供の戸籍を自分の戸籍に移動させることも可能です。(下図②、B:赤字太枠点線

子供の戸籍を移動する

これで、妻と子供の戸籍も姓も一緒に揃えることができました。

しかし、事情によっては婚姻時の姓を名乗りたくないというケースもあります。

例えば、以下のようなケースです。

  • 夫が法律に違反することを行った場合
  • DV・モラハラ被害にあっており夫の記憶を思い出したくない場合
  • 婚姻時の姓ではアイデンティティーを築けない場合
  • 旧姓を単純に名乗りたくない、且つ子供も幼い場合

以上のようなケースでは、妻は旧姓を名乗ることになるでしょう。

しかし、どうしても子供を一緒の戸籍にいれたい場合には、以下のような方法があります。

妻が新しい戸籍(姓は旧姓:鈴木)を作る

妻が旧姓の新しい戸籍をつくり、そこに子供を入れることが可能です。(下図③、C:赤字太枠点線

妻が新しい戸籍(姓は旧姓:鈴木)を作る

しかし、以上の変更は、子供の姓も名前も変更する手続きになります。

そのため、子供のアイデンティティーを損なわないか慎重に見極めましょう。

親権と戸籍の関係

戸籍と姓の手続きを解説する前に、親権と戸籍の関係について説明しておきます。

結論からいうと、親権と戸籍は連動しません。

親権と戸籍は独立した概念であり、別々に手続きする必要があります。

そのため、基本的には親権の決定と戸籍の決定は影響を受けません。

しかし、例外もありますので注意してください。

注意してほしい場合は、戸籍を抜ける側(多くは妻)が親権を持たないにも関わらず、子供と一緒に暮らす場合です。

親権のうち、「監護権」のみを母親が受け持つことで、子供と一緒に暮らすことが可能です。

しかし、後に子供の戸籍や姓の変更を求めても、子供が15歳になるまでは、親権者である夫が手続きする必要がありますので、子供と一緒の戸籍・姓にしたい母親のみなさんは注意してください。

戸籍・姓に関する手続き

さて、これまでは夫、妻、子供の戸籍・姓の組み合わせについて詳しく説明してきました。

これ以降は、実際の手続きについて紹介していきます。

夫に関する手続き

夫が戸籍の筆頭者である場合には、夫に関する手続きは離婚届のみです。

妻に関する手続き

一方、妻に関する手続きについては、少しだけ複雑です。

これまで説明に用いてきた図に、必要な書類をまとめていきます。

離婚届 離婚の際に称していた氏を称する届け

それでは、順を追って解説していきます。

離婚届

まずは、離婚届を提出するところから全ては始まります。

離婚届には、「婚姻前の氏にもどる者の本籍」という欄があります。

これは、婚姻時の戸籍に入っていた「筆頭者でないもの」(多くの場合は妻)に関わる項目です。

この欄で、2択を迫られることになります。

  1. 元の戸籍にもどる(①のパターン)
  2. 新しい戸籍をつくる(②or③のパターン)

下図の「●⇒①」、「●⇒③」の場合には、離婚届を提出するのみです。

離婚届けの提出で済む場合

ここで、新しい戸籍の姓を婚姻時のものを使用する場合(②の場合)には、追加で必要な手続きがあります。

離婚の際に称していた氏を称する届け

民法では、結婚して姓が変わった者が離婚した時は、原則で旧姓に戻ることが規定されています。

そのため、その原則を適用させない手続きが必要なのです。

その手続きを、「離婚の際に称していた氏を称する届け」といいます。

通常は、離婚届と同時に届けるのが一般的です。

しかし、離婚時には自分の姓をどうするか迷っている場合には、離婚の日から3ヶ月以内であれば大丈夫です。

もし、3ヶ月以内に届出ができなければ、家庭裁判所への申し立てが必要になります。

念のため、図でも示しておきます。

離婚の際に称していた氏を称する届け

子の戸籍(氏)を変更する手続き

もしも子供がおり、離婚時の戸籍から変更するのであれば、必要な手続きがありますので説明します。

必要な手続きは、2STEPに分かれています。

  1. 子供の氏を変更する手続き(STEP1)
  2. 子供を自分と同じ戸籍に入れる手続き(STEP2)

子どもの氏を変更する 子どもを自分と同じ戸籍に入れる

子供の氏を変更する手続き(STEP1)

子供の氏を変更する手続き(STEP1)

子供の氏を変更する手続きは、「子供の氏の変更許可申立書」を子供の住所地を管轄する家庭裁判所に提出するところから始まります。

申立が許可されれば、「許可審判書」が交付されることになります。

子の氏の変更許可の申立手続き

STEP①の手続き「子の氏の変更許可の申立手続き」の「申立人」、「場所」、「必要書類」についてまとめておきます。

申立人
  •  子が15歳以上⇒本人
  • 子が15歳未満⇒親権者
申し立ての場所 子の住所地の家庭裁判所
必要書類
  1. 申立書
  2. 子の戸籍謄本
  3. 子が入る予定の親の戸籍謄本
  4. 収入印紙(800円/人)
  5. 郵便切手

※収入印紙と郵便切手の金額は裁判所に要確認

子供を自分と同じ戸籍に入れる(STEP2)

子供を自分と同じ戸籍に入れる(STEP2)

許可審判書」と「入籍届」を、子供の本籍地または子供・親権者の住所地の市町村役場に提出すればOKです。

入籍届け手続き

このSTEP②の「入籍届け手続き」の「申立人」、「場所」、「必要書類」についてまとめておきます。

申立人
  •  子が15歳以上⇒本人
  • 子が15歳未満⇒親権者
申し立ての場所 子の本籍地または子・親権者の住所地の市区町村
必要書類
  1. 入籍届
  2. 家庭裁判所の氏の変更許可の審判書謄本
子供の氏を変更する際の注意点

もしも、子供の氏を変更するか迷っている場合には、急ぐ必要はありません。

なぜならば、子の氏の変更手続きには、時間的な制限がないからです。

子供の意向もあるでしょうし、進学のタイミングや本人が希望する時期などを見計らって変更すると良いでしょう。

離婚時に選択した姓を変更することは可能か?

これまでは、離婚してからの戸籍・姓の変更手続きについて紹介してきました。

しかし、やむを得ない事情がある場合には、離婚時に選択した姓の変更も可能です。

姓の変更が認められる場合とは、以下の3点をクリアした時だといわれています。

  • 姓が社会的に定着される前に申し出た
  • やむを得ない事情があり、思いつきでない
  • 第三者や社会に、弊害が発生することはない

しかし、上記に示した基準は、あくまでも目安であり、明確な基準ではありません。

まとめ

戸籍と姓については、少し複雑なので説明も長くなってしまいました。

後悔しない戸籍と姓の選択ができることを祈っています!

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