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夫婦関係調整調停(円満・離婚)の流れ・手続き・注意点を徹底網羅!

夫婦関係調整調停(円満・離婚)の流れ・手続き・注意点を徹底網羅!

夫婦関係調整調停を攻略して目的を達成したい方は、皆切実な問題を抱えています。

  • どの種類の調停を申し立てればいいのか?
  • 調停で目的は達成できるのか?
  • 調停が上手くいかなかったらどうすればいいのか?
  • 調停はどのようにして進行するのだろうか?

離婚調停を経験するのは人生で1回あるかないかでしょうから、以上のような悩みをもつのは当然です。

そこで本記事では、夫婦関係調整調停についてわかり易く解説していきます。

夫婦関係調整調停をフル活用して問題解決するための手助けになれば嬉しいです。



目次

夫婦関係調整調停を理解する情報

夫婦関係調整調停を理解するための知識を以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 夫婦関係調整調停とは?
  2. 離婚調停とは?
  3. 夫婦円満調停とは?
  4. 夫婦関係調整調停の手続きについて
  5. 専門家の助けは必要か?

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夫婦関係調整調停とは?(A)

まずは、以下の基本的な事柄について解説していきます。

  1. 夫婦関係調整調停の種類
  2. 申立理由には何が多い?
  3. 調停前置主義とは?
  4. 調停全体の流れ

それでは、順に解説していきます。

夫婦関係調整調停の種類(A-1)

夫婦関係調整調停とは

まずは、上図を眺めてください。

上図では、夫婦関係や男女関係に関する調停の種類を図にまとめています。

この記事をご覧になっている結婚中の方に関係があるのは2種類です。

  1. 夫婦関係調整調停(円満)
  2. 夫婦関係調整調停(離婚)

このうち夫婦関係調整調停には、「円満」と「離婚」の2種類が用意されています。
オレンジ色塗りつぶし部分)

この2つの違いは、家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立てた人が、「離婚したいのか」、「夫婦円満を目指すのか」で呼び名が変わるだけです。

それぞれ、離婚調停円満調停と省略されて呼ばれるのが一般的です。

なお、最初は円満調停から始まった調停を途中から離婚調停に切り替えることも可能です。

そのため、配偶者の様子見で離婚調停を目指している場合や、話し合いの状況に応じて離婚の選択肢も考えている場合には、円満調停を申立てるのも一つの選択肢だと思います。

また、離婚調停を申し立てる場合には、離婚話をする際には切っても切り離せない以下の6つの問題についても、一緒に話し合うのが一般的です。

  1. 親権者
  2. 面会交流
  3. 養育費
  4. 財産分与
  5. 慰謝料
  6. 年金分割の割合

夫婦関係調整調停を申し込む時の書類(申立書)にも、それらの問題についての希望を記載する欄が用意されています。

夫婦関係調整調停 申立書

そのため、結婚中であればそれぞれの問題について別途調停を申し立てる必要はありません。

申立理由には何が多い?(A-2)

夫婦関係調停調停を申し立てた理由について紹介しておきます。

以下の表は、平成25年の司法統計から作成したものです。

平成25年度 家庭裁判所の利用事由

夫婦関係調整調停を申し立てた人のうち、約7割が離婚する方向性で申し立てをしています。

申し立ての趣旨として次いで多いのが、別居中の生活費を請求する申し立てです。(婚姻費用分担)

円満調整の割合は少ないですが、絶対数でみれば年間3,320件は夫婦円満に向けた話し合いがなされているようです。

なお、円満調停により夫婦円満を実現した夫婦の割合は後ほど詳しく紹介します。

調停前置主義(A-3)

離婚協議が難航した場合には「もう裁判しかない!」と考える方も少なくないと思います。

しかし、日本では離婚調停を経ずに離婚裁判を申し立てることはできません。

なぜならば、日本には「夫婦関係のことはじっくり話し合いを尽すべき」という考え方があるからです。

そのような考え方を「調停前置主義」といいます。

夫婦で話し合うことなどないと思っている方にお伝えしたいのは、離婚裁判をしても幸せになれるとは限らないという事実です。

離婚裁判をするだけでも、経済的・肉体的・精神的な負担が大きいです。

それに、裁判で離婚が認められても上告されれば戦いの日々は続きます。
また、離婚が認められなくても配偶者と夫婦円満に戻れるわけではありません。

離婚裁判を続けることが合理的な選択肢でないのは、離婚する夫婦全体の全体の1%しか離婚裁判で離婚をしていない事実からも読み取ることができます。

調停の流れ・進め方(A-4)

調停離婚 全体の流れ

夫婦関係調整調停の全体的な流れを説明します。

上図の通り、調停離婚・審判離婚が成立するまでには5つの流れがあります。

  1. 調停申立
  2. 調停で話し合い
  3. 調停調書作成
  4. 離婚届の提出
  5. 審判

それでは、順に解説します。

調停申立(A-4-①)

調停申立(①)

協議離婚が成立しない場合は、夫婦の一方が家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

なお、申立先、必要な書類、費用等については、後ほど詳しく説明します。

調停で話し合い(A-4-②)

調停で話し合い(②)

調停委員を通して、離婚や離婚条件の合意を目指します。

調停のスケジュール(A-4-②-a)

夫婦関係調整調停を申し立てると、調停で数回の話し合いの機会が持たれます。

初回の日程は、裁判所によって指定されることになります。

そのため、もし都合がつかなければ、期日変更申請書を提出することになります。

そして、2回目以降の期日は、調停の席上で夫婦および調停委員のスケジュールを照合した上で決定されます。

調停の進め方(A-4-②-b)

基本的に調停での話し合いは、まずは申立人から行われます。

この間、申し立てられた側(相手方)は、控室で待機することになります。

次に、申立人と交代して相手方が調停室に入ります。

その場で申立人からの主張を伝えられた後、相手方は主張を述べることになります。

つまり、調停では夫婦が直接意見をぶつけあうことはできません。

あくまで、調停員という第三者を通じて主張を伝えることになります。

なお、1回の話し合いは、おおよそ30分程度が一つの目安になります。

調停は白黒ハッキリつける場ではありません。

そのため、調停員は、夫婦双方が納得するまで解決策を提示することになります。

もしも、夫婦による話し合いが難しいと判断されれば話し合いは打ち切られます。
(この状態を「不調」といいます。)

もしくは、申し立てた側が「取り下げ」れば調停での話し合いは終了です。

時間割・拘束時間(A-4-②-c)

離婚調停の時間割は、裁判所によって異なります。

一日3コマの場合もあれば、一日2コマの場合もあります。

一日3コマのケースでは、以下のような時間割になることが多いです。

  1. 午前10時~12時
  2. 午後1時~3時
  3. 午後3時~5時

また、一日2コマのケースでは以下のような時間割になります。

  1. 午前
  2. 午後

いずれのケースであれ、平日に開催されるのが特徴です。

そのため、平日に仕事をしている場合には調停に参加するだけでも大きな負担です。

しかし、家庭裁判所からの呼び出しを無視するのも、それなりのリスクを背負います。

家庭裁判所からの呼び出しを無視すれば、自分の主張を伝えることが出来ませんし、5万円以下の過料(罰金のこと)が請求される可能性があるのです。

そのため、離婚調停の呼び出しがあれば、多少無理をしてでも参加しなければなりません。

絶対に都合がつかない場合には、弁護士に代理出席してもらうことも念頭にいれましょう。

なお、一日あたりの拘束時間については、2時間~3時間程度を見ておけばよいでしょう。

実施期間(A-4-②-d)

離婚調停はどれくらいの期間続くのでしょうか?

参考までに平成23年度司法統計を紹介します。

  • 1ヶ月以内⇒7.6%
  • 1ヶ月超3カ月以内⇒32.4%
  • 3ヶ月超6カ月以内⇒35.3%
  • 6ヶ月超1年以内⇒18.6%
  • 1年超2年以内⇒3.0%
  • 2年超⇒0.1%

司法統計によれば3ヶ月~6ヶ月以内が一番多いようです。

つまり、離婚調停が行われる間隔が1ヶ月~1ヶ月半であることを踏まえれば、3回~6回程度は離婚調停に参加する必要があります。

但し、離婚調停の期間は夫婦お互いの思惑によって短くなることもあれば長くなることもあります。

そのため、平均値を考えることに大した意味はありません。

家事調停委員とは?(A-4-②-e)

離婚調停を取り行う家事調停委員とは、どんな方なのでしょうか?

公益財団法人日本調停協会連合会が公表した平成24年度4月1日時点の数字を紹介しておきます。

少なくとも、裁判官ではないということは、知っておきましょう。

■ 家事調停委員の職業別員数

職業 員数 %
医師 1,284 10.5
医師 110 0.9
大学教授など 257 2.1
公務員 176 1.4
会社・団体の職員 1,183 9.7
会社員・団体の職員 491 4.0
農林水産業 172 1.4
商業・製造業 177 1.5
宗教家 277 2.3
公認会計士・税理士・不動産鑑定士・土地家屋調査士など 2,066 16.9
その他 945 7.7
無職 5,087 41.6
12,225 100.0
調停調書の作成(A-4-③)

調停調書の作成(③)

調停で話し合われた内容に、夫婦が合意すれば調停調書が作成されます。

そして、調停調書に記載された合意内容を、裁判官立会のもと確認することになります。

裁判官も人間ですから、間違うことがあります。

そのため、裁判官を信頼しすぎないで調停調書の内容に間違いがない確認し、間違いがあれば訂正しましょう。

調停調書正本の送達申請

合意内容は、調停調書という書類にまとまります。

しかし、調停調書が正式な書類になるまでには、少し時間がかかります。

そのため、調停調書が出来上がり次第、郵送してもらうための手続きを忘れずに行いましょう。

その手続きを、「調停調書正本の送達申請」といいます。

申し込み書類は、裁判所の書記官室にありますので、記入捺印して提出します。

離婚届の提出(A-4-④)

離婚届の提出(④)

離婚をする場合、申立人は、離婚調停が成立してから10日以内に役所で手続きをしなければなりません。

届出に必要なもの(A-4-④-a)

届出に必要な書類を以下に箇条書きにしておきます。

  • 調停調書の謄本(2通)
  • 離婚届
  • 夫婦の戸籍謄本

なお、離婚届には申立人のみの署名・押印があればよく、相手や証人の署名は必要ありません。

また、本籍地以外の役所で手続きする場合のみ、夫婦の戸籍謄本が必要となります。

調停での合意内容が守られない時(A-4-④-b)

もしも、調停での合意内容が守られない場合には、家庭裁判所の書記官に連絡しましょう。

連絡をうけた書記官が、相手に履行勧告として、調停条項を守るように話をしてくれます。

また、それと同時に対応期限を定めた履行命令を出してくれます。

もしも、金銭を支払わなかったりすれば、強制的に約束を守らせる強制執行を行ってくれます。

審判(A-4-⑤)

審判(⑤)

「②調停で話し合い」が決裂した場合には、裁判所の職権で強制的に離婚を成立させる「審判」が下される可能性があります。

審判は、少額の慰謝料の差で揉めているような場合(詳細は後述)のみに下されるレアケースの処置になります。

仮に審判が下っても、2週間以内に異議申して手をすれば、審判離婚を不成立にすることが可能です。

逆に、2週間以内に異議申し立てをしなければ、判決が確定してから10日以内に離婚届審判書確定証明書を役所に提出すると離婚が成立します。

なお、離婚成立日は、判決が確定した日となります。

審判が下されるケース(A-4-⑤の補足)

裁判官の職権で審判が下されるのは、以下のケースです。

  • 僅かな金額の違いでお互いが合意しない場合
  • 条件面で折り合いがついているものの、体裁面を重視して相手と合意しないと心に決めているような場合
  • 事件を早急に解決しないと、未成年の子に対する健全な成育環境が脅かされ、著しい不利益が生じると考えられる場合

つまり審判は、家庭裁判所が「これ以上争っても無駄。判決に従いなさい。」と諭す場合に用いられます。

さて、これまでは夫婦関係調整調停の基本的な事柄について解説してきました。

ここからは、離婚調停や円満調停のそれぞれについて更に踏み込んだ説明をしていきます。

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離婚調停について(B)

離婚調停について以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 離婚調停のメリット
  2. 離婚調停のデメリット

離婚調停のメリット(B-1)

離婚調停のメリットを箇条書きにします。

  1. 第三者が間に入り解決策を提示してくれる
  2. 配偶者と顔を合さずに話し合いができる
  3. 難しい手続きがないため、弁護士は必ずしも必要ない
  4. 裁判と違い、一方的に判決を下されることがない
  5. 調停調書には強制力がある
  6. 公正証書作成よりも調停費用の方が安い
  7. 相場から逸脱した契約内容にならない

それでは、順に解説していきます。

第三者が間に入り解決策を提示してくれる(B-1-ⅰ)

第三者が間に入り解決策を提示してくれます。

夫婦二人ではなかなか言葉にできないことを第三者の口から伝えてくれる効果は絶大です。

配偶者と顔を合さずに話し合いができる(B-1-ⅱ)

感情的になり易い離婚問題において、配偶者と顔を合わせないことで議論を前に進めやすくなります。

難しい手続きがないので弁護士は必ずしも必要ない(B-1-ⅲ)

難しい手続きが必要ないので、自分で申し立てすることが可能です。

なお、申し立て書類の書き方などがわからなければ、家庭裁判所のスタッフが教えてくれます。

裁判と違い、一方的に判決が下されることがない(B-1-ⅳ)

あくまで第三者を介した話し合いの場であることを知っておきましょう。

調停員からの解決策に納得ができなければ、無理して応じる必要はありません。

調停調書には強制力がある(B-1-ⅴ)

調停終了後につくられる調停調書は公文書であり、法的強制力があります。

そのため、調停で話しあった内容が離婚後に守られない場合は、強制執行も可能です。

下手に協議離婚により口約束だけで離婚する場合に比べて圧倒的に安心感があります。

公正証書作成よりも調停調書の料金の方が安い(B-1-ⅵ)

調停を申し立てる費用は合計で2,000円程度です。

つまり、公正証書の作成費用よりも大幅に金額を抑えることができます。

相場から逸脱した契約内容にならない(B-1-ⅶ)

調停調書は、家庭裁判所の話し合いで作成されるので相場から逸脱した契約内容にはなりません。

例えば、養育費や慰謝料が相場よりも圧倒的に高くなることもなければ、安くなることもありません。

離婚調停のデメリット(B-2)

但し、離婚調停にはデメリットも存在します。

  1. 協議離婚に比べると自由度が狭まる
  2. 自分の主張が100%反映される可能性は薄い

それでは、順に説明していきます。

協議離婚に比べると自由度が狭まる(B-2-ⅰ)

協議離婚では、夫婦間の合意があれば自由な離婚条件を設定することができます。

例えば、極端な話ではありますが、慰謝料と財産分与の金額を1億円に設定することも可能です。

また、親権のうち監護権や財産管理をわけることも可能です。
(父親の戸籍に入れながら、母親と暮らすことも可能ということ)

一方で、調停離婚では、過去の相場からかけ離れた離婚条件が設定されることはありません。

例えば、浮気の慰謝料は高くても500万円程度でしょうし、100万円程度であることも珍しくないでしょう。

さらに、協議離婚のように親権のうち監護権や財産権を分けることを推奨することもないでしょう。

つまり、相場よりも高い条件で決着をつけたい場合には離婚調停は適していません。

自分の主張が100%反映される可能性は低い(B-2-ⅱ)

調停員は、いい意味でも悪い意味でも中立だということを覚えておきましょう。

調停の目的は、判決を下すわけではなく、お互いを歩み寄らせて合意させることです。

そのため、夫婦のどちらにも不満が残る解決策が提示されることも考えられます。

つまり、夫婦双方にとって自分が損をしているのではないかを感じるリスクがあります。

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夫婦円満調停について(C)

夫婦円満調停について以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 夫婦円満調停の活用事例
  2. 夫婦円満調停の解決の仕方
  3. 夫婦円満調停の結果

夫婦円満調停の活用事例(C-1)

夫婦円満調停の活用事例を箇条書きにしておきます。

  • モラハラやDVを辞めて欲しい
  • お酒をやめて欲しい
  • ギャンブルをやめてほしい
  • 家計にお金を入れない
  • 姑との同居を解消したい
  • 子供の教育方針の相違を解消したい

あくまでも建前上は、夫婦円満を目指すのが目的です。

ですから、夫婦円満に向けて夫婦に横たわる問題をどのように解消するのかを話し合うことが議論の中心になるでしょう。

夫婦円満調停の解決の仕方(C-2)

夫婦円満調停の理想的な形は、夫婦円満に向けた合意がなされることです。

なお、調停の結果を待つまでもなく夫婦が円満な関係に戻れるのであれば、調停はいつでも取り下げることが可能です。

また、夫婦円満を目指していたものの途中で離婚の意思が強くなった場合は、いつでも離婚調停に切り替えることが可能です。

夫婦円満調停の結果(C-3)

これから夫婦円満調停を利用する方が気になるのは、「円満調停で夫婦円満に戻れるのか?」ということでしょう。

過去の円満調停の結果から、その点について考えていきたいと思います。

以下は、2010年度司法統計から明らかになった円満調停の結果です。

  • 離婚(22%)
    • 調停離婚(19%)
    • 協議離婚(3%)
  • 婚姻継続(23%)
    • 別居(9%)
    • 同居(14%)
  • 調停不成立(19%)
  • 取り下げ(11%)
    • 一部協議成立し取り下げ(1%)
    • 話し合いがつかず取り下げ(10%)
  • その他・不詳 (23%)

円満調停の結果、夫婦が婚姻継続し同居しているのは全体の13%です。

夫婦円満調停の結果、夫婦円満に戻れている夫婦は少ないというのが現実のようです。

さて、これまでは離婚調停・円満調停のそれぞれの特徴について説明してきました。

ここからは実際に調停手続きを考えている方向けの情報を提供していきます。

まだ離婚調停を申立てるかわからない方は、読み飛ばすか、さっと目を通して頂く程度で十分だと思います。

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調停手続きについて(D)

調停手続きについて以下のテーマに沿って解説していきます。

  1. 調停手続きする前にやるべきこと
  2. 申し立て先(調停をする裁判所)
  3. 申し立て方法
  4. 必要な書類
  5. 調停の費用
  6. 調停当日の注意点

調停手続きする前にやるべきこと(D-1)

調停手続きする前に、注意すべきことが2つあります。

  1. 相手に事前に知らせておく
  2. 弁護士の影を出さない
相手に事前に知らせておく(D-1-ⅰ)

家庭裁判所から、突然呼び出し状がきたら誰でもびっくりすると思います。

特に、「円満調停」を考えている人は相手に警戒心を持たせるのは得策ではありません。

一般の方にとっては、「円満調停」と「離婚調停」の区別が付かないのが普通ですし、あなたのいきなりの行動に、相手は一気に警戒心を強めてしまう可能性があるからです。

そのためにも、「家庭裁判所から夫婦円満に向けた話し合いをするための呼び出し状が届くから驚かないでね」と、事前に申し立てる事実を伝えておくべきです。

もしかしたら、これまで話し合いに応じてくれなかった相手でも「調停になるくらいなら話し合いに応じようかな」と考えを変えてくれるかもしれません。

弁護士の影を出さない(D-1-ⅱ)

弁護士を雇っていても、弁護士を前面に出すことが、マイナスになる可能性があります。

相手によっては「弁護士にそそのかされて離婚を決意したに決まっている!」と見当違いの考えを抱く方もいるからです。

今の段階では、あくまで話し合いです。

あなた自身の判断で調停を申し立てたことを明確にしておきましょう。

申し立て先(D-2)

申立先は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所になっています。(家事事件手続法245条1項)

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所については、裁判所の公式ホームページにて確認して下さい。

夫婦が同居していたり、別居している場合でもお互いが近くに住んでいれば、お互いにとって最も近い家庭裁判所で調停が開かれるわけですから文句はないでしょう。

しかし、あなたが配偶者から遠距離の地域で別居している場合には、遠方の家庭裁判所にまで足を運ぶ必要があります。

そんな時、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所での離婚調停を避ける方法は2つあります。

  1. 相手と話し合って決める
  2. 最寄りの家庭裁判所に許可してもらう
相手と話し合って決める(D-2-ⅰ)

相手があなたの住所地を管轄する家庭裁判所での調停に納得すれば、相手の住所地を管轄する家庭裁判所でなくても構いません。

この場合は、夫婦がお互いに調停をする裁判所について合意していることを証明する書類を提示する必要があります。

その書類を、「管轄合意書」といいます。

管轄合意書の書式は、以下のサイトで裁判所が公開しています。

管轄合意書

最寄りの家庭裁判所に許可してもらう(D-2-ⅱ)

相手の合意が得られない場合でも、あなたの最寄りの家庭裁判所で調停を開催することができます。

そのためには、「自庁処理上申書」という書類を家庭裁判所に提出し許可を求めることが必要です。

裁判所が許可するのは以下のようなケースです。

  • 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所が遠方にあり、なおかつ乳幼児がいるため出席できない
  • 生活保護以下の収入しかなく、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所までの交通費を捻出できない

なお、裁判所に例外処理を申立てる以上は、「証拠」を求められることがあります。

自庁処理上申書の書式は、以下のサイトで裁判所が公開しています。

自庁処理上申書

申し立て方法(D-3)

申し立てる方法は、家庭裁判所に「郵送」と「直接手渡し」の2通りあります。

どちらでも結構なのですが、郵送した場合に書類の不備が発覚した場合には、家庭裁判所と郵送で書類をやり取りする必要があり面倒です。

そのため、家庭裁判所に直接出向いて手続きするのが望ましいと思います。

なお、直接家庭裁判所に出向く際には、訂正印を押すために印鑑を持参することを忘れないでください。

必要な書類(D-4)

夫婦関係調整調停の必要書類一式は、以下のサイトからダウンロード可能です。

なお、手続き上の注意事項を記載したPDF資料が用意されていますので必ず目を通しておきましょう。

離婚調停 説明

なお、念のため必要書類一式を箇条書きにしておきます。

※ 原則必要なものを赤字で記載しています。また、必要に応じて用意すべきものを黒字で記載しています。

  1. 夫婦関係調整調停申立書(裁判所用、申立人、相手方、各1通)
  2. 事情説明書(1通)
  3. 子についての事情説明書(1通)
  4. 連絡先等の届出書(1通)
  5. 進行に関する照会回答書(1通)
  6. 夫婦の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)1通
  7. 年金分割のための情報通知書(年金事務所で貰う)
  8. 非開示の希望に関する届出書(1通)
  9. 収入印紙(裁判所によって異なる)
  10. 郵便切手(裁判所によって異なる)
  11. 管轄合意書
  12. 自庁処理上申書
  13. 陳述書

なお、申立書は相手方に送ったり、見せることが前提となります。

ここからは、箇条書きにした書類の補足事項を説明していきます。

事情説明書とは?(1)

事情説明書とは、同居しているかどうかや、財産の状況などについて説明するものです。

なお、余裕があれば事情説明書の他に、陳述書を作成することをお勧めします。

子についての事情説明書とは?(2)

子についての事情説明書とは、親権者を決めるために参考となることを書く書類です。

なお、余裕があれば事情説明書の他に、陳述書を作成することをお勧めします。

連絡先等の届出書とは?(3)

裁判所からあなたへの連絡方法について書く書類です。

進行に関する照会回答書とは?(4)

進行に関する照会回答書とは、相手方が調停に出席する可能性や、調停の日程調整のために参考にする書類です。

年金分割のための情報通知書とは?(5)

年金分割のための情報通知書は、調停開始までに必ず必要なものではないようです。

調停開始までに間に合わなければ、家庭裁判所を通じて入手します。

とはいえ、離婚調停前に年金分割額を知っておくことは、離婚後の生活設定をする上で有益です。

時間的に余裕があれば、先んじて年金分割のための情報通知書を手に入れて下さい。

詳しくは、こちらの記事で解説しています。

なお、年金分割のための情報通知書を年金事務所に請求してから、実際に到着するまでには1ヶ月程度の期間を想定する必要があるそうですから、申請手続きは早めに行いましょう。

非開示の希望に関する届出書とは?(6)

あなたの提出した証拠書面や証拠のうち、相手に見せてほしくないものがある場合に利用する書類です。

浮気の証拠を掴んでいることを、あえて相手に伝えないケースなどに利用します。

管轄合意書とは?(7)

管轄合意書は、調停を行う家庭裁判所を夫婦で話し合って決める場合に必要な書類です。

相手の住所地を管轄する家庭裁判所で調停を行う場合には必要ありません。

自庁処理上申書とは?(8)

自庁処理上申書は、あなたの最寄りの家庭裁判所で調停を行いたい場合に必要な書類です。

相手の住所地を管轄する家庭裁判所で調停を行う場合には必要ありません。

陳述書とは?(9)

陳述書については、以下の記事に詳しくまとめています。

調停の費用(D-5)

調停を申し立てるためには、以下の2つが必要です。

  1. 印紙代 約1,200円
  2. 呼出通知の切手代 約800円

但し、上記の価格は家庭裁判所によって多少異なります。

合計2,000円程度で、調停を実施できるのはかなりリーズナブルだと思います。

調停当日の注意点(D-6)

調停当日までに準備しておくことや、注意すべき事項を順に説明しておきます。

  1. スケジュール帳・筆記用具
  2. 証拠や書類
  3. 第一印象を整える
  4. 言葉づかいを丁寧
  5. ベビーベットの有無を確認

せっかく調停を申立てるのですから、最後まで準備を怠らないようにしましょう。

スケジュール帳・筆記用具(D-6-ⅰ)

調停の最後には、次回の調停スケジュールをすり合わせることになります。

スケジュール帳があれば、必ず持参しましょう。

また、調停員の提案や意見は必ずメモしておきましょう。

もしも後日、弁護士の助言をもらうときに、正確に状況を伝えることができるからです。

証拠や書類(D-6-ⅱ)

浮気の証拠を示すものや、DV被害の診断書があれば持参するのも手です。

但し、どのタイミングで証拠を提出するのがお得なのかは、ケースバイケースです。

判断に迷うことがあれば、弁護士に相談しましょう。

第一印象を整える(D-6-ⅲ)

裁判所は、あらゆる職業の中でも「お堅い」職業です。

また、年齢層も少し高めの方が多いようです。

お堅い業種にいる方々や、経験豊富な大人は、無意識に人の外見に注意を払います。

その根底には、「この人は信頼できる人なのか?」ということが判断の基準にあるからです。

服装や髪型は清潔・清楚に整えておくのが無難です。

言葉遣いは丁寧に(D-6-ⅳ)

言葉遣いは丁寧にしましょう。

無礼な人間は、いい印象を与えることはできません。

ベビーベットの有無を確認(D-6-ⅴ)

待合室には、ベビーベットがあると思いますが念のため確認しておきましょう。

また、子供が2歳以上であれば、どこかに預けておくのが無難です。

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専門家の助けは必要か?(E)

基本的に弁護士を雇う必要がないのが、離婚調停のメリットでもあります。

しかし、調停委員には以下のような様々なタイプがいます。

  • 男尊女卑と思われる調停員
  • 女性に肩入れする調停員
  • 説得しやすそうな側を説得する調停員 etc

調停員がどんな人物であれ、あなたの主張が認められる実感があるのであれば、弁護士は必要ないでしょう。

しかし、あなたの主張が全く受け入れられない状況であれば、弁護士に相談することも検討しましょう。

そして、もし弁護士に相談するのであれば、遅くとも第一回の調停が終わった時点で相談して下さい。

なぜならば、調停が進んでしまった段階では、どんなに優秀な弁護士でも巻き返すことは難しいからです。

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まとめ

家庭裁判所は、質の高いサービスを安価で提供する優れた機関だと思います。

必要に応じてフル活用してください!

なお、「離婚準備なう。」では離婚準備の無料マニュアルを公開しています。

是非とも参考にしてください↓↓

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